「白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.8
感想・評価
443
棚に入れた
1337
ランキング
756
★★★★☆ 3.6 (443)
物語
3.4
作画
4.0
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

アニメイト さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分には目新しさもあってとても面白かった。

一クールと二クールとでガラリと印象が変わる。登場キャラは同じで性格もそのままにできたままガラリと話の印象が変わるのが面白かった。もう一つ目新しさを感じたのが、都会から田舎に越してきた元アイドルかつ視点も風花メインであり風花が主人公らしいにも関わらず、二クールでは相棒でありかつ完全に脇役になった上、一クールでの立ち位置も夢を持っているくくるを応援するという主人公でありかつ夢を持つキャラを応援するという立ち位置であったこと。

先述の通り一クールと二クールで印象がガラリと変わりながらもうろ覚えだが水族館の人は優しくあって欲しいというおじいの名言が引き継がれていて心温まる見所あるシーンが両クールともにあった。一クールはそこに高校生らしい青臭く間違いしかし無謀ながら駆け抜けていく青春と小ぢんまりとしていて故に人同士の距離が近く濃厚な田舎。対して二クールは社会人の都会の歯車として個性・趣向が仕事に黙殺され、職場の人との心の交流も希薄化し主に描かれる場所のティンガーラが巨大で最新鋭の印象から都会的に感じる。一クールの暖色に感じるものとは対照的に薄灰色のテイストが加味されている。だがその中でもがき抜いたくくるが、来賓にも魚に興味を持ってもらえ、何より夫婦とその子どもが大喜びの、魚だけでなく人にも優しい結婚式を作り上げた所は最高の一幕だった。

キムジナーがどうとか、カイくんの恋慕はどうなったのかとか、諏訪哲司が仕事で成果を上げているシーンが描かれていないため理念があることは分かったがそれがどう行動につながっているのか納得させにくいキャラクターだとかは存在している問題でありながら個人的には他の良かったところに注目するため殆ど気にならなかった。

他に良い点 キャラと風景それぞれの色合いの気持ちよさ。可愛さ、カッコよさがキャラにはあり、安らぎが風景にはあった。男キャラが徹底的に脇役でストーリーの中で問題の中心に居てそれを解決するということがないということもあってか(いやそれでも無意味に不愉快なキャラにするアニメもあるが)、男キャラがみんな気がいいし面白いし性的にも魅力があった。空也と瑛士と海やんは本当にお気に入りのキャラ。3人とも各々の方面でエロすぎる。(見た目チャラそうに見えて無気力イケメン不憫有能酔った時のギャップ毎度酒で釣られてくれるチョロかわノリ悪いのに毎回一緒に遊べる女っ気なし気にかけてくれる学生時代からの女あり、インテリメガネ面白優しい周りも意外と見えて見えた上で自分の世界があるタイプ、色々とデカいムチムチしてる腰を痛めるないい具合に歳をとっている周りに知られない意外系既婚者ロリに優しい) 櫂くんも…うん…俺としても不本意ながら寝取られ属性としてエロさ極まってると思うよ。

と、男キャラのエロさで字数バランスが崩れてしまった。本当はストーリー面での魅力の方が大きく感じているのに、これでは脇役のはずの男キャラが主な魅力と感じているみたいに誤解されてしまう。

それに自分がさらに評価しているのはストーリーもキャラもさりげなさ・自然さ。あまりここで書きすぎてせっかくさりげなく描かれているものをあからさまと受け取ってしまわれるとストーリーもキャラも本来の魅力30%減してしまう。

諏訪と南風原を前にすると確かにこんな無能が居るか!脚本の都合だ!と言いたくなる気持ちも分かる、が私の見方では話の筋の論理がおかしくなかったし、描かれたことが描かれなかったことより描く優先度が高いというのに納得感があったし、掘り下げると余計に苦しくなりそうな所はあえて浅くサラッと書いてそこまで引っかかるほど苦しくなる前に流すことに成功していたしそうやって作品の評価を下げつつも下げ幅を極力抑える施策を取りながら入れた新要素が、くくるの仕事での悩み、人間関係での悩みを描けたという大きなメリットに繋がっていた。

二クールでの仕事と人間関係は、嫌なものでも真剣に打ち込むこと、より深く知ろうとし続ける、そこでどちらも好きになれるという解決があった。
これとちゃっさしんどくても一生懸命にやっているとそしたらご褒美みたいな時間が訪れる、ごくごくまれーに(うろ覚え) というおじいの一言とが互いに見事表現している。

仕事も人間関係も好きな物でいっぱいで、守りたい拘りたい、その愛おしいことばかり、でも結局お金がないから企画をやるにあたりコスト制限が常について周り、最後も改修費は賄えず、本当に好きな魚のためと諦めをつけて、その場所・がまがまを守れなかった。つまり好きなことはあるがそれを守るためのお金(社会の中でやっていく現実的なバランス感覚)はない、という一クールだった。

二クールは、お金はある生き物もプールや施設も、展示、コスプレ、式場など企画もどんどんできる、けど集客のことばかり言う上司、好きな魚ともっと近くに居たい、お金はあるけど好きなことはないところから、お金の発生する場所に好きなものを見出していく(と端的には対比できるが、そこまで金金と言っていたわけではなくどちらかというとお金というより社会に出たら、社会と関わる、社会の中で)、という二クールだった。

ただしくくるは多分最終的に仕事も人間関係もどちらもかなりの度合いで好きになったという描かれ方だけど、私からしてみると実際くくるにとってはあまり好きになれないか好きでもその度合いがやや落ちる仕事と人間関係とに変化したと思う。それでもやるしかない、関わるしかない、お金もらってるんだし、という社会人のビターさも含めて自分には美味しく感じられた。

サラッと出てくるうちなーぐちやうちなー人は服のまま海に入るなどの風習、沖縄料理、魚の豆知識や水族館豆知識、等々の小道具に非常に面白いものが多くお気に入りで、作品世界を深めていた。

投稿 : 2023/09/02
閲覧 : 122
サンキュー:

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