シャベール大佐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちょっと臭さも感じるけれど、なかなか面白い青春アニメ
「思春期症候群」と総称される、不安定な精神状態によって起きる様々な不思議現象に悩まされている少女たちを、主人公・梓川咲太が助けていく青春ファンタジー。作品の形式的には化物語に似たような感じ。1人のトラブル解決に各2~3話ずつ使っていき、全13話で計5人のヒロインが描かれます。
内容的には、現実ではありえない不思議な現象が物語の入り口になりますが、その背景には、学校での人間関係や家族の問題といった、ヒロインたちの等身大の悩みがあって、そこに主人公が誠実に関わっていくことによって解決に導くというような流れ。それぞれの話のなかでは、メインヒロインである桜島麻衣のエピソードがいちばん面白かったように思いましたが、どのヒロインの話も普通に楽しめて、全体的に良かったです。物語のペース配分については、やや駆け足に感じられる場面もありましたが、ヒロインの数を考えると、まあこれくらいで仕方ないのかもしれません。
また、この作品への印象において、もしかしたら物語の内容よりも影響力が大きかったかもと思われるのが、主人公である梓川咲太のキャラクターでした。普段学校では周囲から浮いた存在で、数少ない身近な人との会話でも軽薄な感じがするけれど、実は内面には熱くて優しい部分があり、大切な人のためなら自分が泥を被ることも厭わない人物に描かれていて、観る人によってはクールでかっこいいと思うかもしれませんし、逆に鼻について不快と感じる人もいるかもしれません。個人的には別に嫌いではないのですが、やや出来すぎなキャラという気がしたのも事実で、高校生くらいの年頃の男子ならば、もう少しアホな部分があったほうが親しみが湧くようにも思いました。
作画は綺麗。音楽は、OP曲が青春っぽくて良かったです。声は、桜島麻衣を瀬戸麻沙美が演じていて、なんだか瀬戸麻沙美のメインヒロインってずいぶん久しぶりな気がするなあ、なんて思いながら眺めていました。
最後まで観終わって、ちょっと狙いすぎの臭さのようなものは感じましたが、青春アニメとしてなかなか面白かったです。作中でちょこちょこ顔を出していた牧之原翔子をヒロインとした劇場版も作られるようなので、機会があれば観てみたいです。