「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)」

総合得点
89.1
感想・評価
2598
棚に入れた
13581
ランキング
90
★★★★★ 4.1 (2598)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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みかんとラッパ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

粋紳士風(プレッシュウ)、鬼面毒笑風(ピュルレスク)に見る厨二病の原点

ストーリーに関しては言うまでもなく・・・
しかしどうして
TVアニメ版も同様、厨二病が格好良く見えてしまうのか??
(*゚▽゚*)

「オカリン」こと主人公の岡部倫太郎

その原点とも言える人物像が
太宰治の小説にあるのをご存知だろうか…?

太宰の小説「兄たち」に登場する
三男である。

神秘捏造(ミステフィカシオン)の悪癖あるこの三男

美大を出たものの
特に美術活動をすることはなく

川端康成の小説に自分で川端のサインを似せて書いたり
坊主の格好をして孤高を装っていたりと

今で言うところの
まさしく「中二病全開」なのだが

この三男、
病気になって死を覚悟し
最後に真剣な目をして作品に向き合うのだが

死ぬ間際
『兄は、はっきりした言葉で、
 ダイヤのネクタイピンとプラチナの鎖があるから、
 おまえにあげるよ、と言いました。』

『それは嘘なのです。
 兄は、きっと死ぬる際まで、粋紳士風の趣味を捨てず、
 そんなはいからのこと言って、私をかつごうと
 していたのでしょう。

 無意識に、お得意の神秘捏造を
 やっていたのでありましょう。
 
 ダイヤのネクタイピンなど、
 無いのを私は知って居りますので、
 なおのこと、兄の伊達だての気持ちが悲しく、
 わあわあ泣いてしまいました。』

最後まで厨二病を貫く

そこに見える「紳士的態度」

『なんにも作品残さなかったけれど、それでも水際立って
 一流の芸術家だったお兄さん。』

太宰の作品にはこうある。

岡部は
タイムマシンを偶然にも作ってしまったが

結果的に収束した世界線では
ただの厨二病男であった

が、客観的視点から物語を総じて見た私たちからすると
岡部は
この三男の兄が『一流の芸術家だった』ように
『一流の科学者だった』と言えるのではないだろうか??

深く突き詰めると
岡部のカッコ良さの理由が

なんとなく見えてくるような気がします(´・ω・`)

太宰の作品と合わせてオススメしたいと思います

投稿 : 2014/02/28
閲覧 : 610
サンキュー:

4

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