るぅるぅ さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

あなたの目、視聴者の目、冷たい目

あらすじは、「あにこれ」の内容を読む程度が最適です。

全12話
【ジャンル】ホラーサスペンス

【テーマ】目に見える世界と目に見えない世界（現実と妄想）を感じるアニメ。

視聴する上で、シュタインズゲートやロボティクスノーツと比較されがちですが、本作は制作時期も異なり「妄想」がキーワードであり切り離して観て頂けると幸いです。

主人公は、３次元の女の子より２次元大好きなネット依存・いくじなしで弱い男子高校生。
彼の思考そして行動は呆れる所が多いが、数々の事件と同時に集う謎の女の子達・渋谷の狂気に引き込まれる展開はゾクゾクし見入ってしまった。

終始この現実と妄想を織り交ぜた世界は、どこが現実で妄想なのか犯人の目的がわかると、紐解かれる快感が気持ち良く納得させる力があります。
ただ、この答えの理由が説明不足で残念です。
ネタバレに感想を綴ります。
{netabare}作品中で目が見えない人にモノを見せる視覚技術の逆として、「人間は電気仕掛けであり、神経パルスで世界を認識しているが、電気信号を神経パルスにコンバートする技術があれば、人の五感全て、さらには意志そのものも支配できるようになる。」という理論を可能とするギガロマニアックス。そして将軍のノアⅡ破壊目的による拓巳の覚醒・梨深による覚醒阻止を考えると、あれも伏線だったのかと色々と見えてくる楽しみがあった。
その辺りを駆け足ではなく、将軍・梨深の心理描写を掘り下げれば、もっと皆の評価も変わったのではないかな。

リアルブートによって現実に存在できる拓巳もこの世界では妄想を現実にできるギガロマニアックスの説明でわかり、妄想に始まり終わり全て妄想で片付けるなよ！　と白けてしまう部分もあるが、超展開と思わせない一貫した構成が良かったです。バトルは、拓巳の個としての存在意義の確立であって付け足しが強いですね。
それよりも個々のエピソードを掘り下げないとギガロマニアックスの発現要因が物足りないです・・・本当に惜しい部分ですね；
ただ、将軍が梨深の心象世界へ介入できる時点で、なんでも有だな　と感じましたが、もしかしたらこの世界自体が全て妄想の産物ではないか？　とブラックユーモアが感じられ良い余韻でした。{/netabare}

考察する楽しみがあって私は好きなアニメです。
深く期待せず暖かい目で観て下さいｗ