にゃっき♪ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
I wanna be free
水泳を扱った夏らしい作品ですが、女性の水着姿などのサービスシーンに期待した私が浅はかでした。
小学生のときに遙、渚、真琴、凜の四人(名前は女性っぽいけれどみんな男)は競泳のメドレーリレーで優勝したのですが、ひとり外国に水泳留学した凛は、中学時代の帰省中に遙との勝負に負けたことで、遙に勝てなければ前に進めない、自由にはなれないと思いこむようになり、タイムや勝負には興味のない遙も、凜を傷つけてしまった事から、泳ぎたい気持ちを持ちながらも競泳から離れてしまいます。高校生になり、学年がひとつ下の渚が遙や真琴と同じ岩鳶高校に入学して、凜も日本に戻って水泳の強豪である鮫柄学園に在籍しているのを知った遙、渚、真琴の三人は、廃止になっていた水泳部を再開し、新メンバーの怜も加えて競泳大会に臨みますが、失った絆を取り戻し、呪縛から解放され、自由を感じられる時は訪れるのでしょうか。
作画や演出はハイレベルで、特にプールや海などの水や光の描写は素晴らしかったですし、ストーリーも1クールでは綺麗にまとまっていたと思います。
しかし、地方大会でちょっと成績が良かっただけの父親のいない小学生が、わざわざ水泳留学するなど無理のある設定もありますし、けいおんのキャラを男性にしたような、電車で寄りかかって眠ったりする男性同士の絡みは、同性愛っぽく見えてしまい、不自然で気持ち悪く感じました。女性をターゲットにしているためか、男性陣はイケメン揃いで、女性に対する恋愛要素も排除された作られたキャラにしか思えず、上腕三頭筋を眺めて萌えられる方にしかお薦めできません。
女性キャラなしには男性視聴者が視聴を続けられるとは思えませんので、水泳部に協力する兄思いな凜の妹のマネージャーや顧問の女性キャラが用意されていますが、どの男性キャラを気に入った方でも感情移入しやすいようにするためか、こちらも特定の男性キャラに対する恋愛っぽい感情は意識的に排除されていたようです。けいおんで確立されたと思われるキャラのカタログ商法を、ファミリー向けや女性向けに展開しているような最近の京アニのやり方は、作品そのものの内容よりグッズや関連商品の収入を先行しているようで、個人的にはあまり好きにはなれません。