「ヒカルの碁(TVアニメ動画)」

総合得点
88.3
感想・評価
1658
棚に入れた
8951
ランキング
117
★★★★☆ 4.0 (1658)
物語
4.3
作画
3.8
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

れのん。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ヒカルと佐為の出会いとわかれ ・文句なしにおもしろい名作(加筆)

 原作既読。

 2001年10月~ 2003年3月放送。 本編75話。

 文句なしの名作アニメ。

 本作は、碁をテーマにしたスポ根風アニメで、主人公の少年ヒカルの成長の物語でもある。女子キャラもいるが、恋愛要素はかすかにあるだけ。長いアニメなので登場人物は多いが、それぞれのキャラ設定がすばらしい。ストーリーも大変おもしろく、テンポがいい。1話見だしたらとまらない。

 原作は、ほったゆみさん原作の「週刊少年ジャンプ」連載の漫画(完全版で全20巻、累計発行部数は2500万部)。

 このアニメは、本来なら漫画やアニメにしにくいはずの碁の世界を、碁を打つ人にも打たない人にも楽しめるように、みごとに描いている。

 もちろん、おもに碁をまったく知らない視聴者を予想して制作されており、碁を知らなくても、おもいきり楽しめ、たいへんおもしろいはず。

 この作品は、プロ・アマを問わず、碁を打つ人の間でも評価が高い。

 アニメや原作漫画に描かれている碁盤上の黒白の碁石の状況は、実際のプロ棋士の棋譜などから描かれており、プロ棋士がアニメや漫画のどのシーンを見たとしても、碁石の配置におかしな点がなく、手抜きはない。碁をかなり打っている人が、アニメ中の碁盤の状況を見て楽しむこともできる、クオリティの高さである。

 よく、アニメでは、バンドのアニメならバンド経験者、水泳のアニメなら水泳部経験者、書道のアニメなら書道の高段者、などなど、かなり真剣にその分野にかかわった経験者には、つっこみどころがいろいろ目立ちすぎて、視聴が楽しみにくくなることがあるような気がする。しかし、そうでないアニメもあるわけで、「ヒカルの碁」は、その典型例だ。アニメ化にあたって、日本棋院が制作協力し、囲碁普及の神様みたいな梅沢由香里さんが囲碁アドバイザーをされているのがその理由だと思われる。

 佐為という碁の天才の幽霊が、碁をまったく知らない元気な少年ヒカルに取り憑く。この設定が、本作を大成功させた、決定的アイディアである。
 このアイディアを思いついたきっかけについて、原作者のほったゆみさんは、「私もあまりうまくはないけど、趣味で碁を楽しんでいます。で、碁を打っていると、よく、次の一手に困って、だれか碁の天才が耳元ですばらしい手をささやいてくれたら、どんなにいいだろうとか、思っていました」というようなことを、インタビューで話しておられた。自分も下手だけど碁を打つので、この気持ちは、とってもよくわかる。

 佐為の幽霊は、ぜんぜんこわくなくて、なかなかかわいげがあり、いいキャラだ。主人公のヒカルにしか、佐為の声は聞こえない。ヒカルと佐為は、いわば仲良しでもあり、師弟関係でもある。この二人のやりとりが、じつにいい。

 圧巻は60話。
 それまで、いわば二人で一つだった佐為とヒカルに別れるときが来る。成仏するべきときが来たことを悟った佐為は、春の陽光の中、ヒカルと最期の対局をし、静かに成仏してヒカルと別れる。佐為は、佐為なりにヒカルに別れを告げるのだが、ヒカルにはそれが聞こえていない。ヒカルの立場では、気がついてみたら、佐為がいなくなってしまったわけだ。このときのヒカルのあわてぶり、必死に佐為を探そうとする気持ち、寂しさ、絶望感・・・、こういう気持ちに視聴者は深く感情移入するので、ここから70話にかけて、ストーリー展開の山場である。

 そして、70話。
 ヒカルは、大好きな佐為にはもう会えないのだけど、自分の打つ一手一手のなかに佐為がいることを発見し、佐為と再会する。ヒカルは棋士として立ち直る。このあたり、大きな感動がある。 

 自分は、碁が趣味の一つで、日頃、碁を打っているので、とりわけこのアニメには思い入れが大きい。自分の場合は、ネット碁が中心だが、オフ会にもときどき行くし、大会にも出る。才能ない上、あまり詰め碁&手筋などの努力もしないので、まだ5~6級。 いまは、ネットのせいか、若い世代&女性で碁を楽しんでる人もけっこういる(オフ会参加者も男女半々くらいで、平均年齢もかなり若い。碁会所とかなら、そうでないだろうけど)。

 
 アニメで、アニメ以外の趣味が増えたり、人との出会いのきっかけが増えたりすることもある。
 

投稿 : 2014/10/15
閲覧 : 350
サンキュー:

29

ヒカルの碁のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ヒカルの碁のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

れのん。が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ