「このはな綺譚(TVアニメ動画)」

総合得点
79.6
感想・評価
559
棚に入れた
2409
ランキング
483
★★★★☆ 3.8 (559)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いらっしゃいませ お客様…此花亭へようこそ

この作品の原作は未読ですが、出演される声優さんが発表された時、加隈さんの名前に反応し、沼倉さん、諏訪さんの名前を見て視聴する意志を固めた作品でした。

この作品の公式HPにこの作品が紹介されているのですが、とてもこの作品の特徴を捉えた紹介になっているんです。

『神様に遣える狐っ娘たちが働く温泉宿「此花亭」。
「このはな綺譚」は此花亭に奉公にきた新人仲居の柚と、柚を取り巻く仲間たちとの心温まる物語です。
仲居たちの想いはひとつ。
「正体が何者でも、どなたさまでも、お客様は神様です。」
もちろん、いま目も前におられる、あなたも…。
柚たち仲居の”おもてなし”に触れ、疲れた心を癒してください。』

この物語は、12話の物語で構成されています。
ひとつひとつの物語が本当に温かで…一生懸命な彼女たちの想いを胸にしまい込みたくなる…私にとって今期の作品の中で「大切」に思える作品になりました。

当たり前を当たり前じゃ無く過ごした時間…大切な人と二人きりで過ごしてきました。
「どうしたらこの大切を守れるだろう…」
「どうしたらこの時間を続けることができるのだろう…」
できるのは、一生懸命考えて、自分の出来る全部をすること…

ここで大切なのが「考えること」
自分の思いを遂げるため…
大切な相手に尽くすため…

確かに大切なことだと思います。
でもこの作品が秀逸なのは、考える上で一番大切にしている基軸が上記だけではないことです。
「相手に寄り添って、同じ目線で、相手の気持ちを考えること」
言うのは簡単…だけど、そう簡単にできるものではありません。

此花亭に奉公に出るまでの柚…
なんて貴重な時間の使い方をしたのだろう、と羨ましさを感じます。
この作品ならではの「大切」を学んだ柚が此花亭にやってきて…物語が動いていきます。

まず、この作品のアニメーション制作はLercheさん…
これまで手掛けてこられた主な作品は「機巧少女は傷つかない」「モンスター娘のいる日常」「がっこうぐらし!」「魔法少女育成計画」「クズの本懐」など…。
このタイトルを見るだけで、丁寧な作り込みとキャラデザ、作画のレベルの高さが感じられます。

この作品で紡がれる物語は時に温かく、そして時に切ない…
身体全部を使いながら考えて実践する仲居さんたち…
失敗すること、怒られて落ち込むこと、そしてやり場のない嫉妬心…
そんな一生懸命な仲居さんたちの活躍…やっぱり綺麗に飾りたいじゃありませんか。
そう考えるとこの作品とアニメーション制作会社の相性…これ以上無いくらいベストマッチだったのではないでしょうか。

そんな事を考えながらwikiをチラ見した時に知りました。
作者の天乃咲哉先生は、お気に入りの棚に入れるほど大好きな「GOSICK -ゴシック-」の作者でもあったんです。
そしてこの作品の生まれを知ったのですが、もともとは2009年~2010年に現在では廃刊になった「コミック百合姫S」で連載されていたそうなのですが、掲載誌を変えて2014年から連載が再開された作品だったんです。
作者の中でこの作品を練り上げるには十分で…そして必要だった時間を経てこの世に産み出された作品…という事になります。

どうしてこの作品がこんなにも優しさで溢れているのか…
どうしてこの作品に深い愛おしさを感じるのか…
この作品の生まれた経緯を知ったら、その理由の一端が分かったような気がしました。
全ては必然だったんですね。

この作品の…最高のおもてなしをご堪能されたい方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、eufoniusさんの「ココロニツボミ」
エンディングテーマは、此花亭中居の会が組み合わせを変えながら5曲用意されていました。
「春ウララ、君ト咲キ誇ル」(第1話 - 第3話)
「夏咲き恋花火」(第4話 - 第6話)
「茜空、君舞フ紅葉ノ散歩道」(第7話 - 第9話)
「雪華煌めく家路にて」(第10話 - 第11話)
「四時・草の縁」(第12話)
どれもこの作品を彩るのに相応しい楽曲ばかりです。

1クール12話の物語でした。
こういう心温まる作品は大好きです。
こういう作品に出会うたび、アニメが好きで良かったと心底思います。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2017/12/24
閲覧 : 238
サンキュー:

25

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