「ロウきゅーぶ!(TVアニメ動画)」

総合得点
81.5
感想・評価
1937
棚に入れた
9402
ランキング
401
★★★★☆ 3.7 (1937)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

競技アニメとしては足りない。

アニメーション制作:project No.9、Studio Blanc
2011年7月 - 9月に放映された全12話 + OVA1話のTVアニメ。

原作は、電撃文庫レーベルのライトノベルであり、原作者は蒼山サグ。
監督は草川啓造。

【概要/あらすじ】

主人公である長谷川 昴(はせがわ すばる)・15歳は身長172cmと体格的には優れてはいないのだが、
弱小で無名の中学バスケ部を県準優勝にまで導いた、中学バスケでは県内屈指の選手であった。
そんな彼はスポーツ特待生として七芝高校に入学したのだが、
ロリコン部長の小学生相手の不祥事発覚によって七芝高校バスケ部は一年間の活動停止処分に。
バスケ以外に特にやりたいことがない昴は高校生活のモチベーションを失っていたのだが、
そんな折に小学校教員をやっている叔母の篁 美星(たかむら みほし)・23歳に半ば脅迫に近い形で、
彼女が顧問をやっている慧心学園初等部女子ミニバスケットボール部の臨時コーチを引き受けさせられてしまう。
それは5人だけのバスケ部で、これまでバスケに詳しいマトモな指導者がいなかったことから、
チームとしてのレベルは低かった。完成度が高い気になる選手が一人だけいたのだが。
乗り気でなくすぐに辞める気の昴であったが、彼女たちの熱意・小学生ゆえの呑み込みの速さなどに触発され、
昴自身もバスケマンとして影響を受けて指導にのめり込んでゆくのだった。

【感想】

原作小説も漫画版も未読。スポコンとロリコンを等分に融合させた作品として、
二次元のちっちゃい女の子好きを大いに喜ばせたアニメ。

原作者がロリータ・コンプレックス持ちで女児は純粋無垢な天使であり、
男に癒しを与えてくれる全力で美化された存在として扱っており、
内容は実に女児に夢見過ぎなファンタジー作品ではある。

現実に帰れば、いまどきは部外者男性が小学校に近づこうものなら、
不審人物扱いで教員やお巡りさんや見守りボランティアに呼び止められる案件ではあるし、

JSであろうと女は自我を持ち好きな相手には好意を示すが一度相手を嫌いになると全力で汚い物扱いをする。
嫌いになる理由は何でもいい。自分を理解してくれない朴念仁に対する鬱陶しさと不信感。
表情がきもちわるい。『あいつのあれは無いよねー!』と口コミネットワークで悪い噂を拡散して排除にかかる。
自分の言動を棚に上げては他人への好悪が激しく、とにかく文句が多過ぎる。
牙を剥く相手は男性とは限らない。小学校高学年となるとイライラしてる年増の女教師に対して、
本人のいないところで『あれは無いよねー!』と悪口大会で盛り上がり、本人の耳に入ろうものなら、
ぶち切れした女教師が授業をボイコット。子供の純粋さとは感じたままに好悪を示すことであり、
想像力の足りなさゆえに他者の尊厳を踏みつける残酷さと紙一重。
さらには他人を平気で傷つけるくせに自分が批難されると泣いて被害者面をする。
性格が良い子もいるにはいるのだが、それは愛され上手でストレスを感じにくい生き方が身についている成果である。
感情を理屈に優先することにおいては男性諸氏の理解の範疇を超えているのが女子であるのだ。

私が子供時代に市立小学校で実際に見聞きしたのがそれであり、余所は余所!で全部が一緒というわけではないが、
子供キャラの扱いが、単に大人のオタクの都合で動かされているだけの感が気になったので、対比として書いてみた。

この作品では、小学生が全員性格がいいという奇跡。
女児の年上のかっこいいお兄さんな主人公への憧れ故に、
主人公の女児のパーソナルスペースへの侵入が許可されている。
学校関係者の許可を得て女児たちのフィールドに主人公が足を踏み入れている。

ハードルをすべて撤去して女児とお兄さんのラッキースケベ交じりの交流が許される下地が予め用意されたうえで、
ストレスフリーでイージーモードなニヤニヤ展開の羅列。
ファンと作品の関係として、ハンバーグ大好きな団体にハンバーグ尽くしのランチ大盤振る舞いって感じで、
特定の嗜好の持ち主に特定の嗜好の作品を提供したということで、
それをあーだこーだ言ったところで無粋なのだろう。
攻略対象キャラの好感度が全員MAX状態スタートのギャルゲーみたいなもん。

非現実の楽しい夢を見せるのもフィクションのあり方の一つなのであるが。

スポーツものとしても、やっぱりイージーモードなのかな?と気になった。
フィクションのスポーツジャンルでは主人公チームの努力“だけ”が報われるという悪癖がある。

例として、

全員素人の高校野球部に凄いエースが入った → 数か月間努力しただけで甲子園に出場して好成績を残す。

現実には、そんなムシのいい話は転がっていない。

主人公チームが努力を始める前から、他のチームが何倍も努力を積み重ねている。
主人公チームのスタート地点の遅れを挽回する説得力が必要。
短期間の努力の主人公チームに負けるような敵はよほど選手に才能がないか指導者が無能。
そうならないように主人公チームに負ける対戦相手の顔を立てる形でフォローするのが大事。

ロウきゅーぶ!ではチームの特性に合わせた指導の優秀さと、子供の成長スピードがマジすげえ!ということで、
説得力を持たせようとしているのだが。

仮にこれが高校生の弱小女子バスケ部のサクセスストーリーであるならば色々と破綻しているのだが、
同年代では経験者と素人のキャリアや実力差がそこまで開いてない小学生ということで、
あと昴が指導する女児たちが素質や学習能力が優秀ということで、あれこれ言わないでいいかもしれないのだが、
スポーツものとして名作と呼ばれるものと比較すればテンプレ的で経験者からの共感や作り込みが甘いかな?

スポーツ描写、他者への劣等感や上達にいたるまでの苦しみといったアスリートの心情描写、
強くなりたいゆえの不和といったチームとしてのドラマがしっかりしていれば、ロリ媚びが無くとも、
汗して競技に没頭する姿だけでキャラは最高に輝けるのだが、実際にはそういう作品にはなれなかった。
自分は『あさひなぐ』が好きなだけに、『ロウきゅーぶ!』にはスポーツ部活ものとしての密度が不足気味に感じる。
そこは、スポコンとロリコンの足し算で足りない部分を補いつつ作品人気が出るべく作ってみたというところか?

結論として、個人としてはスポーツものとしては物足りなくロりものとしては媚びが多くて過剰装飾気味なので、
それほど評価の高い作品には、なりえなかった。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/08/21
閲覧 : 413
サンキュー:

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