「FLCL フリクリ(OVA)」

総合得点
73.4
感想・評価
580
棚に入れた
2468
ランキング
998
★★★★☆ 3.9 (580)
物語
3.6
作画
4.1
声優
3.7
音楽
4.2
キャラ
3.9

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じん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

視聴者を父さん代わりに何度もぶつ、そういうアニメ

この物語は少年が不思議な女性と出会い混沌に巻き込まれてゆく、といったあらすじをなぞる点において、王道ともいえるストーリー展開を見せる。
と、聞いたら多くのあなたは先が読めてつまらないだろうと考えるはずだ。そんなことがあり得ないのがこのアニメだった。
まず圧倒的な映像の勢いで客を翻弄してくる。次に時代を感じさせる止まらない下ネタ。鳴り響くエレキギター!

説明の難しいアニメとして度々名前が挙がるアニメである。違和感を覚える暇もなく大袈裟なノリが頭に突っ込んでくる、そういうアニメだ。
父さんにもぶたれたことのないパイロットもこれにはビックリであろう。
レビューという未視聴者への紹介も躊躇うところである。この作品に「触れる」事こそが価値なのだから。
難しいアニメ、何をいってるのか分からないアニメ、それなら映像表現一辺倒で、ストーリーは二の次かと言われるとそうではない。演出に注目することで実は細部に伏線を張った緻密な構成の作品であることに驚かされるだろう。この作品、OVAということもあり半クール分の長さしかない。たったの6話だ。我々に製作側から何度もの見直しが勧められていたりするのかもしれない。

思春期の主人公の揺れる心が描写されており、傲慢や嫉妬、葛藤、軽い憂鬱などが仕草や会話に織り込まれた、文学的な作品であるとも言えるだろう。
制作者たちの意匠だろうが、至るデザインや動きには暗喩が非常に大事にされている。このアニメはやはり楽しみだけでは完結しない重厚さを孕んでいる。

ストーリーに関して冒頭で示した女性と少年の出会いという型の作品、銀河鉄道999のメーテルと哲郎の関係と誰かが説明していたが、なるほどそうかと納得した。この事を頭に置いておくと見るときにいくらかよく分かるのかもしれない。

投稿 : 2018/12/25
閲覧 : 270
サンキュー:

6

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