「SHIROBAKO(TVアニメ動画)」

総合得点
91.4
感想・評価
3718
棚に入れた
15368
ランキング
32
★★★★★ 4.2 (3718)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメの見方が変わる作品

 友人に勧められて視聴しました。

【作品概略】

 業界裏側アニメですね。
 アニメのつくり手を描いた作品です。
 高校のアニメーション同好会だった5人が
 業界に入って四苦八苦しながら成長してく作品です。
 
 
【作品に対する感想】
 アニメの見方が変わる作品ですね。
 漫然と見ていたアニメも、こういう切り口を持つと
 もっと楽しめると思います。
 一気見してしまうほど、のめりこめた作品です。
 すごく前向きになれます。

 アニコレに在籍する方になら、間違いなくお勧めです。

1)物語
 挫折と苦悩と達成感を味わいながら
 ほんの少しずつ前に進んでいきます。
 定番ながら、リアル(と思う)な描写に
 とても魅力を感じました。
 2クールを前半・後半に分けて、2作品を
 世に送り出していくストーリーとなっています。
 良くも悪くも人との出会いで変わっていくさまが
 描かれています。良い出会いは+に、悪い出会いを
 悪いまま受け入れた人はマイナスに。


2)声優
 ほとんど知らない人ばかりで世代交代が進んで
 いるのだなと感じます。ただ、演技自体は安心して
 聞いていられたと思います。
 子安さんは相変わらず変な人を演じても凄いですね。

3)キャラ
 魅力的な人が多いんですが、
 主人公宮森あおいがぶっちぎりで好きでした。
{netabare}
 とあるの御坂美琴にちょっと似ているから
 かもしれません。二十歳頃の美琴もこんな感じに
 なってくれたらいいなあ(妄想)。
 みんなそうなんですが、この娘むちゃくちゃ
 ガンバリ屋です。自分では「何もない」と自分の在り方を
 迷っているようですが、明るく、人を引き付けて味方にする
 彼女の魅力は他の誰もが持っていないものと思います。
 そして異なる立場同士で衝突した時の
 妥協点を見つけるのも上手いです。
 さらにスケジュール管理能力はホントに1作目ですか?
 というぐらい凄い。
 とどめに人間出来てます。
 私ならタローは3話で墓の下です(笑
 だからこそ中盤から「屋台骨」「エース」と
 呼ばれ出したのでしょう。
 
{/netabare}

 後輩の今井みどり(ディーゼルさん)も魅力的でしたね。
 私がメガネキャラに対し5割増しで魅力を感じるという点を
 差し引いても…多分。
 いつも超々前向きで明るく、
 「頭と心の財産ッス」は名言と思います。
 
 どつぼスパイラルに陥ることが多い絵麻っちも、
 頑張りやで好感が持てました。
 「もっと肩の力抜いていいんよ~」
 って言ってあげたくなりますね。

 おっさん勢も山田さん、円さん、下柳さん、本田さん、
 杉江さん…みんな自分の哲学や信念を持っていて
 見習いたいですね。
 社長に対しては最初「何やってんだこいつ?」と
 首をひねっていましたが、後任を育てることに
 注力してるから手を出さないのだと私は感じました。
 
4)作画
 現実では当たり前の話なんですが、
 皆さん服装がいろいろ変わって楽しめました。
 あと背景の元ネタ探しは結構面白いです。

5)音楽
 三女のPVの曲は勇壮でよかったかと


6)印象的なシーン
{netabare}
 ①回収時等の無駄に大迫力のドリフト
  50km/hであり得ないカーチェイス。
  頭文字なんとかを彷彿させられ、
  ここに力入れる?って吹きました。

 ②パニックみゃー森 茶渋を取る
  テスト前に勉強せずに掃除を始めるみたいなやつですね。
  あれは「できなかった言い訳を作るための行為」
  らしいです。
  
 ③タローの悪意なき悪行の数々
  こいつなんでここにいるんだ?と
  イライラしっぱなしでした。
  この男は一生お幸せに生きていけるタイプですね。
  まじめにやってる人の足を引っ張り、
  モチベーションも下げる。
  最悪ですね。
  ただこんな奴でも平岡を改心させるのには
  役に立ちましたね。最終話で社長訓示の後、
  平岡がみんなと一緒に腕を上げているところは
  「絶望の底からもう一度立ち上がろうとしてるんだな」
  と感じました。

 ④3D VS アニメーター
  こういう対立、どこでもありますよね。
  誇りや前向きな向上心のぶつかり合いならいいんですが、
  利権やら嫉みやらのぶつかり合いならもう最悪ですね。
  今回の場合誇りのぶつかり合いだったので、
  初心に帰ることで広い視点を取り戻すことが出来て
  何よりでした。
  (現実世界では利権や嫉み、虚栄心が原因で
   ネチネチ無駄な足の引っ張り合いが続くことが
   多いですが)

 ⑤杉江さんの絵麻へのアシスト
  杉江さんみたいな人、居場所がなくて
  結構きついと思うんですよ。
  ベテランとして在籍しているものの、
  変わってしまったアニメの世界と
  世代交代が進んだ会社にね。
  「自分の出来ることを」と絵麻を見守る杉江さんは
  いい人です。
  絵馬が井口を頼った瞬間、
  そっと場を離れるシーンは印象的でした。

 ⑥みゃー森達5人の飲みっぷり
  私が若かったころは女子もジョッキでぐいーって
  行く人が結構いましたが最近はあまり見かけません。
  ゆえにたびたび5人で飲んでるのを見て、
  いいなーって思いました。
  ジョッキ女子、いいですね。

 ⑦オーディション
  「製作委員会」方式を取って、投資のリスク分散を
  図っている現在のアニメ業界にとって避けられない調整。
  出資者は慈善事業で出資してるわけではないので、
  当然見返り(利益)が必要となります。
  出資者にとってはアニメ自体の成功は
  自身の利益を得るための一手段に過ぎないため、
  他のステークホルダーと話がかみ合わないのは
  よくあるんだろうなと想像します。
  利害関係が絡み、優先順位が異なる人たちの会議では
  日常的な風景と思いますので「あるある」って
  笑えた反面、胃が痛くなるシーンでもありました。
  
  ところで監督がキャサリン役にずかちゃん押したとき、
  「ついに全員デビューか?」と期待しましたが、
  持ちこしになったのは意外でした。
  ずかちゃんにはとことん試練が与えられますね。
  独りでビール4缶あけてる姿は
  痛々しくて見てられませんでした。

 ⑧ちゃぶ台返し
  初キャラデザの井口さんに完全感情移入しました。
  方向性も示さずにダメ出しを繰り返すのは
  バカのやることです。
  少なくとも物事を前に進める気があるとは思えません。
  ロロとミムジーが霧の中を歩くシーンに比喩されて
  いましたが、やってる方はまさにあんな心情です。
  どうやっていいか分からなくなるのは当然です。
  ゴスロリ様がフォローして井口さんはつぶれずに
  済みましたが、無能な担当者や上司
  (今回の場合「変な話~」の人)が力ある人材を
  食いつぶしていくのを見てると本当にイラつきますね。
  彼はWin-Winどころか自分以外の
  誰もを不幸にしていたわけですからね。

 ⑨ずかちゃんデビュー
  ルーシーのセリフ
  「今わたし、少しだけ夢に近づきました」は
  ずかちゃんの声でもあるわけですね。
  台本で隠しながらボロ泣きするみゃー森がええ娘やぁ…。


{/netabare}

7)その他

 完成までの工程が長いため、関わる人の数が非常に多いです。
 1周視聴しても、顔と名前と役割が一致しない人が多いです。
 (特に役割は専門用語が飛び交う上、
  途中でコロコロ変わるので)
 私のように「OP/EDテロップは声優欄くらいしか見てません」
 という人には予習が必要かもしれません。
 公式サイトにも用語解説があります。

 なおそれをカバーするために
 ・人物が登場するたびに名前と役割が
  毎度毎度表示されていました。
 ・ミムジー&ロロ(ぬいぐるみ2匹)が解説してくれる
 という措置が取られています。
 テンポを崩さずにうまく対応できていたかと思います。

投稿 : 2022/04/30
閲覧 : 392
サンキュー:

45

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