「絆のアリル(TVアニメ動画)」

総合得点
53.2
感想・評価
66
棚に入れた
126
ランキング
7615
★★★☆☆ 2.4 (66)
物語
2.1
作画
2.6
声優
2.6
音楽
2.5
キャラ
2.4

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ネタバレ

螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.0 作画 : 2.0 声優 : 2.5 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

ただのアイドルアニメ博士じゃ僕は倒せないよ

知る人ぞ知る有名Vtuber、キズナアイに憧れる主人公が彼女を目標にバーチャルアーティストになるための夢に向かって歩んでいくというストーリー。ジャンルとしてはアイドル系の亜種ですかね。
バーチャルでの芸能活動を題材にした作品は珍しいので、着眼点は良いと思います。
ただ、1話だけではありますがシナリオがあまりに微妙。アバンはキズナアイのライブ。本編に入ると主人公がよく分からないうちに変な人と出会って会話しているうちに授業に遅刻、さらにその授業の一環でライブ披露、最後に変な生き物を見つけて終わりというイマイチパッとしない流れ。
主人公自体、キズナアイに憧れているという以外掘り下げがろくにされなかったのでライブシーンも興味が持ち難い。他のキャラはモブ同然の扱いなので言わずもがな。ダンスや歌唱も下手とまでは言わないもののあまり惹きつけられませんでした。
作画もWITが関わってる割には微妙。酷くはないんですか凡庸の一言。こうなっている理由として、クレジットを見る限りで判断してみて、もう一つの制作会社であるシグナル・エムディが主導だからだろうと個人的に考察します。
わたしとしては他のレビューで騒がれているキズナアイの不祥事云々も織り込み済みで、バーチャルアーティストならではの独特な世界観を見てみたくて視聴したわけですが、1話段階だとV関係無くこれは微妙だと思います。あまり興味湧かないけど見ているOpusよりパッとしないと思わせるのはちょっとなぁ。

良い点
・登場人物のキャラデザは可愛い。
・時折挟まれるキズナアイのライブシーンだけはなかなか高クオリティ
・挿入歌自体はまあ良い曲
・題材はまあまあ個性的

悪い点
・キャラクターに魅力が無い。特に主人公のミラクは行き当たりばったりな上、シリアスシーンでもへらへらしている不快なキャラで、主役として物語を引っ張っていくにはあまりに力不足。
・ストーリーが雑。説明不足に起因するツッコミどころや意味不明なシーンがとにかく多い。滑り倒してるCパートや何回もしつこく挟まるライブシーンのせいで本筋に割かれる尺が短いのがこの問題に拍車を掛けている。
・音楽もウリなはずのアニメなのに曲のバリエーションに乏しい。各キャラの見せ場では同じ曲で替え歌をして水増しをするという暴挙に出ている。
・作画があまり良くない。一応極端に崩れたりはしないので上記の問題に比べたら些細なものではある。

2話
新キャラ、クリスの登場回。クールな感じはよくあるキャラ付け。キャラ同士の絡みによって横の広がりが増え、話は前よりマシだけど相変わらず絶妙に眠たくなる虚無さ。ここまで話が動かないとなると流石にライバルキャラとか出した方が良い気がする。
ライブシーンは前回ミラクがやってたのと同じ曲をクリスでやっただけのやつ。別の曲じゃないんかい。しかもedでも使われてるから手抜きに見えてくる。

スパイ教室より虚無とは、たまげたなぁ……

3話
微妙さは相変わらず。
学内でトーナメントが始まるらしく、ミラクは意気揚々と参加を決めるんですがこれまでを振り返って自分が未熟であることを理解し、どうにかしてパフォーマンスの質を高めようとします。
悩むミラクはまず先生に聞きに行きます。応用ばかりに目が行っているミラクに彼は基礎を見直すようにアドバイスしますが、ミラクはそれを聞き流していました。いや、基礎できてないんなら基礎を叩き直せよ。なんで先生からのありがたい正論を聞き流して学園長に聞きに行く流れになってんだ。
学園長はミラクに具体的な目標は何かと、自身について思い直すように尋ねます。そこからミラクは謎の精神世界に突入、いつもと変わらないふわふわした目標を自分の理想だとして納得し、パフォーマンスを始めました。ここの曲は今までと違いました。
その後、ミラクはある登場人物からその様を中途半端だと咎められるんですが、まさにその通りだと思います。夢を叶えたいと豪語する割には、自分で考えようともせず挙句基礎を疎かにする辺りあんまりやる気が無いように見えます。
全体を通して、このように主人公のスタンスが終始抽象的ゆえに、どうにも感情移入が難しいです。ここが改善できればまだ応援できそうですが……。

4話
ミラクがトークを中心にした配信に取り組む話。それ自体はまあ良いとして、全体的にバーチャルさんみたいな寒々しい内輪ノリみたいな空気が漂っています。特にCパートは悪い意味で極まってた。
一応、ミラクが諦めずにトライアンドエラーを繰り返していく流れ自体は評価できるし、主人公らしい強みもようやく出てきた感じ。ただ配信を続けるという話の題材が悪いかな。ずっとつまらない配信をやっては滑りまくるだけだからテンポが悪いし、とにかく絵面が地味で見応えが無い。最後の盛り上がりに組み込まれた流れも謎。配信中に事故って聞こえなくなったミラクの台詞をリスナーが雑に埋めて盛り上がるって低俗なノリは流石に無いでしょ。リアルでもここまで著しく雑なノリは見たこと無いです。

バーチャル界隈の悪い所を煮詰めたような微妙な話でした。

10話まで
個人的な評価は変わらず低いままです。ノエルの話はちょっとマシですが、クリスが主役のオンラインゲームの話とかリズが初登場するスケボーの話は控えめに言っても意味不明。特にスケボーの話は個人戦のはずが二人いなければトラップに阻まれてゴールできないという理不尽ギミックをコースに搭載している訳のわからない展開になっています。
一番ダメなのが主人公のミラクの行動がほぼ全部行き当たりばったりな上に感情の変遷が早過ぎる点。作品の顔に等しい主人公というポジションだからかなり悪目立ちしている。いきなり落ち込んだかと思ったら数カット挟んだ次の瞬間には立ち直ったりします。これはもう前向きというよりは多重人格としか思えない。そうした悪印象が重なり、ぶっちゃけ10話の彼女の迷走も今までのミラクの感じとそんなに変わらないので応援したい気分にはなれませんでした。
また、滑り芸が目立つせいでVTuberというジャンルの販促にもなっていない気がします。全体的に目玉である配信シーンやライブシーンがことごとく滑り倒しているのが致命的。ライブなんて替え歌ばっか擦って露骨に手を抜いてるし。この点は個人差があると思うけど、多分リアルの配信よりはるかにつまらないだろうというのが私には確信できます。

バーチャルさんと同じでVTuberのネガキャンにしかなっていない愚作だと思いますね。

12話まで
最後まで見て思ったこと……クソアニメですね(真顔)。キズナアイは添え物でした。
11話はマルマルの個人回。他の回に比べたらしっかりと描写している分まだまともです(面白いとは言っていない)。女装オチなのは意味分からんけど。
12話は運営側の工作によってコラボをする生徒たちのランキングが上がり難くなり、それによってミラクたちの意見が対立。そこから何やかんやあってユニットを結成、クオリティがキズナアイ並みに高くなった、これまでにも個人回で使われていた曲のクソ長フルライブを披露し、その結果ランク外だったミラクとクオンが予選通過圏内に滑り込んで話は一旦終わりました。
最後は2期ありげな雰囲気を匂わせています。マジか……。
完走した感想としてはひたすら虚無アニメだったなぁとしか。最終回含めて描写があっさりし過ぎているし、障害を乗り越えてもランキングの面では何の成果も得られませんでした!が続くので見ていて飽きやすいです。あとミラクが毎回腹立つ。キャラクターの見た目とか延々と同じ曲が擦られる音楽自体、ミラクの顔芸は比較的良質なのでわたしはそこに希望を見出して見ていましたが、逆にそれしか希望が無いのでここら辺に余程の興味が無いと完走は厳しいと思います。

投稿 : 2023/06/20
閲覧 : 397
サンキュー:

7

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