maruo さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪い言い方をすれば予定調和ですが、娯楽作品なのだからそれで良いじゃないか!
東京出張のついでに視聴してきました。
メインキャラからして男性客が多いかなと思ったら、女性(1人で来てた人もちらほら!)の来館者も思いのほか多かったですね。
けみかけさんが言及していますが、この作品はクラウドファンディング(ウェブで制作資金を募ること)を利用した(おそらく日本初の)作品です。
スカパーのアニマックスで特番を放送してましたが、多くが海外からの募金で、目標額を遥に上回る金額を集まったとか。
日本人は水と安全はタダと思っている、とか言われて来ましたが、従来の「アニメ(やテレビ番組)」もそれに近かったように思います。
面白いコンテンツには惜しみなくお金を払うし、今後に期待するのであれば投資もする。
こうしたスタイルが、今後、日本でも根付いていくきっかけとなる作品かもしれません。
何か、前置きばかり長くなってすみません。
作品のストーリーとしては、難しいことは一切無い娯楽に徹した作品、という印象を受けました。
このため、複雑なストーリーや考えさせられる内容を求める人には、物足りないかもしれません。
難しい話は抜きにして、とにかく楽しみたいというスタンスで臨む人であれば、大人でも子供でも十分に楽しめる内容だと思います。(さすがに、子連れの客は見ませんでしたが)
私は、作画に関しては詳しくないので細かく述べません(述べられない、が正解?)が、先に挙げた特番の中で、手書きにもかなりのこだわりをもって制作されたことが紹介されていました。このあたりのことは、他のレビュアーさんを参照下さい。
特筆したいのは音楽!
公式ページのスタッフ&キャスト紹介やウィキでも端折(はしょ)られていますが、BGM演奏はロシアの管弦楽団(正式名称は忘れてしまいました…)が担当しています。フルオーケストラです。
作曲は、数々のテレビ番組(アニメも含む)や映画の音楽を担当し、日本アカデミー賞最優秀音楽賞も受賞した、大島ミチルさん。交響曲や弦楽四重奏曲(クラシック)も作曲している方です。
この作品の主な舞台が中世の雰囲気を持つ魔法学校なので、フルオーケストラの重厚な演奏とは非常に親和性が高いです。
かと思えば、滑稽な場面ではコミカルに、哀しい場面では物寂しく、場面に応じて変幻自在に表現しており、音楽って感情表現もできるんだな-と改めて思わせてくれます。
なので、この映画は、音響効果にすぐれた劇場で見ることをオススメします!
(「終わってから言うなよ!」という突っ込みがあちらこちらから…)