「櫻子さんの足下には死体が埋まっている(TVアニメ動画)」

総合得点
70.0
感想・評価
934
棚に入れた
4970
ランキング
1618
★★★★☆ 3.6 (934)
物語
3.6
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

骨は読んでも空気は読まないで

男子高校生の主人公が街に住む変なお姉さんと知り合って事件や謎を解決していくお話。
ちょっと対象年齢の上がった「名探偵コナン」と言った所でしょうか。

変なお姉さんである櫻子さんは骨格標本を作る事を生業にする人間嫌いのKYさんとの事ですが、骨以外の事についても博識で、というか事件の解決に殆ど骨の分析が関わって来ないという、なんでそんな設定にしたのかも謎です・・が。

「空気は読めないが骨は読む」でお馴染みの海外ドラマ「BONES ~骨は語る」と言うのがあります。
パクりかよ!と思ったらなんかコラボ企画までやってたみたいでして、やっぱり公式パクりみたいです。

本家ボーンズことブレナン博士は法人類学者で骨の分析に天才的な能力を発揮する美女でして、その能力でFBIの捜査に協力するという話なんですが、決定的なキャラ付けがしてあります。
つまりは病的に空気が読めない、アスペルガーシンドロームを抱えていると言う設定なのです。
これがこのドラマの面白さなんです。

それと対比してこちらの櫻子さんなんですが、どうやら人の気持ちが分からない、空気が読めない、訳ではなく、「読まない」だけなのです。
ボーンズ博士は真性のガチなので殊更に「まったく君達ノーマルさんは」「訳が分からないよぉ」みたいな発言はしません。
そもそも自分が空気を読めない認識が無いからです。そういう場合にはただ無表情にきょとーんとします。
ところが櫻子さんときたらそういう発言をちょいちょいしますし、しまいにゃ心の機微について説教までし始めます。

この時点でキャラが砕けてるんですよ。
空気読めないキャラなら読んじゃダメです。徹底的にキャラ立てしないと。

天才的な能力を発揮する人は別の部分でバランスを欠いている事は往々にしてあり得ることです。
だからボーンズと櫻子を対比するとどうにもリアリティに劣るんです。


それから周囲のキャラもダメです。
ボーンズはそんなですから、彼女が能力を発揮し、仕事をこなす為には普通以上に有能な人のサポートや取り成しが不可欠です。
だから周囲のキャラクター達もボーンズに振り回されながらも彼女を理解し、サポートするそれぞれの分野で有能な人々が揃っています。

ところが櫻子さんの周りに居るのは何の能力も持たない主人公の少年、そのガールフレンド、新米警官、やる気ない教師・・・。
彼らには櫻子さんと同じ目線で議論する能力すらなく、必然櫻子さん自身がまっとうな役回りをこなさないといけなくなる訳です。
櫻子さんが非常識な事をする度に主人公君が「櫻子さんっ!」とヒステリックに規制するのですが、それが知的でなくワンパターンで不快でした。

ボーンズ博士が空気を読んだら凡庸な、何の変哲も無い、つまらないドラマになっちゃいます。
そしてなっちゃいました。

空気を読めない人間が最も嫌われる日本にあってはさすがにアニメのヒロインとして認められないんでしょうか。
しかし「BONES」の様なドラマが日本でも人気出るんだから、需要はあると思うんだけどなあ。

この作品には櫻子さんをアスペルガー設定にする勇気が必要でした。


ともあれ続きがある様な終わり方でしたよ。
あんまり評判が芳しくないのでアニメ化は無いですかね・・・。

投稿 : 2016/09/10
閲覧 : 328
サンキュー:

17

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