「イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)」

総合得点
75.9
感想・評価
766
棚に入れた
4230
ランキング
744
★★★★★ 4.1 (766)
物語
3.8
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.0

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ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

素材は良いのに、箴言(しんげん)の過度な引用で気持ちが萎える

この作品は、1995年に公開されたアニメ映画
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の続編である。
GHOST IN THE SHELLのラストから3年たった後の
物語のため、事前にGHOSR IN THE SHELLを見ることを
推奨する。

大まかなあらすじとしてはこんな感じ。
3年前に起きた事件により、素子少佐が広大なネット世界へと
旅立ったことで、バトーの心境に変化が見られつつあった。
トグサと共に、公安9課の任務をこなしていくものの、彼女に
対する想いは日に日に強くなっていく。
そんなある日、ロクス・ソルス社製の同型ガイノイドが暴走し、
殺人を行う事件が発生。2人は事件解決のため、その謎に迫っていくが…。

全体を通した感想としては、前作よりもストーリーが比較的
分かりやすく、作画が見違えるほどに向上しているなと感じた。
当然、前作を踏襲しているため世界観も素晴らしい。

前作では、脇役として描かれていたキャラクターの
存在感があるのも良い。
特に印象的だったのは、イシカワだ。
バトーとトグサを温かく見守る上司として描かれており
人間味も増している。言葉はきついと感じる場面があったものの
彼らを心配しているのが伝わってきた。

一番のネックは、なんといっても箴言(しんげん)を引用している
セリフが余りにも多いことだ。
押井氏が、哲学や古典文学を愛好していることは、凄く
伝わってくるのだが、それがかえってこの作品を壊していると感じた。
それが狙ってやったものだと分かったうえで視聴したものの
くどいという感情を頭から消し去ることは不可能だった。

引用もほどほどにすれば、良いスパイスになったのに
過剰なまでに盛り込んでくるので、頭が混乱しやすいのだ。
人によっては、「イノセンスは非常に難解だ」という
意見が出ても不思議ではない。これが押井節の一種かと私は理解した。

この仕様により、一番割を食ってしまったのがバトーだ。
前作では、特に違和感はなかったのだが、今回はかなり裏目に出たようだ。
途中からは、押井氏の操り人形にしか見えなかった。可哀想。

ストーリーにおいても、前作よりはあまりしっくりこないように
感じられた。結末の部分で、伝えたいことは理解できたものの
格別に引き付けられるほどでもなかったし。
別に無理しなくても良かったのでは?

今作も、一部のシーンにおいて、スプラッター描写が
含まれる。慣れていないと、きついと感じるので
事前に耐性を付けてから見ることを推奨する。

前作に比べれば、多少見劣りした部分はあったものの
中々濃厚なSFアニメ映画であった。
個人的には良作だと思う。

投稿 : 2018/05/13
閲覧 : 384
サンキュー:

15

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