「僕の心のヤバイやつ(TVアニメ動画)」

総合得点
79.1
感想・評価
331
棚に入れた
1108
ランキング
516
★★★★☆ 3.9 (331)
物語
3.9
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえず簡単な感想

 原作は未読だったが、視聴後に読破。
 ⚪︎⚪︎さん系、あるいはそれに類した構図の作品と同系統の作品だが、これらの作品の多くが
主人公とメインヒロインの1対1の関係に終始しているの対して、本作は南条 ハルヤ、足立 翔と
いったメインヒロインの山田 杏奈に思いを寄せるキャラが登場するのがちょっと違う。
 まあ、話を大きく動かすようなキャラではなかったけど。

 この系統の作品はメインの二人の関係性を主軸に描いていくため、メインキャラの魅力が
作品自体そのものの魅力に繋がっている感があるが、その点では本作のメインである
市川 京太郎と山田のキャラの立て方は見事。
 特にメインヒロインの山田が欠点だらけというところが良かった。
 この系統の作品の基本的構図は
「パッとしない男性主人公が美少女キャラに好かれてしまう」という
逆シンデレラストーリーであり、ストーリー上におけるキャラ設定という点では、
メインヒロインは欠点のない完璧美少女のようなキャラでも良いのだが、隙や穴が多いキャラは
逆に人間的な魅力が増すし、リアリティも感じさせる。
 山田のような欠点はやり方によってはイラッとさせたり、あざとくなってしまうきらいも
あるが、この辺はうまいこと山田というキャラの可愛さに繋がっているように思えた。
 加えてコメディとしての笑いどころでもあるという。

 この系統の作品は「メインヒロインがどうして主人公を好きになったか?」が
描かれなかったり、描かれたとしても割と他愛ないものであることが多い中、本作ではかなり
多くの尺を割いて、そこを描いているのが印象深い。
 個人的にはあくまで二人のいちゃつき具合を描きたいだけでその理由はあまり重要視
していない作品なら、「それはそれでいいかな」と思うし、現実でも過程などない一目惚れも
あるわけだが、本作のように恋愛感情を抱くに至る過程や、その後の二人の関係性の変化を
ていねいに描いてくれると、やはり作品世界における二人の恋愛に対する説得力が増す。
 市川と山田が仲が深まっていく過程においては、それぞれの頑張りも大きく、そういう点で
恋愛ものというだけでなく、市川と山田の成長物語の要素も強いが、ここでは二人の欠点の
多さが伸び代として良い振りになっているみたい。
 こうした関係性描写やキャラ作りのせいか、設定や展開自体はそうあるものではないのに、
作品自体はやけに生々しいものを感じる。

 付き合っているような仲の良さなのに付き合っていない状態が続いていくのは、他の同系統
作品と同じく。
 これらの作品群がなかなか付き合うに至らない要因の一つが男性主人公の自己評価の低さに
あり、本作もそんな感じ。
 ただ、本作の面白いところはメインヒロインの山田も自己評価が低いところ。
 側から見てると、可愛くてモデルもやっているスクールカースト上位の陽キャだが、
本人的には可愛いぐらいしか取り柄がないといったところなのだろうか。

 男性主人公視点中心では話が進んでいくところもこれまた同系統作品に多く見られるもので、
市川の心情はモノローグで語られることが多いのに対して、山田の心情は彼女の行動、仕草、
発言などから推しはかるところが多かったりする。
 ちなみに割と抜けているところの多い山田だが、こと市川と接近するようなことに関しては
頭が回る策士になるところが面白い。
 この市川のモノローグだが、山田のボケが多いため、山田に対するツッコミにもなっており、
笑いどころとしてもうまいこと機能している。

 市川と山田にばかり言及してしまったが、他のキャラも魅力的で、特に同級生同士の
やり取りなどはなかなか楽しかったりする。

2023/07/22

投稿 : 2023/07/22
閲覧 : 70
サンキュー:

7

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