「惡の華(TVアニメ動画)」

総合得点
64.9
感想・評価
1142
棚に入れた
4501
ランキング
3507
★★★★☆ 3.2 (1142)
物語
3.4
作画
3.0
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

こたろう さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8
物語 : 3.0 作画 : 1.0 声優 : 3.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

で、本質って結局なんなの?(超酷評)

漫画原作。
やり場のない憤りや性への興味など、思春期特有のモヤモヤを描いた青春物語。
爽やかからは程遠く、淫靡で自分では触れたくないし認めたくもないけど、確かに存在しているのを知覚して否定もできない”性質”に鋭く切り込んだ作品。
とにかく、色々と他とは一線を画している話題作です。

wikipediaから引用すると・・・
------
そのままのアニメ化では原作の本質と違うと思った監督の発想で、日本のテレビアニメでは史上初の全編ロトスコープを用いた作品となっており~ (以下略)
------
そのままではアニメにできない、御大層な本質が潜在してるらしいです^^


さて、特徴は何といってもロストスコープ。
このアニメを語るうえで、避けては通れない、全編ロストスコープという実験的な製作方法については賛否両論あるようで。
役者に実演させた映像をトレースして、アニメ映像を作るというこの手法を採用した意味を無視しては、レビューもへったくれもありません。

で、私自身の考えとしては・・・
正直これは、技術と手間の無駄遣い。

挑戦的な事を否定する気はないし、本作の隠遁とした雰囲気を醸すために、現実的な動きを採用した映像、そしてナマ録りした音声でやりたい意図は理解できます。
実際、背景がリアルで写実的な味があったし、モブキャラの動きなども自然な感じが斬新で、良く出来ていたと思えるところも無くはないです。
が、しかし、デメリットが大きすぎ。
個人的には、もう第一話で取り返しのつかない失敗を露呈していたと思っています。

{netabare}
キャラの掴みで最も大切なシーン。中村の
「クソムシが」
このセリフを言ったときの映像を見たときに愕然としました。
何?この無表情は?
私は原作を読んでいないので明らかに違和感を感じました。
(あとで原作の同シーンをみて、原作も無表情に言い放っていたというのは理解しましたが)
これが問題。
このポスターカラーをぶちまけたような単色の絵柄のせいでそう見えるのか、それとも演出でそうしてるのかが識別できません。
ロストスコープの元映像を撮った役者に表現力が不足しているのか、デフォルメを入れないロストスコープ技術の弱点なのかは存じませんが、こんな重要シーンで視聴者に迷いを与えるような映像の価値って一体なんなのでしょう。
作り方が特殊なだけに、リテイクも出せないでしょ?
それともアレこそが求めていたものだったのでしょうか?
役者がやってる人間の表情そのものなんだから、これがリアリティだ!とでも?

じゃあ、アニメじゃなくってドラマでやんなよ。

{/netabare}
ノタノタと動くテンポの悪さ、
歯ばっかり目立つ気色悪いキャラ絵、
それを我慢してまで採用したかったこの製作方法の利点がまったく見えてこない。
原作の本質とやらは、果たしてこの映像で表現できてるのでしょうか?

二次元だからこそできる表現、実写では映像化が難しい表現、それをやるからこそ「アニメ」ってメディアの意義があると思うのですが。
別にファンタジーやSFじゃない普通の学園ものであっても、現実にはないオーバーリアクションやカメラワーク、カット割の組み合わせを駆使できるのがアニメの演出上の最大の利点。
この作品の本質を表現するには、そうじゃないやり方が必要なんだ!
と、主張するなら、内容で圧倒して旧態依然とした保守的な意見をねじ伏せてもらいたいものです。
ただ、本作の評価は一般的にはかなり微妙。
全編にわたり2流のインディーズビデオのような演出に加えて、相当無理をして作ってあるのが素人でもわかる未完成な人物と動画。
従来のアニメ制作の手法では到達できない境地とは何なのか、残念ながら多くの方にはわかってもらえなかったようです。
もちろん、私にもわかりません。

なんだか上手くいかなかったけど、いろいろ新しい試みだから大目にみてね。
なんてのは、学生の自主制作映画の理論です。


或いは、見る人がみれば~・・・ってヤツなのかもしれません。
凡人には考えも及ばない芸術的な意味が隠されているのかもしれませんが、わざわざ手間暇をかけて実写撮影と同じ制約をうけてまで「アニメ」というカテゴリーにねじ込んだ優位性を誰か説明して貰えないもんでしょうかね。
「変わった事をやって、話題を呼びたかった」
という下衆な勘ぐりしか、俗物の私には思いつきません。

主人公の春日君のように他のミーハーな連中を見下しては、芸術性や文学の機微がわかんないヤツはみなくていいよ。とでも製作者は思っているのでしょうか。
やっぱり学生の自主制作映画の理論ですね^^

まーとにかく、私ごときが視聴するべきではない作品だというのはよくわかりました。
今度からはTVアニメという、我々低俗なクソムシどもが利用している公共の電波にのせないで、監督の仰る”原作の本質”とかいう崇高な芸術性を理解できる高邁なる人達だけで自慰的に楽しめる形態、OVAか何かでやってくれる事を希望します。
マスタベーションって、公なところでやるもんじゃないですよ?
変態の春日くんや中村さんでも公共の場ではやらないと思いますぞ?w


【↓本音です。猛毒注意】
{netabare}
普通にアニメ化しても、一般受けは絶対しないのが目に見えていたので、イチかバチかでやってしまいました。
って、正直に白状しちゃいなよ。 ヽ(゚Д゚)ノ
本質がどーのこーのと屁理屈こねてないでさぁ (`∀´)
{/netabare}

投稿 : 2013/08/08
閲覧 : 429
サンキュー:

33

惡の華のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
惡の華のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

こたろうが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ