「さくら荘のペットな彼女(TVアニメ動画)」

総合得点
88.5
感想・評価
5361
棚に入れた
26069
ランキング
107
★★★★☆ 4.0 (5361)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

sherlock さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あなたは何色になりたい?

このアニメは最終的にはハッピーエンドであるが、
一般的なアニメと違い挫折がしっかりと描かれていた所に綺麗事ばかりでない良さがあると感じた
現実的に空太が自分の無能さに悩むところは非常に共感できるアニメであった

誰しも自分の周りになぜかいつも苦労しないでできている奴がいたのではないか?
勉強や運動を含めた個人的能力の全てに関していつも劣等感を感じていた人がいるのではないだろうか?
そしてこのような場合に、まず自然な流れとして感じるであろう感情は…嫉妬である
自分がどう頑張っても届かない人にはどうしても負の感情が生まれ
相手の悪い部分を無理やりにでも探しだし自分を少しでも優位な位置に置きたいと考えてしまうのではないだろうか?

そして次に生まれる感情は…諦め…そして場合によっては『存在の無視』が起きる
諦めと言うのはこのアニメに関して言えば、空太や七海が審査会やオーディションに落ちている時に
ましろは漫画で表紙を飾ったり、ゲーム会社からましろに画のオファーが来た時に二人が感じたであろう
『私が今まで頑張ってきた日々は全部無駄だったんだ』や『結局凡人はどれだけやってもチャンスなんて来ないんだ…』
といった感情である…
また、存在の無視というのが世間一般的にいじめにつながるのだと僕は思う
才のある者は孤独で周りから受け入れられない…そして時に反発を受ける(ここに関しては後半で体験談を記す)

ここまでは誰しもが感じる一般的な感情である
問題はこの後自分がどうするのかによってその人の真価が問われるのだと僕は思う
私的に良くないと考える行動は、とにかく努力なしに悩み続けることである
どうすればあの人のようになれるのかとただ悩み続け何も進まないまま時だけが経過してしまう
人は絶対に他の人になることはできない
人はそれぞれ『才の差異』があるからこそ個性が生まれ互いに高めあって生きていくことができるのだ
もし皆が同じように完璧にできる世界があるとすればそこはロボットのように皆がそれぞれの仕事を完璧にこなし
何の感情も生まれることなく日常が過ぎていくだろうと僕は思う
そんな日常のどこが楽しいのであろうか
『人を憎めるからこそ人を愛せる』
『人を妬む事ができるからこそその人に勝ちたいという意識が生まれ頑張れる』
人の感情というものは負の感情が存在するからこそ豊かな正の感情が生まれるのだ

では一体どうすればいいのか?
僕なりに考えた答えは…『無解もしくは無限解に行動を起こす』である
誰かに追いつきたいと必死になってその人に少しでも追いつこうとするもよし
その人のある一面だけに着目しそこだけ勝ってやろうと頑張るもよし
とにかく行動を起こさなければ何も始まらないし場合によっては余計劣等感を感じてしまう
(たとえ憎しみであっても)目標なくしては人の更なる成長は望めないと僕は考えている

ただし僕は空太が言う『努力は報われる』というセリフに関してはあまり共感できない
努力というのは自分が目標に向かって頑張った時に結果としてのプロセスが努力と言うのだと僕は考えているから
結果が出ない時のプロセスに対して僕は努力とは言いたくない
つまり、僕の考え方でこの言葉を言いかえるならば
『報われないと努力ではない』のだ!!


僕がこのアニメでもう一つ感じた事は合理的な考えと自分の中の想いは必ずしも一致しないということである
(これに関しては二つの例を挙げる)
仁さんは上井草先輩(本当は後輩ですがww)が本当に好きだからこそ自分の手で汚してしまいたくない…
この気持ちは非常に良くわかる(これは男性にしかわからないかも…)
相手が好意をよせてくれているのがわかっているからこそ自分が素直に好意を示してしまうと
簡単に結ばれてしまい何も考えず付き合ってしまった結果、相手を不幸にしてしまうのではないかとか
傷つけてしまうのではないかと色々考えてしまう
だからこそ一定の距離を置き相手をいつも見守ることできっと相手を幸せにできる人が現れた時に
素直に喜んであげる事ができるのかなって思ってしまう
(ここに関してはわかっていただける人にわかっていただければ幸いです)

もう一つの場合が龍之介である
龍之介は過去のトラウマを境に自分の能力が他の人とは違うのだと壁を感じてしまい
感情をいつも抑えてしまうようになってしまった
これは最初に述べた場合とは逆の立場からの『諦め』である

-ここからは自分の体験談が含まれるので見なくて大丈夫です-
僕はどちらかというと龍之介タイプで孤独な方が皆と上手くいくと考えている
(ただし自分に才能があるとは一切思ってないので悪しからず)
実際に小学校の時は皆と同じように全力を尽くすと調子に乗ってると言われいじめにもあった…
だから中学校からは自分の能力を隠して生活してきた
ただしこれには非常に危ない面があり、もし隠しているのがバレてしまうと相手に手を抜いてると思われ
余計相手の反感をかってしまうため絶対にバレてはいけないというリスクが付きまとう
このようにして生活してきた僕だがやはり高校に入ってからは自分よりも優れている人がたくさんいて
本当に嬉しかったし、やはり世界は広いなと実感した
そして僕はその人たちに少しでも近づけるように頑張っているつもりである
(結果が実らないと僕は頑張っているとは言わないためこういう表現になっている)

このように人はいつも周りと比べ劣等感や優越感を感じながら生きている…
それは良い面もあれば悪い面もあるため一概に駄目だとは否定できない
ただし、一番忘れてはならないのは…昔の自分との対比である
自分と言うのは絶対的存在で一番よくわかっているはずだ
つまり、昔の自分からどれだけ成長しているのか感じるだけでも十分優越感を感じる事ができるだろう
また逆にどれだけ劣ってしまったのか比べることで劣等感を感じより頑張るべきだと思うだろう

え~っ、今回のレビューは非常に長くなってしまいましたがとにかくこのアニメは
ギャグが面白く、画が綺麗で、日常の中の幸せの大きさに気づかされる内容なので興味がある方はぜひ見てみてください!!(^o^)/
僕的にはましろよりも七海の心情の変化の方に惹き込まれました!!(^_-)

投稿 : 2013/03/26
閲覧 : 327
サンキュー:

20

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