「映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)」

総合得点
80.1
感想・評価
586
棚に入れた
2220
ランキング
462
★★★★☆ 3.8 (586)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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Tnguc さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

「なぜ彼女たちはアニメが好きなのか?」という疑問をフォローした湯浅監督の手腕

~
 現代のアニメはキャラクターの可愛さや声優の豪華さだけが取り沙汰されがちだけど、この作品では珍しくアニメーションの本質的な奥深さを掘り下げて発信されている。ある意味説教臭い作品。「SHIROBAKO」ではアニメーションの製作現場を描いた作品に対して、この作品ではアニメーションそのものがクローズアップされていて、似て非なる作品であると同時に、それゆえにドラマ性よりも教材的な側面の方が強い。このことから、この作品は漫画が原作であるからにして、漫画を通してアニメの細部を知ってもらい、ひいては読者にアニメーションの魅力を知ってもらうのが魂胆だと思うが、それを深夜アニメで伝えたところで、この作品にまで手を出している視聴者は既にアニメの魅力を理解しているような層ばかりだろうし、わりとミステイクなアニメ化な気がした。さらにアニメーター(映像研)としての根本的な目標や夢などが殆どなかったために彼女たちの青春は他の青春アニメと比べると至極地味で、あるのは「締切」というビジネスライクのため共感がやや難しい。かと言って「けいおん!」のように青春を彩るためだけの部活動、という風にも見えず、こういった軋みのストレスなどから見えてくる「主人公たちを女子高生にした理由」がいまいち感じられなかった。残念なことに、彼女たちが創り上げていくアニメの完成品の数々よりも彼女たちの妄想の世界を描いたシーンの方が表現豊かで面白いと思うのだが、そんな空中楼閣に付き合うパート自体は青春ドラマ的には完全な寄り道であり、純粋にアニメーションを楽しむだけの心の余裕と知識(ここ重要)がなければこの時間は苦痛に映るだろう。しかもそれが本作の目玉でもあるのだから余計にシニカルだ。かつて「スラムダンク」を読んでバスケを始めた少年少女は数多といるが、はたしてこの作品を観てアニメーションに興味を持つティーン層がどれだけいるのか不思議と思う。逆に、アニメに造詣が深い者にとって、アニメの素晴らしさを代弁してくれるこのアニメはまるで良い仲間と出会った時のような共鳴があっただろう。

個人的評価:★★☆☆☆ (2.5点)

投稿 : 2020/09/12
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サンキュー:

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