「新世界より(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
3341
棚に入れた
15918
ランキング
149
★★★★☆ 3.9 (3341)
物語
4.2
作画
3.6
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

力を保持し、制御するために人は何を為すか

世界観:7
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:5
情感:5
合計:32

<あらすじ>
舞台は未来。主人公は5人の少年少女たち。物語は、彼らが“呪力”と呼ばれる念動力を学ぶ上級学校へと進む12歳の幼少期から始まる。5人はそこで、人類の血塗られた歴史を知ると共に、命を賭けた壮絶な冒険へと駆り立てられることになる。やがて14歳という青春時代を迎えた彼らには、より過酷な試練、胸を焦がす衝撃的な出来事が待ち受けている。そして、26歳の夏。予想だにしなかった未曾有の惨劇が人類を襲い…!?
呪力という神の力を手に入れた人間、人間に劣らぬ知性を持った異種族=バケネズミ、さらには歪んだ進化を遂げた異形の怪物たち。様々な勢力や思惑が入り乱れる先の読めないストーリーは、主人公たちが12歳、14歳、そして26歳と時を重ねていく姿を描き、3部作という壮大なスケールで展開していく。さらに、スリリングな物語の奥には、生命の根源にかかわる深遠なテーマも潜んでいる。
(公式サイトより抜粋)

本作の視聴のきっかけは覚えていませんが、評価が分かれていて、賛の側の意見のほうに興味を持ったというところ。

メッセージ性の強い作品で、結果的には視聴して良かったと思います。

しかし、3話時点の評価点が3.1だったことからもわかりますが、序盤は結構辛かったです(2話を見たあと、3か月間視聴を中断したくらいです)。メインの視聴時間帯が仕事帰りなので、そこで頭を使わされることへの抵抗もあったと思いますし、独自世界の説明の割合がエピソードベースよりも、台詞や言葉ベースが多いです。専門的な用語もあり、ミノシロモドキという不思議な生物の造形をした図書館の語りにもあまり興味を持てなかったです。あとは作画があまり良くなく、キャラデザが好みではなかったのもありました。

音楽はOPがほぼない変わった作品でしたが、1クール目のED「割れたリンゴ」はお気に入り。本作は手に汗握るホラー的な展開もありますが、そういう場面は無音で恐怖をしっかり感じさせていました。

{netabare}バケネズミの助けを得ながら逃げるあたりから、ようやく主人公と仲間たちの名前を覚えられ、この物語世界の仕組みも理解できてきました(でも、8話で同性愛が発生していたのは必要だったのか理解できませんでしたが)。大人の論理が提示された回あたりから面白くなってきました。

本作は人類の脅威となる存在や人間と同程度の知性を持つ存在が現れた場合に人間がどう対処するのか、という視点がありました。

この世界では人間は呪力を使えますが、同時に、遺伝子的に呪力で人間を殺すとキシ機構により死んでしまう存在です。しかし、このキシ機構がない「悪鬼」、呪力が強すぎてコントロールできなくなり周囲に害をなす「業魔」が過去に現れ大惨事を招いたため、その可能性の芽を摘むために問題のある子どもを排除しています。

守が不浄猫の接近を受けて逃亡し、真理亜も共に。
野狐丸に彼らが死んだことにできないか依頼したシーンで、バケネズミの骨は神様(人間)と同じところもあるといった台詞がありましたが、最終話で一層理解できましたね。
真理亜も守も、骨の鑑定を受けて確認されていたのだから、野狐丸は二人の子どもを奪った時点で2人を殺害したということなのでしょうけど。

ここから更にネタバレ全開ですのでご注意を。
{netabare}呪力の使えない人間を遺伝子操作した存在がバケネズミだったことが最終話にして本作で一番驚いた部分。呪力が弱い、呪力を使えない子供が排除されていた理由もわかりました。
一部の人間が魔法のような特別な力を手に入れた場合に、その超人たちがどう対処するのか、というお話だったということでしょうか。
以前見た寄生獣だと、人間と共存するような終わり方であり、その時のレビューで、人間は寄生獣を根絶やしにするだろうと書いた気がします。こういう場合の人間は非情な残虐性を持ちうると思っていたので、本作にリアリティを感じ、それが冒頭に書いた視聴して良かったという気持ちにつながっています。{/netabare}

ツッコミコーナーとしては、サイコバスターが全然強そうな武器に見えなかったのと、覚を守るには単純に呪力で風を起こせば良かっただけでは?と思ったあたり。

また、キシ機構の仕組みが不明で、相手を殺してしまったら自分も死ぬみたいな説明でしたが、受けた側が死んだふりをしたらどうなるのか。奇狼丸が殺されたと見せかけて助かったらよかったのになと思いました(終盤、裏切りの疑惑を受けましたが、忠実で主人公たちに尽くしたキャラでしたから…)。{/netabare}

異世界アニメなどを気軽に見ていると、魔法や超能力が使える世界があったらいいなと夢を見てしまいますが、現実になればとんでもなく不幸の多い世界になると実感させてくれる物語。

序盤の脚本が丁寧で、作画とキャラデザが並みに良くて、同性愛描写がなければ、もっと評価された作品だったと思います。個人的な評価においても、世界観、ストーリー、キャラクター、情感でそれぞれ+1にはなったでしょう。それくらいのポテンシャルはある作品です。

(参考評価:3話3.1→5話3.2→6話3.3→7話3.5→8話3.4→10話3.5→12話3.6→19話3.7→25話3.9)
(視聴2018.10~2019.2)

投稿 : 2019/02/11
閲覧 : 440
サンキュー:

31

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