「灰と幻想のグリムガル(TVアニメ動画)」

総合得点
87.2
感想・評価
1955
棚に入れた
9395
ランキング
161
★★★★☆ 3.9 (1955)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

異世界サバイバルストーリー。

アニメーション制作:A-1 Pictures
2016年1月 - 3月に放映された全12話+OVA1話のTVアニメ。

原作は十文字青によるライトノベル。

【概要】

目が覚めるとハルヒロは自分が過去にどこで何をやっていたか、
想い出と人との繋がりの記憶を一切失っていた。
憶えているのは自分の名前と言語と所作程度。
そして、ハルヒロを含めて同じ状態の若い男女が12人。

彼らは夜空が緑がかって月が赤い世界にいた。

この世界グリムガルでは、人間族のほぼ唯一の国家・アラバキア王国が、
オーク・コボルト・ゴブリンなど亜人と戦争状態にあり、王国はかつての領土を幾ばくか失っていた。

王国の正規軍は亜人との戦争で手一杯であり、
その代わりに、ハルヒロたちと同じように目覚めた記憶の無い者を義勇兵として遊撃の任に就かせるシステムがあり、

そして、ハルヒロたちは義勇兵として魔物を討伐して生活していくことを、
義勇兵団「レッドムーン」から迫られる。

義勇兵は、パーティの中での戦士や魔法使い・神官・盗賊といった担当する職業を選んで訓練を受けて、
5~6人でチームを組んで役割分担をして行動するというルール。
12人のうち見込みの有りそうな連中は、さっさと徒党を組んで先に出て行った。
そして残された余り物の6人。ハルヒロ・マナト・ランタ・モグゾー・ユメ・シホル。
少年少女らの、右も左も分からないグリムガルでの悪戦苦闘の日々が始まったのだった。

【感想】

このアニメの第1話の序盤を見て思ったこと。それは…史上最弱の主人公たち。
6人がかりでゴブリン1匹倒せないなんてww

投石や弓で牽制して槍で囲めばいいのになあ。
ハルヒロたち、戦いのズブの素人なのにリーチの短い武器を何選んでるの?

なんて呟いてたら、ネットでは既に散々に語り尽くされてるのねw

そもそも、ハルヒロたちが弱いのは役割分担と連携が拙かったわけで、
義勇兵団「レッドムーン」は、記憶が無い人たちに、
当座の生活費とギルドに入ってスキルを覚えるための資金、あと粗末な宿舎に住む権利を与えて
あとは好きにやれ!但し、お前ら自身で亜人を狩って追い剥ぎで自活をしないと収入ゼロだぞ!
で終了。

気前が良いのか悪いのか、よくわからない扱い。

最低限の集団戦闘のやりかたをレクチャーする場所とかないのかな?とか、思ったりして。
10月から始まる『ドリフターズ』では、
織田信長がエルフを調練して織田家の戦い方を叩き込んでから戦場に送り出していますので、
尚更比較してしまいますね!

野営や戦闘に関する新人研修も無しに実地に放り出すようなやり方がグリムガル流なんですかねえ?
正規に兵士を育てるより多分これが労力とコストを抑えられるということなんでしょうけど、
練度が低いままに無駄死する奴が続出してもおかしくないような?
この世界にはザオリクがないですしね。義勇兵は死んでもいい使い捨て扱いなのか制度として雑。

等身大の素人の若者たちが、緊迫感のある戦闘をするために、
弱いままの状態を作り出すための舞台装置的な制度設計。
そして、底辺から成長していく様子を描くために故意に義勇兵の扱いをぞんざいにしているんでしょうね。

このアニメを見て思ったのですが、生き物を殺すってのも簡単じゃないですよね。呵責みたいなものが有ると思うのです。
この作品のゴブリンには知性も文化もあって、外見こそ緑色のちっこい二足歩行生物ですが人間に近くないですか?
ハルヒロたち、金のために殺人ならぬ殺ゴブリンに躊躇ない感じですが、
追い剥ぎ殺ゴブリンをやらないと飢え死にしちゃうんで、早々にタガを外しちゃってる感じですね。
(記憶失ってますが現代日本の)倫理観をグリムガルに持ち込めば生きていけないと腹を括ったんでしょうかね。
一度やっちまえば、命を奪うことに慣れてくるっぽいですがw

原作を読んでないので、亜人を殺さずに生きていける方法が本当に無かったのかもよくわからないですし、
義勇兵は、亜人と戦う以外の生き方を選択できない存在なのでしょうかね。このへんは全然詳しくないですが。

人間と亜人は戦争中で殺し合ってるという説明が台詞ではあるものの、
原作では亜人が人間の町を襲撃している話があったっぽいですが、アニメでは丸々カット。
おかげで人間が金銭目当ての産業としてゴブリンたち亜人を狩っていて、
ゴブリンたちは単に自衛の手段として戦っているようにしか見えないのが構成として失敗ですね。

物語は最初の数話でリーダーが死んで敵討ちまでの過程に尺を費やされるわけですが、
延々と主人公たちに殺され続けるゴブリンにとっては災難このうえないですよね。
ゴブリンたちも殺されたくなくて抵抗の結果、主人公たちにも被害が出たわけでして、
人間と亜人が殺しあってる世界観で、ハルヒロたちもゴブリンを殺してるから殺る殺られるはお互い様。

リーダーを殺したゴブリンへのリベンジストーリーを楽しむ云々以前に、
ゴブリン視点から、『灰と幻想のグリムガル』を観たくなったりしてw
ゴブリン同士の会話を日本語に訳して、ハルヒロたちの言葉は叫び声にして言語として理解不能にしたりしてね。

各キャラのことや終盤のコボルト戦については、特に書きたいことがないですので省略しますねw
原作そのままにやればいいのに、アニメ独自にいらないアレンジ加えまくって原作既読者からは、
終盤の一騎打ち描写とかストーリー面ではいろいろと不評っぽいですけどね。

どうやら、ストーリーだけを楽しむなら原作のほうがずっといいようですね。
各巻のあらすじを読むと本格ファンタジーっぽい要素があるように思えます。

アニメはアニメで作画に力が入ってましたけどね。
でも、音楽っていうか挿入歌の使い方がわざとらしかったのがマイナスですね。


いろいろと思ったことをグダグダと書きましたが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/09/14
閲覧 : 376
サンキュー:

60

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