Baal さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

合唱時々バドミントン部

P.A.WORKSによるオリジナルアニメで「true tears」、

「花咲くいろは」に続く青春物の3作目とされている。

全１３話


声楽部に所属する宮本来夏はピアノ担当の上野みどりの譜面捲り

を担当していた。前々から歌が歌いたいと思っていた来夏は顧問

の教頭先生に話に行ったが歌の才能がないから諦めなさいと断ら

れた事をきっかけに声楽部をやめる。そして新たに合唱部を作る

事を決めるのだった・・・


合唱部の正式部員として集まった５人を中心に展開される青春ス

トーリーでしたがなかなか良かったです。顧問と意見が合わず声

楽部をやめてから友人をかき集めた合唱時々バドミントン部でそ

の部を作るきっかけになった来夏だけでなく集まったメンバーの

和奏、紗羽、大智、ウィーンのそれぞれの夢と現実それから想い

が丁寧に描かれていたと思います。

そういった複雑なでもありふれた事情の中に高校生としての過ご

していく瞬間が彼ら彼女らの空間とは別の空間から見える止まる

ことの出来ない１ページとなり、内面でしか存在し得ない彼ら彼

女らの想いそのものとカードの裏表で有り続けている。でも時と

して別の空間からのアプローチがその二つの空間を繋げ新たな道

を作り出し、彼ら彼女らをその先に導いているように感じます。


その二つの空間が交差していく先にはこの時しかないかけがえの

ない瞬間が存在していて彼ら彼女らの外側の空間から見えるだけ

の他愛のない時かもしれないけれどやっぱりその瞬間を精一杯出

来る限りの事をやりたいと思う過ぎ去っては二度とは戻って来な

いこの時を掴み取りたいと彼ら彼女らは無意識に感じ取っている

のだろうと思います。


キャラは紗羽が可愛かったです。はやみんボイスも良かったです

し。あとはウィーンがどことなくズレているようなズレていない

ような雰囲気がアクセント代わりに程よい刺激を持っていたよう

に思いました。

曲はOPEDそれから挿入歌と色々とありましたが私はやっぱりOP

が良かったです。サビの「無限の夢抱きしめ進む～」の所が未来

の進む先が無限にあるこの一瞬にすごく響いてくる感じがしました。


全体として“その瞬間”に力を込めたように感じました。それがそ

の時を通過する者にとって先に行く力を与え続ける連続した時間

に変わっていくけれどやっぱりその瞬間しかないんだと思える様

にそれが組みあがって構築されあるがままの流れである様に思い

ました。

濃密でそれでいて希薄なままの何もないでもびっしりと詰まって

いる瞬間を感じれる作品でした。

◆個人的点数評価　80.844点