「Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)」

総合得点
85.5
感想・評価
766
棚に入れた
2487
ランキング
235
★★★★☆ 4.0 (766)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 1.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

想いを伝えられるのは言葉だけじゃないよ。

遠い未来に起きるAI暴走を止めるため、ターニングポイントとなった出来事を未然に防ぐべく奮闘する歌姫AIの話。

SFやタイムリープ関連の設定は表面的でこだわりが感じられないので、フィクションと割り切って細かいことを気にせずに視聴したほうがいいかも。

先に良いところから挙げていきます。
基本的にシナリオ以外にはまったく文句ないです。
まず見どころして挙げられるのは戦闘シーン。
人間ではないという利点を生かし、とても動きが軽やかで流れるような攻撃が心地よく、戦闘シーンはなかなか良かった。

主人公が歌姫なだけあって楽曲はどれも美しい曲ばかりで、EDへの入り方が絶妙だった回もいくつかあった。微妙な回もあるが。
特にお気に入りはOPと挿入歌のEnsemble for Polaris。
アンサンブルは合唱とか合奏、ポラリスは現在の北極星のことですね。
4話で流れるensemble for polarisはなかなか良かったです。
どちらも素晴らしい曲でした。

AIと人間の戦争を止める過程で、色々なアンドロイドと出会うViVy。
彼らは、たった一つの使命のために何が必要なことなのか考え、最善と思われる選択をして必死に使命を果たそうとする。
彼らの生きざまを、所詮プログラムだと断じるのか、それとも「心がある」と認めるのか。
Vivyは「心がわからない」と言ったが、他のアンドロイド達の不憫な生きざまに心を痛め、命の危機に陥った人間を助けたいと願うその姿に心はないと言い切れるのか?

このアニメは心がないはずのアンドロイド達の活動記録を通じて、「心とは何か」を視聴者に問いかける意欲作だと思う。

演出はとても良かった。丁寧に作られている。。

だが、シナリオはかなり残念。

一応、ネタバレタグで閉じておきます。
{netabare}
中盤までは面白かったが、7話~10話あたりまでの柿谷とオフィーリア関連が今までの良さを台無しにする展開。そのせいで視聴当初に期待していた方向とは違う方向に行ってしまった。コンセプトがぶれてる気がする。

ここから下は上記の不満さえなければ別に気にしなかったのだが、、気にしてこなかった粗が気になるようになってしまいました。

SFとかAIとかタイムリープとか結構小難しいテーマをちょっとずつ扱っているが、どれも深いこだわりがないので結構適当なところが目立つ。
シナリオ中で、アンドロイドのことを何度も「AI」と呼んでいるが、まさかライターはAIとアンドロイドの区別がついていないのだろうか?
過去改変が未来に及ぼす影響も、バタフライ効果という言葉があるように、あれだけ大それた過去改変をしておいて、直接的な影響しかないわけがない。

あと、飛行機墜落事故について、あれは放置する必要あるか?
過去改変した以上、飛行機墜落を阻止しようが放置しようが、すでに演算が不可能なくらい未来は大きく変わるはず。
100年後を救うという壮大な目的の達成にはほぼ影響ないこと。
止めたいなら好きにさせとけばいいと思う。
それなのに、100年後に影響ありそうな部分への対処も割といい加減で、演算できていない。これだと、飛行機墜落を知りながらわざと見殺しにしたように見えてずっと引っかかっていた。
この時にマツモトの反対を押し切ってVivyが救った人々の子孫がのちに人類とAIの暴走を止めるきっかけになったという締め方でマツモトが心を入れ替える、という展開で良かったのでは?
{/netabare}

細かいことを気にしなけりゃ楽しめる作品だが、こだわりのない作品は名作にはなり得ない。惜しい。

テーマが似ている作品に{netabare} デカダンス {/netabare}が挙げられると思う。
もし興味を持ったかたはオススメの作品ですので是非ご視聴ください。

投稿 : 2021/06/24
閲覧 : 261
サンキュー:

53

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