Progress さんの感想・評価

2.4
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態：観終わった

ルパン三世 霧のエリューシヴ 　レビュー

さて、今回はあらすじ等の引用は長いのでレビューの最後に書かせていただきました。

この作品を見ると、最近見た「セブンデイズ　ラプソディ」の評価を上げざるを得ないですね。
というのも、ちょっと本作に関しては、辛口になるからです。

まず、キャラクターデザイン。ルパン一味はしっかりとした個性があるのでひどい中でもまだ良いのですが、ゲストキャラクターが全員薄味。
味方となる女性キャラも、敵キャラも、どうにもモブキャラクターと大体変わらないデザインで、高級感（線が少なく繊細な美しさがなく、そして髪のツヤや、顔立ちの深さもない、服装の作りこみも感じられない）もない感じが残念。

次にストーリー。タイムマシンを扱っているために、どうしてもタイムパラドックスじゃないかと思うようなシーンもありますが、その辺については楽しむために触れないようにしました。
一つマイナスポイントを具体的に挙げるならば、敵のマモウというキャラが、タイムマシンを使って敵の先祖を消すことで敵が生まれなかったことにする、という攻撃をするのですが、ルパンがタイムマシンを奪い、女性キャラ（お不三）をマモウに人質に取られた時、なぜマモウ、またはマモウの先祖をルパンは消さなかったのか、などタイムパラドックス的矛盾点ではなく、行動的矛盾点が存在することによって、何とも言い難い茶番感があります。（しかもその後次元の射撃術であっさり解決）

そして声優。お不三（女性キャラ）の演技がどうにも慣れません。芸能人の起用でしたが、アニメ映画やディズニーでの芸能人の声優が自然に思える程の抑揚のなさが残念です。

そしてエンターテイメント的な演出について。思い出してもあまりここが良いという、会話シーンにおける環境の演出、人物・物・場所の煌びやかさや華やかさがなく、また細かな所作に魅力的な部分もなく、アクションに派手さのあるシーンが見られないのが一番残念である理由だと感じました。

さて、まとめですが、正直エンターテイメントとして何か特徴的な長所があるかといえば個人的にはあまり感じませんでしたね。本作品と比較して「セブンデイズ　ラプソディ」は、女性キャラの煌びやかさや華やかさ、悪役の癖の強さの意味、ルパン達、あるいは人々の生活感のような雰囲気作りがよくできておりその良さを再認識することになりました。

オススメはできませんが、ルパンシリーズの他作品のどこが優れているかを理解するための比較作品として見ると良いと思います。

TMSアニメ55周年公式チャンネル
配信ページより引用
【作品概要】
ルパン三世生誕40周年記念として制作された、2007年放送のTVスペシャルシリーズ第19弾。モンキー・パンチの故郷・北海道浜中町を舞台にタイムトラベラーとなったルパンたちと、とある恨みを晴らすため850年後からやってきた天才科学者・魔毛狂介の戦いを描く。あらゆる場面に伏線が張り巡らされた緻密な展開、一瞬たりとも目が離せない！

【あらすじ】
不二子のため"時を超える乗り物"の手がかりを探して北海道霧多布岬の海底に潜っていたルパンと次元。そこに銭形警部が北海道警を引き連れ現れた。逃げる途中、ルパンたちは道を走る車の運転手が消えたり、橋が消滅したりと不可解な現象を目撃する。導かれるようにして灯台に逃げたルパンたちは魔毛狂介という奇妙な男に出会うが、直後光に包まれ弓矢が飛び交う500年前の世界へと飛ばされてしまう。

【声の出演/CAST】
ルパン三世：栗田貫一／次元大介：小林清志／石川五ェ門：井上真樹夫／峰不二子：増山江威子／銭形警部：納谷悟朗／魔毛狂介：中村獅童／お不三：関根麻里／イセカ：桑島法子／エシカ：石田彰／ハサマ：世古陽丸 ほか

【スタッフ/STAFF】
原作：モンキー・パンチ／監督：増田敏彦／脚本：福嶋幸典、山田由香／音楽：大野雄二／キャラクターデザイン・作画監督：平山智／演出：池添隆博／美術監督：菅原清二