ぶどう さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
恐るべき濃度、紛れも無い「戦記モノ」としての実力。
さてこの作品。
かく言うわたしも「とりあえず1話だけ見ておくか・・・」と見始めました。
というのも、正直このタイトルからは『とりあえずロリがいればいいんだろう?』といった、昨今のアニメにありがちな雑っぽさを感じておりました。
では内容はどうだったか?
はっきり言って、タイトル詐欺もいいとこです。
いや、タイトルを見て幼女という文字に過剰反応してしまった自分が情けない。
そう、これは紛れも無い『戦記モノ』なのです。
恐るべき濃度で描かれた戦争アニメです。
戦争を題材にした作品は日本でもこれまで数多く作られています。ほとんどは先の大戦、それも戦時下の庶民を描いたものです。
ゆえに、苛烈な戦場よりもむしろ残された家族の悲惨さや、むなしさがクローズアップされることが多いと思います。
しかしこの幼女戦記は、まるでハリウッドの戦争映画、それもプラトーンやフルメタルジャケットのような、戦場を生きる兵士の苦悩にスポットを当てた苦々しさ。そして、あくまで「戦記」としての、政治レベル・戦略レベルの権謀術数など、戦争の現場を非常に濃厚に描いています。
異世界転生もの、萌え・ロリものとしての側面はあるにはありますが、あまり重要な意味を持っているわけではありません。
もっとも、主人公は間違いなく幼女で、魔法を使って戦い、声は悠木碧と無視できる要素ではありません。そこは、必ずしも万人受けするものではないと思うのでそういった点を見極めて視聴をお決めいただければと思います。