たんたんたぬき さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

ボーイミーツガール

私はこの作品世界観が好きだけど、設定とかストーリーにのめりこんで細かい事を２，３週と見て調査したわけじゃない。雰囲気が良かった。私は正直言えばＢＯＮＥＳのこういった読み解く系の作品が苦手。何故この作品だけが楽しんで見れたかガンダムの様に中高生向けぐらいに重要な部分だけ分かりやすく作ってあるから。この点がすごく見やすかった。世界観がゴリゴリと物語と絡んで難解な読解を必要とするような作品にならずに、上手い具合に作品の個性雰囲気作りに役に立つ形で後ろに回った。あくまで主役はキャラ。実に上手く出来てる。この作品とダーカーはＢＯＮＥＳ作品で商業的に成功してるのが納得できる。両方ともキャラを前面に出して魅力的に描き見やすくなっている。しかも物語の中でこの世界に関する話も結構すっきり見れる。細かいところを覚えて無くてもレントンとエウレカを見ていれば最後の方の流れは理解で来てしまう。実に見事なボーイミーツガール物としての仕上がり。

しかもこの作品絵が良かった。特異な世界観を今でも綺麗だと感じるビジュアルイメージで余すところ無く埋め尽くしてる。なおかつ母船ゲッコーステイト、主役機ニルヴァーナのデザインのカッコよさ、キャラデザも魅力的。

ＯＰＥＤに使われた歌の数々も良い。さすがに歌のタイトルを１話１話のタイトルに使ってるだけはある。

年齢的にどうなのか？と言われるとピンと来ない部分もあるけど、子供の頃カッコ良いと憧れた少し上の世代のカッコよさがスタートのホランド達に溢れている。こういう所も多感な時期をターゲットにした作品として刺激的だったと思う。と言うか私も良いなこの雰囲気懐かしくてと。実際自分の子供の頃あんな雰囲気は無かった。でもレントンの憧れからそんな雰囲気が伝わってきた。

ストーリーも良かった。安直にそういったカッコよさについていって、それが表面的なものに過ぎなくて、まだまだ成熟しきれない若さゆえもたらされるそういった感性が溢れたカッコよさの裏にあるホランドの感情をそのままぶつけられてしまう。あまり好まれないかもしれないこういった重くなる部分を隠さずに見るものに不快感を生じさせるほどの二人の諍いをそのまま描いてしまう頑張り。この辺りガンダム世代としてはブライトとアムロの確執をどうしても重ねてしまう。年の差はあってもまだ互いに若いから感情でぶつかり合ってしまう。そんなリアルな人間関係をそのまま持ち込んで描写する。これらを経てやがてレントン、エウレカの物語に入ってゴールを迎える。

途中世界の理の話が流れるのだが、あんまり覚えてない…。でもラストのこの世界の秘密は結構衝撃的だった。やられたと素直に感心しながら作品完結へと閉じていく。１年近くの長さの放送回数がまるで長いと感じない充実した時間。

もっと若い頃見たかったな言うのはちょっと欲張りかな…。