「天体のメソッド(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
963
棚に入れた
4734
ランキング
1721
★★★★☆ 3.6 (963)
物語
3.3
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.6

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ノエルは良かったけど。。。

 とりあえずノエルが可愛いなと。
 のっけから投げやりな書き出しになってしまったが、個人的にはその辺ぐらいしか魅力を
見出せなかったもので。

 話自体は不思議系いい話といったところで、こういったファンタジー、SF要素を絡めた
ヒューマンドラマはもう王道の一つと言ってもいいような路線。それこそ本作の脚本を手掛けた
久弥 直樹氏の古巣であるKeyのゲームが原作の作品はそんなのばかりだし。
 この手の作品の多くはなんらかの障害を乗り越えることで、登場キャラの関係性がより強固に
なったり、壊れかけていた関係性が修復されたりするパターンが多く、視聴者としては登場
キャラに感情移入して、応援するような気持ちで観るのが割と正統的な見方だと思うのだが、
本作に関してはどうも登場キャラ自体にあまり魅力を見出せず、そういった気分に
なれなかった。
 本作の障害要因は主人公である古宮 乃々香の母の病気と、それに伴う死などの外的要素も
多少はあったが、大半がすれ違い、伝達不足、誤解、思い込みなどの登場キャラ自身の行動が
要因になっており、そういった部分の描写に多くの尺を割いたため、逆にキャラを魅力的に描く
部分があまり無かったのが大きかったのかな、という気がする。
 作中のイベントとして障害が必要であるため、キャラが問題行動を起こすこと自体は
いいのだが、前述の魅力を見出せるような部分、例えば楽しげな日常シーンなどがあまりない
ものだから、結果としてキャラに関してマイナスイメージばかり強くなってしまったみたい。
 温泉に行く話や、学園祭でプラネタリウムを作る話などはやりようによっては楽しい日常描写
などができそうなのだが、こういったところもストーリーを追うのに手一杯といった感じで、
作品全体に明るさがない印象が強い。
 端的に言うと尺に対して、障害要素が多すぎたのかなと思う。

 主要キャラである5人の少年少女に関しての全体的印象は言葉足らずといった感じ。
 母に関する悲しみを忘れるために昔のことを忘れていた乃々香はしょうがないにしても、
椎原 こはるは引っ込み思案、水坂 湊太は口数が少なく、水坂 柚季と戸川 汐音は聞く耳を
持たないといった印象で、先に書いたように本作における障害は彼ら自身が生んだ要因が
多いため、ちゃんと話し合えば、もっと楽に解決した問題が多そうに思えた。
 特に柚季と汐音は色々とやらかしてくれたが、本当は自身に問題があることに気付いて
いながら、それを他に転嫁することで日々を凌いでいるようで、ある種の人間の弱さみたいな
ものはよく描かれていたように思える。もっともストーリーを追っている分にはかなりイライラ
させてくれる二人でしたが。
 そんな感じで、この5人が終始鬱々としていた印象があったためか、逆にノエルの明るさ、
無邪気さがまあ映える映える。

 最後は一度消えたノエルがまたやってきたということで、ハッピーエンドなのかな。
 ただ個人的にはこういった不思議要素は少年少女らしさのメタファーとして捉えることが
多いので、それに訣別することで成長していくようなビターエンドの方が好みですが。
 あえて野暮な言い方をすると「自分達は大人になって、それぞれの道を歩んでいくのに、年を
取らない幼女を呼び戻してどうすんの?」みたいな。

投稿 : 2015/11/14
閲覧 : 223
サンキュー:

8

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