「茄子 アンダルシアの夏(アニメ映画)」

総合得点
72.2
感想・評価
190
棚に入れた
943
ランキング
1155
★★★★☆ 3.9 (190)
物語
4.0
作画
4.1
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

無駄のない仕上がり

非常にカラッとした出来栄えになっております。砂漠のような大地の中央に道があり、スタートからゴールまでを単純に映した尺構成。また、セリフ、映像なども、無駄なモノを一切省いたご様子。でもなんだか薄いと感じたら、それは昨今のお楽しみ要素に慣れ親しんだ習慣かもしれません。このコンパクトさは成功だと感じる。

単純にスタートからゴールまでの流れなんすけど、最初はどんなアニメを見ても、ここら辺がすごいな、とか思うわけで、本作においては主にレースにおける無線のやり取りや、水分補給などの細かな描写が際立っていた。照り付ける太陽の中の息づかいや、心拍数まで自転車に表示されているし、風やコーナーに対してチームでカバーし合いながら盾役になったりする描写だけで魅せてくる。セリフ数はほんと少ない。だからその一つが際立つ。作画にしても背景が砂漠+空だけで、こういう単純さが背景に目を配る必要がなく、焦点に集中できる。

レースものの弱点として、勝つと分かっているところをどう魅せるかが宿命で、別の選手を勝たせる役回りだった主人公。そこから地元のレースだからとか、でも地元が嫌いだからとか、でも今日は特別な日だからとかを、 サッと脳裏をよぎるように映像を割り込ませる。競馬で言えばガンガン逃げまくる、追ってくる猛者ども、というところでしょうか。

本作で感動したのは上にも含まれますが、主人公がどのような思いで走っているかを、遠回しで映している点。本人は逃げレースの中ひたすら前だけを進んでいる。セリフが極端に少ない。その間地元仲間たちがあれこれと主人公の話をしているけど、彼はいたって孤独。もろもろの絵で心情を表現するモンタージュをはじめ、勝利に至るまでの、無駄を省いた演出の技は本作ならではでしょう。

投稿 : 2024/03/05
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サンキュー:

24

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