「ちはやふる2(TVアニメ動画)」

総合得点
89.6
感想・評価
2230
棚に入れた
11586
ランキング
74
★★★★★ 4.2 (2230)
物語
4.4
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.3

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

試合の緊張感がたまらない

 原作は未読。
 今回は序盤に新人部員を巡る展開があり、以降は高校選手権(予選を含む)に多くを割いた
ため、1期より試合メインという印象が強い。
 ドラマとしては1期より単調になった感がなくはないがその分、試合の醍醐味を堪能できる。
 とにかく試合の緊張感が半端なく、視聴時も気が付いたら終わっていたという、時間が
経つのを忘れてしまう回がとにかく多かった。
 他のスポーツものの試合シーンでもこういった感覚はあるが、競技かるたの場合は静寂の中で
試合が行われるせいか、より息が詰まるような感じが強かった。

 高校選手権の流れとしては、瑞沢高校の団体優勝という、カタルシスを得られるような展開で
ありつつも、随所随所で綾瀬 千早の負けを描くことにより、千早にまだ至らない点がある
ことをうまいこと見せている。
 1期においては感じの良さとスピードを武器にしていた千早が、一度それを封印することで
ていねいなかるた取りを心がけるようになり、更なる武器を得た千早の本作における試合
スタイルは一皮剝けた印象。
 今後の課題としては試合における気持ちの問題が大きそう。千早に限らず競技者の気持ちが
試合の流れを大きく作用するシーンが多く描かれていたが、綿谷 新の試合でのリラックス状態
などは、どうしても気が張ってしまう千早の目指すべき方向なのだろうか。
 伏線なのかどうかは判らないが、授業中の一シーンで古典教師の深作 時次が夏目 漱石の
言葉を引用して、「愛嬌というのは、自分よりも強い者を倒す・・・」と言うくだりがあるが、
この言葉は今後の千早にとって、意外と重要なのかも。

 序盤の新人部員に関して、新人の扱いを巡って既存部員の温度差を描くことで、不安感を煽り
つつも千早の願望?を語らせることで見事に解決。単に解決するだけでなく、千早のかるたに
対する思いも見事に描き、加えて笑いもちゃんと取ると。こういうところは上手いな。
 この新人である花野 菫、筑波 秋博は初々しさを感じさせるもので、特にかるたに興味が
なかった菫がかるたにはまっていく様は面白い。
 更に新人の初々しさを描くことで1期では同じような立場であった大江 奏、机くんこと駒野
勉が随分と頼もしさを増したことも感じさせる。高校選手権でもこの二人の頼もしさは続き、机
くんのデータ収集能力とその活用方法、奏の精神的サポートはもはや部になくてはならない
もの、といった印象。

 高校選手権では逢坂 恵夢、山城 理音といった千早の新たなライバル達が登場するが、
いずれも千早との試合を通して、千早の情熱が感染していくかのよう。今後はクイーンを
目指して切磋琢磨していくことになるのだろうか。
 この千早の情熱は孤高の実力者であったクイーンの若宮 詩暢の感情をも変えていく。詩暢に
関しては、1期において試合での怪物的強さこそ描かれていたが、その精神的背景が今一つ
不明瞭だったゆえに、本作での詩暢の心情描写が印象的でした。

 千早、真島 太一、新の恋愛ドラマとしての側面は、立ち位置こそ変わっていないが、千早が
より新に惹かれているよう。ただ、これがかるた競技者としての憧憬なのか、恋愛感情なのかは
判りかねるが。そして、それを敏感に感じ取る太一は、より新を恋敵として見ているみたい。

 高校選手権がメインということもあって、主要キャラのほとんどが高校生だったが、それを
見守る大人達もちゃんと描けているのも好ポイント。

投稿 : 2014/02/23
閲覧 : 207
サンキュー:

16

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