Progress さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2016年のギャグコメ作品を紹介するならコレ
とてつもない「馬鹿馬鹿しさ」の笑いと、熱いバトルによる盛り上がりの二つの長所を持っている作品です。2016年の作品で友人に薦めるとしたら、この作品を薦めると思います。
● 競女とは?尻と胸を使い水着でおしくらまんじゅう
水上に設けられたラウンドとよばれる足場の上で、尻と胸を使って、対戦相手を足場から落とせば勝ちという競技です。(もしくは足場に相手の手をつけさせる、体をつけさせる等もあります)
作品世界では競女はプロスポーツとして親しまれているようです。
● 技名に光るギャグセンス・聞いたことのない「競女用語」
本作品には「尻技」とよばれる、試合に勝利するための、特殊能力のような技があります。現実的にあり得るものから、「いや、それはおかしい」と物理法則を無視した面白おかしい物、ちょっとファンタジーが入った技まで、様々な種類があります。
技名は、ここでネタバレしてしまうと、本作品をまだみていない方にとって、とても惜しい。是非この作品を一度みて、その技名を始めて聞いた時の笑いの爆発力を感じてほしいです!
1話の尻技を一つだけ紹介すると{netabare}「尻ギロチン」 という技があります。その名前だけでもう笑ってしまいますが、どんな技なのか、是非見てください。{/netabare}
時には目を覆いたくなるようなシモネタ全開の技や露出度の高い技が出てきます。
また、作品中に出てくる言葉には現実では聞いたことのない「競女」用語が出て来ます。尻の測り方や、尻の撃ち出し方など、絶対に現実では役に立たないような言葉がさも当然のごとく登場人物の口から発せられ、笑いを誘います。
● 熱い尻技の応酬!スポコンアニメとしてもイケる!
主人公の神無のぞみは競女養成学校に入学したアマチュアです。ここからプロの世界に入り、賞金女王になることを目指しています。
まずは、学校内での一般生と特待生の入れ替え対抗戦で特待生になろうと必殺技を磨きます。
次に、のぞみに足りない力を得るために、少年漫画お決まりの修行のような特訓も出て来ます。
その後、中盤から敵味方で様々な面白おかしな尻技が入り乱れます。尻と尻がぶつかり、対戦相手と正々堂々熱い尻バトルが繰り広げられます。
のぞみの「必殺技の習得」という王道的な成長と、登場人物の譲れない物のぶつかりあいが、試合をより熱いものにしています。
● 作画・演出のレベルも高い!
作画については、熱いスポコンアニメとしての尻技の動きの追求がなされています。のぞみの必殺技の体の動かし方や、さやかの必殺技のありえなさなど、激しさや、勢いを重視した作画になっています。
また、登場人物の表情も、対戦中の譲れない物がある時の気迫に満ちた表情に迫力があります。
キャラクター性については、それぞれの登場人物が、長所を活かした尻技を持っており、それがすでに個性です。また、多くのメインキャラの競女や試合にかける思いを描いており、掘り下げの部分でも申し分ありません。
また演出面でも、次回が気になる「引き」を用意しています。次回の見せ場や、一番面白いセリフのシーンを持ってきています。その映像やセリフでひとしきり笑うと次回も気になってしまいます。
● 総評
尻とか胸とかシモネタを連発するギャグコメが基本となる世界観に翻弄されます。ですがさわやかなスポコン物の成分のおかげか、シモネタの使いすぎで「引く」感覚があまりなく、ただただ馬鹿馬鹿しくて面白いです。
馬鹿馬鹿しいことを、熱く、真剣に取り組んでいるそのシュールさに少しにやけつつ、スポコン系の王道展開で盛り上がっていく、2016年のギャグコメ・スポーツ物の記憶に残る良作です。