「神様になった日(TVアニメ動画)」

総合得点
74.5
感想・評価
750
棚に入れた
2211
ランキング
882
★★★★☆ 3.4 (750)
物語
2.9
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.7
キャラ
3.2

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ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

つっまらねぇなぁ、と思える幸せ

【12話(最終話)まで見て】を追加

【4話 麻雀回まで見て】
この回まで見て
つっまらねぇなあ
と思える幸せ。

見る人が見たら身につまされすぎて辛くなりそう。

リミットをリミットと理解せず
チャンスをチャンスと理解せず
選択肢を選択肢と理解せず
数多に与えられたそれらを、何かをなすという強い意志があるわけでもなく、
無意に過ごし、棒に振り続けていく青春。

どうしようもないほどのくだらないギャグで分厚く分厚く包み込まれたこの核。

大病を患い、リミットを突きつけられた瞬間もあったであろう麻枝准。
分厚い包み紙が剥がされ核が顕になるその時を楽しみにしながら
つっまらねぇなぁ
と、見ていこう、と思う。


余談
東村アキコ かくかくしかじか
{netabare}東村アキコの自伝的漫画。
幼少期から絵が上手いと持て囃された作者は高校3年にして漫画家になるために
美大を目指すこととする。
私なら楽勝っしょー、とお気楽に考えていた作者だったが、友人の紹介で入った
美術教室で強烈な出会いをすることとなる。
という出だしの漫画。
私も5巻中4巻までしか読んでないが、本作と同様に強烈な話である。
ギャグにしてあるからまだ読める、みたいな。
もしお時間があればご一読を。{/netabare}


【8話まで見て】妄想する体力が無いので
ラグナロク、神々の黄昏、終末戦争
オーディン、ラグナロクにてフェンリルに飲み込まれる結末
ラグナロク後にオーディンの子らが新たな世界の神となる

この辺を絡めて考察(妄想)するのがオリジナルアニメの醍醐味の
一つだとは思う。
前作のシャーロットはそれで随分と楽しませてもらった。
だけど、今はその体力がないので物語を流れるままに楽しんでいる。

{netabare}ここまで神を自称する少女の神託により動いてきた少年。

ここにきて、やっと、自らの意思でやりたいことをやった。

それが神を自称する少女、ひなのことを知りたい。
それが神を自称する少女、ひなのなにか役に立ちたい。

ボーイ・ミーツ・ガール。
主人公の意思が変わったときが物語の動き始め。
そして、物語を動かすと同時に不穏な締め方。

巧いとは思うが、結局は
・病気
・バイクで事故
・バスケ
とかいままで麻枝准がやってきたことだなー、って感覚。
正直、伏線張ったり云々よりも、音楽と離別で泣かしたれ!って
人なので、まったりと見ているくらいでいい感じなのかな、
と思っている。{/netabare}

【9話まで見て 丁寧な作りではあると思う】
脱モラトリアム期間
自己の確立
青春モノとしてやるべきことは非常に丁寧にやっていると思う。

{netabare}9話ラストの修道服のベールが取れて、一人の女の子になって、好きだと
気付くとかも、うまいなー、って思いながら見てた。

本作放送前の特番で見たんだか、何だかのネット記事で読んだんだか
忘れたが、麻枝准はこんな感じの事を言っていた。
「前の作品では歌だなんだと色々と詰め込もうとしすぎていた
 今作ではKeyの、自分の原点である 泣き 一本でいく」

余分なものを削ぎ落とした結果、今までの作品では4~6話で終わら
せていた1ヒロンエピソードを12話に引き伸ばされ、薄められて
しまった感じ。
そうは言っても、
Key作品はラスト1、2話のための助走が長すぎる
っていう印象だから、ある種の原点回帰なのか。

この世界が終わる日には あの旋律を口ずさんだ
か。
OP歌詞から色んな想像妄想出来るけど、あえてやらずに、締めの
『泣き』を期待しよう。{/netabare}

【10話見て 曲とピアノとOP歌詞と】
ここまで書いているように
脱モラトリアムと自己の確立
を描く作品。
モラトリアムを描かないといけないから物語は動かせず。
8話かけて物語を動かさず、9、10話で一気に話を動かした。
あとはひなとの関係を描くことで自分の出来ることを見いだし自己確立。

{netabare}主人公を怒らせるべきだったような。
央人に散々煽られて、理不尽だと分かりつつも央人に怒鳴り散らして、
「やっとソレに気付いてくれたか・・・遅いよ・・・」
でひなの真実や現状を話す、でも良かったような。

央人のやらなかった
『曲とピアノ』
これが最後の鍵になりそう。
9話レビューでOP歌詞に少し触れたが、
  この世界が終わる日には あの旋律を口ずさんだ
  この世界が終わる日には あの旋律をまた聴かせて
と2回「あの旋律」という歌詞が出てくる。
OP歌詞が作品内容のまんまってのは麻枝准の得意芸。
というか、シャーロットはまんま過ぎて ヒくなっ! だったが・・・
陽太、伊座並さんにひな作曲のあの曲を習って、ひなに聴かせる、みたいな
感じか。
シャーロットでもそんなエピソードがあったなあ、そういえば。{/netabare}

【11話見て OP歌詞から読む最終話】
予想想像歌詞からの読みはやらん
と思ってたんだが、やってしまうのも人の性。
{netabare}
◎1番の歌詞は陽太の気持ち

・きみと同じ ~ 美しいか
 10話以降の状況。ひなと共にいれるか不安。

・知らないまま ~ あるけど
 ひなの過去やひなの秘密に関して。
 のんべんだらりんと温かい家庭で普通に過ごしてきた主人公にとって
 ひなの状況はあまりに過酷だった。

・研ぎ澄ませ ~ 続く道
 ひなとの意思疎通に対する困難。どうにかしようと足掻く姿。

・眩しさに ~ 追いかけた
 上記を打破する手段として共に過ごした足跡を思い浮かべる。

・この世界が ~ 口ずさんだ
・きみすら ~ 待っていて
 おそらくオチ


◎2番の歌詞はひなの気持ち。

・きみと同じ ~ 贅沢かな
 主人公と共に居たいという願望。海=世界。

・人間なんて ~ いいところ
 エゴに関して。何かをしてあげたいという思いは時にエゴになる。

・空を見て ~ 切り開け
 歌詞のまんま?状況に対して適切な判断をしろ?

・秘められた ~ ここに集う
 サーキット=回路。ひなの状況。

・流れる ~ 知った
 運命、自分の結末を知ってしまった絶望

・全能 ~ 願った
 摘出手術に関してのひなの気持ち

◎大サビ 陽太とひなの気持ち両方
・生まれてきた ~ ただそれだけ
 陽太とひなの気持ちそのまんま

◎ラスサビ 陽太とひなの気持ち交代で
・眩しさに ~ 追いかけた
 陽太の気持ち。同1番

・この世界が ~ また聴かせて
 ひなの気持ち。おそらくオチ。

・きみすら ~ ならないで
 陽太の気持ち。おそらくオチ。

・鼓動が ~ 祈った
 陽太とひなの気持ち両方。おそらくオチ。


これらから想像する締め方。
陽太のひなの2人の物語として着地させる。

11話の締めかたからすると、陽太は施設を追われることになりそう。
最後に面会を、で何気に口ずさんだ2話のピアノ曲にひなが反応。
ピアノを弾いて聞かせることに。
しかし、聴かせてる途中でひなの様態急変。
意識が薄弱としていく中で口をパクパクさせるひな。
陽太が耳を近づけると
「よう、た・・・す・・・」
と陽太のことを思い出してくれるが絶命。
「ひなーっ!」
微笑みを浮かべるひなを抱きしめて絶叫。

十数年後。
陽太は央人と共に量子コンピュータの研究開発運用の第一人者となる。
それを障害を持っている子供へのサポートシステムとして活用する。
システム名はHINA。
障害を持つ子供の親から神とも崇められる存在となった陽太。
そして、その傍らには、ひなに埋め込まれていた量子コンピュータ。


ボーイ・ミーツ・ガール。
モラトリアムからの脱却、自己の確立。

・2話での伊座並さんにした曲の説明から切ない終わりになることは確定
・歌詞の「神話にならないで」
から、ひなは病に勝てず死ぬのかな、と。
最後に思い出して貰えた、というのが陽太にとっての光。
その出会いと死を活かした自己確立となるとここが一番の落ち着きどころ?
でも、その傍らにあるのはひなという人格を形成していた量子コンピュータ
ってオチはなかなかにキツいものでもありそう。

はてさて。
どんな締め方してくれますやら。{/netabare}

【12話(最終話)まで見て 答え合わせと総括と】
11話まで見た時点でOPから最終話の予想をしてみたわけですが、
{netabare}欠片も当たってませんね~
たはーっ・・・
物語の根幹である
・脱モラトリアム
・自己の確立
の入り口出口まで、で終わるとは思わなかった。
まぁ、冷静に考えたらそうだよねえ。
麻枝准作品で、ここまで描いてきたものの伏線を活かした締めをするわけが
ないんだから、将来までは描かないか。


総括して
正直、つまらなかったです。
でも、4話まで見て、で書いたとおり。
つまらないと思える幸せです。
実にくだらない、と思える幸せです。
何も活かせず、何も気づかずにいるモラトリアムな彼にイライラしたり
するようなこともありませんでした。

唯一、面白いと思えたのは陽太の心の移り変わりですね。
伊座並 > ひな へ気持ちが移ったリアルさ、ですか。

伊座並とは幼馴染ながらも特段の関係も築かないまま来た。
ところが伊座並は成長するにつれてその容姿から他人から興味を惹かれる
存在となる。
あれ、このままでは伊座並との関係が続かなくなる・・・
伊座並はいずれ誰かのものに・・・
で関係を維持しようと勉強に誘うようになる。
ところが、そこにひなが現れた。
何やら色々と言い当てる少女。
彼女に言われたとおりにすると、自分でない自分、自分一人では出来なかった
自分と出会うことが出来る。
で、5話で伊座並家の問題解決のお手伝いを出来た。
伊座並さんにとても感謝されてる。
伊座並さんをモノにするちゃーんす!
でも、そこで気がつく。
あれ?そもそも伊座並さんが好きだったの?
自分じゃない自分に気づかせてくれるひなと共にいたほうがいいんじゃないの?
で、
「インチキしているみたいで」
という言い訳で伊座並に告白せず。
「あれ?ホッとしてる」
とひなを茶化すように言うが、ホントは自分が一番ホッとしている。
で、色々とあってひなの存在が大きくなっていき、無理矢理に関係を終わらせ
られそうになったところで告白。

この陽太のグダグダっぷり。
いいです。


ホントはね、色々文句を言いたいんですよ。
10話でなんでもっと陽太を堕とさなかったんだ
とか
不幸を知らぬお気楽ほのぼの野郎が色々可哀想な女の子に同情してるだけに
見えるよねー
とか
お父さんお母さんがひなのじいちゃんの教え子って設定をもっと活かせよ
とか
央人をもっと活かせよ
とか
ピアノとか曲ってなんだったんだよ
とか。

でも、キリがないのでこのへんで。

最後に。
よくよく分かったのは
結局、麻枝准の作るお話の限界ってこの程度だったんだな、
と再確認出来た、と。{/netabare}

投稿 : 2021/01/07
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サンキュー:

7

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