セメント さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態：観終わった
解き放て！アンリミテッド！
「絶対可憐チルドレン」のスピンオフ、原作者の椎名高志さんも本作をパラレルワールドとして位置付けているようですね。
ただ思いっきり本編のエピソードをぶっ込んで来たり、オリジナルキャラを原作でも逆輸入させてたりとその関係はリニアです。
<物語>
圧倒的なまでの強さとカリスマ性を魅せ付けた兵部少佐を主人公としています。
中学生編の前の話という事で、確か「絶チル」のアニメ版は永遠に小学生をしていて、OVAで中学編をやってましたよね、その間の時間軸です。
大筋は少佐とアンディのお話しなんですが、ザ・チルドレンも出てきて、薫は未だにクイーンで揺れています。
本作は何と言っても7話と8話に、原作では28巻と29巻にあたる少佐の過去回を引っ張ってきた点を語らずに居られないでしょう。
エスパー犯罪史上最悪の人物と称させる現在の少佐の礎となる陸軍特務超能部隊時代のエピソードを最高のクオリティでアニメ化してくれて感謝の言葉しか浮かびませんでした。
最終話で元凶となった早乙女隊長の記憶を消すシーンまで含めて何度見ても飽き足りません。
<作画>
「絶チル」から実に4年振りくらいのアニメ化なので、当時のグラフィックは見る影もありません。
どこまでも「ハヤテのごとく」の呪縛を解けないSynergySP制作アニメとは道を違えたのです。
スタッフも一新されてキャラデザも硬派な雰囲気に変わり、マングローブ制作による大分堅実な仕上がりになっています。
<声優>
新キャラのアンディに諏訪部順一さん、ユウギリには東山奈央さんが起用されています。
そして早乙女隊長役には森功至さん、好きなキャラなので思わぬビッグキャストに大満足です。
他は大凡「絶チル」を引き継いでいますね、薫役の平野綾さんも健在でした。
<音楽>
OPの「LΛST RESOLUTION」は英語版と日本語版があり、謎のタイミングで切り替わっていました。
どちらも好きでしたが、英語版の方が雰囲気出てたかと思います。
EDはeyelisが2種類と可憐GUY'sが4種類出してますね。
eyelisはサンデー作品御用達のアニソンユニットで、「絶チル」の曲の他にも「ハヤテ」や「神のみ」でも作詞・作曲で深く関わっていますね。
そして可憐GUY'sは可憐Girl'sに対抗しての命名で攻めてきています。
あと最終話の挿入歌にユウギリのキャラソンが流れています、サンデーは東山奈央さんによく歌わせたがりますよね。
<キャラ>
基本的にはB.A.B.E.L.視点なので真木さんや紅葉さんなどの敵幹部が好きな人には堪らない仕様になってますね。
新面のアンディも、EPS無効化能力も面白いですし、体よく組織に馴染んでいた印象です。
ところでユウギリって黒い幽霊の被験体なんですね、どうやらギリアムとユーリのクローンという話で。
黒い幽霊も極悪なんですが、早乙女隊長も終戦後は合衆国に渡り、親エスパー派のニューヨーク市長を暗殺しようとするなど傍若無人な存在でしたね。
反対勢力が幅を利かせてエスパーの未来は暗いです、負けるな！B.A.B.E.L.！
単品として見ても面白く、「絶チル」を見てた人も見てない人も楽しめる内容になっていたのではないかと思います。
「絶チル」と打って変わっての真面目調ですが、質の高い能力バトルが見たいって人には是非お勧めします。
