minisaku さんの感想・評価

3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

良くも悪くも作画が重要。

太陽系を謎の異生物・奇居子（ガウナ）によって破壊された遠未来を舞台に、主人公・長道や
仲間たちによるガウナとの戦いの日々を描いたSFロボットアニメ。全12話。

本作の大きな特徴としては、ロボットや宇宙船といった機械系、それに加えて登場人物
までもが、3DCGを多様して描かれているというトコですね。
正直、CGってあまり好きじゃないけど、流石にSFとの相性は抜群で、戦闘シーンや
宇宙の背景の映像は綺麗で迫力がありました!!

ですが、やっぱり人物までCGというのはちょっと違和感を感じますね。実際最初の数話では、
キャラの区別がつきにくかったりでしたし...いや、CG以前にキャラの書き分けが悪いのか...!?

個人的には、やっぱり人間には3DCGはできるなら使って欲しくないな。

内容とては、世界観や設定の説明がほとんど無いまま話が進んでいくので、初めは世界観に
入り込みにくいかもしれませんが、理解しないと物語りに付いていけないって事はないし、
ストーリー自体は分かりやすいＳＦなので見やすいと思います。

それから、そのSF要素を活かした設定というのは、なかなか面白かったですね。
{netabare}
クローン人間を初め、シドニアに住む住民は光合成が可能な身体を持っていたり、何百年も
生きてる不死の人間がいたり、相手によって体が変化する男女どちらでもない性の人間が
いたりと、SF要素満載で面白いです。　あと、ＳＦは関係ないけど熊はなんなんだろうねｗ
{/netabare}
ただ、人が死に過ぎたり疑問に感じる部分が結構あったりしたのは少し残念だったかな。
{netabare}
気になったのは、『斜め加速の悲劇』。あれって他のアニメでは描かれていないけど、
実際そうなるとそれなりの被害は出るもんで、「ある意味リアル」って思っちゃいました。
でも、それと同じくして、「安全帯」だけを対策にしてるあたりがなんかな～って...
もうちょっと死なない方法とかあるんじゃないのかな？って疑問に思ったりも。
{/netabare}
それに、主人公の人物設定や人間ドラマという点なども、疑問が多いし薄っぺらくて
面白味をあまり感じなかったな...
{netabare}
物心ついた頃から祖父と二人暮らしで、生まれてこのかた祖父以外の人間を見たこと無かった
長道が、初めて他の人間に出会っても結構普通のリアクションだったり、割と簡単に
集団行動に溶け込んだり、異性を意識するってのもおかしくない...?

それに、終盤、主人公がシドニアで暮らしている人たち全部が大好きと言っていましたが、
ガウナを倒した英雄から、手のひらを返したようなひどい仕打ちを受けたのに、
何故そうなるの？って理解できない。

序盤で主人公が罠に嵌められた時も、大事な人が死んだのに反論もしないで言われたい放題。
全く共感できません。
実際、戦闘の記録画像まで残っているなら、爆破タイミングを味方に騙されたって会話も
記録が残ってるだろうし、自分の無実と白髪を断罪する事も出来ただろうに。
{/netabare}
まぁ全体的に面白い作品だし続編期待だけど、もう少しキャラクターの心情などを、しっかりと
描いて欲しかったなってのが正直なトコな作品でした。