「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)」

総合得点
74.9
感想・評価
24
棚に入れた
78
ランキング
838
★★★★☆ 4.0 (24)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

311後の憂鬱が下敷きにありそうな?セカイ系?ジュブナイル?後編が楽しみ

ビッグコミックスピリッツのSFジュブナイル?漫画原作で通称「デデデデ」
劇場アニメ前後編で前編は120分。
…原作未読で全然知らないので、5月24日からの後編が楽しみ。

【良い点】
(多分?)311後の漠然とした鬱屈や社会・政府への不信感などを題材に、日常系に見せてかなり挑戦的・挑発的な作風。
新海監督の「天気の子」や「すずめの戸締り」とは全く異なる視点で表現を試みていて面白い。
ファーストコンタクトSFで日常系、過去作だと「学園戦記ムリョウ」とか「絶対少年」も思い出す。
絶対少年後半とか、上空に飛行物体居座る状況での日常系だったし。
「天体のメソッド」みたいに円盤反対もあった。

セカイ系ジュブナイルぽい作風から、表向き平穏で退屈な日常謳歌しつつ水面下での異常事態・違和感を巧みに描いていた。
戦争の影と、日常が続き感覚麻痺している嫌な感じも、近年の情勢踏まえ風刺的。

女子高生たちのキャラや言動が尖っていて、掛け合いに独特な魅力を感じる。
掛け合いだけで飽きさせず、本音で向き合ったり、無遠慮に見えて互いに気にしたりの距離感を繊細に描いていた。
キホとの恋愛絡みの遠慮会釈の無い掛け合いとそれでも本当の友人な感じが大変良かった。
それだけに悲劇もインパクトある。
カドデとオウランの割と危ういユウジョウ関係も、百合好きとしては大変萌えた。

ストーリーや構成も、次第に主要キャラの本性や謎が展開していき目が離せず。
どう落着するか予想が付かないが、学園戦記ムリョウみたいに人類が試されてる?

キャラデザは一般的な萌え美少女絵から外しているが、オウランはかなり好み、かわいい。
声優陣は素人多いがキャラに合っており特有の魅力感じた。
故・TARAKO氏の遺作でもあり。


【悪い点】
反戦的な作風に見えるが、政府の防衛対応や米軍の主権侵害など違和感が多い。
後者は日本の創作あるあるとして、前者はリアリティーに欠ける。(セカイ系でもリアリティー大事)
また、宇宙人?はカドデたちと翻訳機でコンタクト取る手段があるのに、何故地球人首脳部と交渉しないのか疑問。
本作のファーストコンタクトでの悲劇はほぼ宇宙人側に非があるので、迎撃や掃討されて犠牲出ても自業自得。
ただ、そこ含めて本作の世界観の根幹かも知れないので、判断は後編待ち。

【総合評価】後編待ち、今のところはとても良い寄りの「良い」
セカイ系。ジュブナイル・風刺?いずれも挑戦的で面白かった。
違和感覚える要素も多々あるものの、そこも含めての魅力の可能性感じる。
5月下旬が待ち遠しい。

【余談】
まるで作風は違うけれど「BRIGADOON まりんとメラン」も想起した過去作の一つ。
昭和的なキャラデザ(特にいじめ女子筆頭)や、ファーストコンタクトと日常系からの謎多き後半危機展開など…
主人公眼鏡っ娘、いじめ受けていた、宇宙人との交流、危険な力を誤って行使など、思い返すとまりんとめらんと意外に共通する。
70年代舞台のまりんとメランに対し、デデデテは2000年代?な情勢の差異も。
まりんとメランは正直ニガテだけど名作、デデデデも相通じる名作の予感。

投稿 : 2024/03/29
閲覧 : 80
サンキュー:

7

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