STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人と怪異の隔たり
原作は未読。
作画、雰囲気などは「物語」シリーズのそれといった感じで、さすがにもう斬新さを感じる
ことはないが、妙な安心感はあったりする。
今回のメインヒロインは斧乃木 余接。
「偽物語」の「つきひフェニックス」において可愛らしい容姿とは裏腹に阿良々木 月火への
躊躇しない攻撃に感情のない人形のような印象を持ったが、その後の「〈物語〉シリーズ
セカンドシーズン」の「しのぶタイム」ではその心情を描くことで随分と親しみを感じさせる
存在に。
しかし、本作での手折 正弦への攻撃において、感情は人間に近くてもやはり人間と怪異の
間には隔たりがあることを感じさせるもので、ある意味悲しい存在でもあるなあと思ったり。
そういう意味では本作で阿良々木 暦がより吸血鬼化している状況で、人間でなくなるのは
どういうことかということを、斧乃木が示しているような感じもあった。
ストーリー的にはまだまだ描かれていないバックグラウンドがあるような感が強く、やや
モヤモヤした感は残るが、本作の一件が斧乃木の本質を描くための舞台装置の一種と考えれば
曖昧なままでもいいかなと。
そして、また登場した忍野 扇。
本筋には絡まず、阿良々木 暦に茶々を入れるだけの存在だが、とにかく存在感がある。
可愛くもあり、憎らしくもあり、何を考えているのか判らない不気味な存在でもあるが、
なんとなく根底には邪悪なものを感じる。