「プロメア(アニメ映画)」

総合得点
73.6
感想・評価
214
棚に入れた
1041
ランキング
982
★★★★☆ 3.8 (214)
物語
3.6
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

なばてあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

破砕されるクロソイド曲線

予想をはるかに超えた加速度と予想をはるかに超えた密度と予想をはるかに超えた物量で予想をすこしだけオーバーする表現を積み増した結果、予想どおりのエンターテイメントになっている。こう書くと辛口のように思われるかもしれないけれど、でも映画館で見て良かったとココロの底から思える作品でもある。

{netabare}「予想どおり」という評価は、おもに『キルラキル』を比較対象としている。あれを劇場版として煮詰めたらきっとこうなるだろうと思っていた範疇に寸分のくるいもなく収まった。あれだけダイナミックな表現をこれでもかと押し込めて、それで結果、着地がピタリというのもすごい。今石さんの才能は、逆説的に、対象をどこまでもコントローラブルに変換するスキルにあると思わせる。 {/netabare}

炎とか光のエフェクトがきわめて素朴かつ洗練されていて(語義矛盾)、素敵すぎる。背景美術の幾何学的処理もいちいちかっこ良くて、最近のフォトリアルな背景美術をもてはやす一部のアニメ好きに対するアンチとして断固支持したい。このふたつの点については文句なしで予想をはるかに超えていた。

言い換えると、そのプリミティブ感やジオメトリック感を、カロリーコントロールという消極的な理由で選択するのではなく、メディウムスペシフィックという積極的な理由で選択しているということで、そのモダニスティックな感性に、トリガー主義が強く匂う。もちろんイイ意味で。

最近流行の劇場版アニメにおけるフォトリアルな背景を賞賛する物言いは凡庸にすぎる。その文脈において、トリガーがトリガーらしくあってくれるこの作品が映画館にきちんとかけられるこの現在は、まだ捨てたものじゃないなあと思う。

衝撃:★★★★
独創:★★★
洗練:★★★★☆
機微:★☆
余韻:★★

投稿 : 2019/06/23
閲覧 : 230
サンキュー:

3

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