ウェスタンガール さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
燃えたぎれ、KAIJU魂!
私にとって、円谷プロと東宝の黄昏は、それこそ半世紀に渡る日本のSFに対する幻滅の歴史であった。
子供の眼から見ても、余りにお粗末な特撮と陳腐なストーリー、繰り返されるハリウッド映画の二番煎じを前に、何度心が折れたことか(涙)。
そう、ロマンの灯は、海溝の底に沈みこむ日本列島が如く、太平洋プレートの辺境についえたはずであった。
そんな時、突然現れたのが“KAIJU”であり、降下猟兵であるイエーガーのド派手なバトルであった。
対流するマントルにの中で蓄えられた想いは、所を変え、サンアンドレアス断層を揺るがす地鳴りの如く、パシフィック・リム、環太平洋の反対側から湧き上がるのである。
そして今、独立独歩、唯一命脈を保ち続けてきた頼みの綱、日本アニメの力が試されようとしている。
DCコミックスの映画化で名を馳せたレジェンダリー・ピクチャーズと“シドニアの騎士”のポリゴン・ピクチュアズがタッグを組むだけでもテンションが上がるというものだ。
ただ、シーズン1を観る限り、キャラの弱さは否めない。
加えて、バットマンやスーパーマン張りのダークさを表に出した展開が少し重く、“暗黒の大陸”という副題そのままに、陰鬱な空気を感じるかもしれない。
だからと言って面白くないかと言えば、そんなことは無く、ウルトラマンではないが、怪獣に対する思い入れを込めたエピも含め、良く練られた設定と展開は好ましい。
なかなか良い作品であることは確かで、シーズン2への期待も高まるのである。
あと、同じく配信中の“ラブ・デス&ロボット”、さすがエミー賞を取った作品で、とても面白いSF短編集である。
なぜ“あにこれ”に入っていないのかな?