「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)」

総合得点
77.4
感想・評価
1548
棚に入れた
8453
ランキング
613
★★★★☆ 3.9 (1548)
物語
3.6
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

りゃむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

どう評価すべきか・・・

この作品は良くも悪くも迷いどころ・・・
個人的にも意表を突かれてやや困惑気味。

3回見に行きました。

整理もかねて1つずつ

・作画
時間とお金と才能とすべての粋が結集され現代アニメーションの頂点といえるくらい美しい

・音響
エヴァ独特の鷺巣詩郎世界が健在。旧エヴァファンも納得の仕上がり。
主題歌、宇多田ヒカルの桜流しもGOOD

・キャスト陣
名実ともにトップ声優のレギュラー陣。文句のつけようがありません。
そして新キャスト陣も豪華だったw沢城みゆき、大塚明夫、大原さやか、勝杏里、伊瀬茉莉也。

さてここまでは問題なし。
・ストーリーと設定
問題はここです。個人的には結構好きな展開なんですが・・
旧作との比較やその続きであるという旧作ありきの解釈ではなく全く新しいエヴァとしてのレビューをしてきたいと思います。
{netabare}
まず冒頭30分くらい引っ張っての“14年後”設定。
アスカやマリが14歳の姿のままなのは“エヴァの呪い”だそうです。
なんだエヴァの呪いってw説明なしかい!
14年後設定についてはありだと考えます。
ただ14年間で起こったことの説明がやや少ない・・・破のQ予告がその内容になっているようでしたがまだ不足していてややおいてけぼり感が否めません。


続いてカヲル君の立ち位置。“今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ”このセリフが彼の立ち位置のすべてなんでしょう。ただこれについても“また3番目とはね・・・変わらないなぁ君は”などカヲルにとってのシンジとは?というこの点についても謎を残す形に。

そして今作の本筋?と言っていいのかはわかりませんがヴィレとネルフの対立という形で物語が進行します。

ニアサードインパクト→サードインパクトが起こり第三新東京市は壊滅したとの説明がありましたが、その他の一般人もとい人類はどうなったのか?
ここが個人的にはとてもこの作品において重要だと思います。

それによってシンジが目指した“やり直す”の意味合いとヴィレの戦う理由が大きく変わってくる・・・

まずもしもエヴァ関係者すなわち作中に描写されている人間以外の人類がサードインパクトによってほろんだ世界だとした場合
シンジのやり直すは人類を再建するまたは世界を元通りにするといった意味合いになるんじゃないでしょうか。
そしてこの場合ヴィレはこれ以上大きな被害を出さないためにネルフと戦う。という構図ですね・・・
ただの身内争いでしかない。壮大なバトルを繰り広げてる割には規模はちっちゃい気がするw

その反対の場合です。
これだとシンジのしようとしていることにいくらか解釈が可能になります。
しかし根本的なところでは“アヤナミレイではなく綾波のいる世界を取り戻す”が動機でしょうから本筋は変わりません。
ヴィレのほう、こちらは大きく異なります。生き残った人類の存亡をかけての戦いということになるわけですからいわば正義の味方的な立ち位置による大戦争になるのではないでしょうか。
どちらにせよここも説明不足な気がします。

{/netabare}

小さな点ではまだいくつか個人的な疑問符や感想はありますが今作品は、新エヴァのとても大きな分岐点であるというのが個人的な評価です。
旧作とは全く違うものを描こうとするのか、旧作の構想ありきで物語に微調整を加えたものなのか・・・

このQが完結版第四作でどう機能し動いていくのか、どう決着するのかで数年もかけて描かれた新エヴァの評価を大きく変えることは間違いないのではないでしょうか。

投稿 : 2013/02/17
閲覧 : 203
サンキュー:

5

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