螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価

3.0
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態：観終わった

最後辺りは良かった

作画や演出は作品によってかなりブレがあるJCの中でも高水準な部類。声優さんの演技も巧く、映像自体は高評価です。

しかし、原作に起因するストーリーが子供向けどころか子供騙し。
ストーリーは毎度展開が異常に早く、期待していると毎回のごとく梯子を外されました。深みや考察要素は皆無です。
しかも話を構成するほぼ全てがどこかで見たような設定のオンパレード。思い浮かんだところで言うと全体的にはONE PIECEやコブラ、一部の話でドラゴンボール、SAO辺りでしょうか。
キャラクターは外見は良いのですが、中身が伴ってない。
敵がほぼ、北斗のモヒカンやダイのフレイザードを著しく劣化させたような陳腐な悪役ばかりで魅力ゼロ。悪役らしい美学が無いのでモブにしか見えません。

唯一良かったのが中盤に出て来た風使いのジンくらいでしょうか。
他のキャラがふわふわしている中、彼は妹のために手段を選ばない点が強く一貫していて、この作品では数少ない自分の好きなキャラです。

この作品のキャラ付けは全体的に取って付けたようなものが多く、ここまで来ると鬱陶しいです。

悲壮感ありげな展開は多いですが、全ていかにも過ぎて嘘臭いのが致命的。ピーノがシビルに脚をもぎ取られる話やハーミットをマッドおじいちゃんが虐める話、最新話のラビリアとレベッカのくだりは単に胸糞悪かったです。
最新話のラビリアがレベッカにした最低最悪の仕打ちに関しては裏で何かあるかもしれないので、先が見えないこの段階でダメだと言うのは早計かもしれませんが、現状だと紅夫人の監視の目を盗むにしてもあそこまでする必要性を感じませんでした。

ちなみに私のラビリアの好感度に関して、あの話で地に落ちました。ブルーガーデンの話の時はなかなか小賢しくて好きなキャラだったのですが、本当にもったいないです。

全体的にこの作品は前作FAIRY TALEでも度々見られた作者の性癖が裏目に出て、そこが胸糞悪さやつまらなさに繋がっています。
服を溶かす泡とか鞭で服がはだけたりとかの無駄なエロも正直要らないです。
あからさまに少年向けなのに無駄な成人向け描写があり、ターゲット層が行方不明になっています。

私は真島先生の前作が好きなのでいつか面白くなると信じて観ているのですが、20話くらいまで観た現状でたんもしやスカネク、おさまけに並ぶ微妙なアニメです。
しかし、たんもしやおさまけと違ってネタにもならないので、スカネク同様にあまり話題に上がらないのも頷けます。

最終話まで観ました。
それなりに面白く纏まりました。最終回はかなり良かった印象。第二期がそこそこ楽しみになりましたね。