「RWBY 氷雪帝国アイスクイーンダム(TVアニメ動画)」

総合得点
62.9
感想・評価
126
棚に入れた
353
ランキング
4539
★★★★☆ 3.2 (126)
物語
2.7
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.1

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ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.0 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

馴染ませない

原作はおそらく有名
タイトル自体は以前から知ってるけど、作品に触れるのはこれが初めて
バトル×学園モノ、あとはチーム要素って感じなのかな?
全然土台の部分を説明しないからまだ理解がふわふわしてる

で、このアニメの出来について
戦闘シーンの見せ場を格好良くしたいって雰囲気はよく伝わる
ポイントに絞ってみると動きや顔が綺麗に見える
でも他は正直駄目かな…

{netabare}説明が足りないとかシナリオ的な問題じゃなく、分かりづらいカットが多すぎる
妙な遠景か顔面アップかの二択が多くて、何をどう見せたいのかがイマイチ分からない
動きは付いてるはずなのに、その動きがキャラの迫力に結びついてない
なんか動いてるなー、カットが切り替わってるなー、それだけ

あと、背景が全然キャラと馴染んでないせい
書き方も塗り方も違うせいで、キャラがその場にいる感じがない
全体としての完成度は雲泥だけど、「錆色のアーマ」に通じる違和感がある
仮に背景の主張を落してキャラに注目させる意図的な演出なら(上手く行ってないけど)別にいい
でも、同じ場所にいるのにたまにちゃんとキャラと馴染んだ背景もある
切り替わるたびに背景の質感が変わるせいで、この違和感がただの欠点になっている

シナリオに関しては(よく分からんし)ノーコメント
原作が日本のモノじゃないらしいし、シナリオの構成自体違うのかもだし
今のところ「神之塔」「ゴッドオブハイスクール」みたいな構成って印象
その場のキャラの活躍重視でシナリオに対する説明を半ば放棄するスタイルって感じ

曲に関してはED以外は良い
というかEDが駄目すぎて視聴後の印象が悪い
絶対に早見沙織さんには合わない曲じゃん…
音程的にも声質的にも不一致が酷くて、こんな曲提供したのは誰かとすぐ確認したくらい
凛として時雨の人だったのね

この人の曲自体は嫌いじゃない
でも、提供する相手に合わせずただ自分の色、自分の個性だけで作るのは駄目
「個性的な曲と歌声」で注目されてる人間が、その個性をそのまま他人に提供していいわけないでしょ
これなら当人らが歌った方が絶対に良いし、「本人のがマシ」って思わせる時点で作曲者としては論外

これをアニメ制作側のディレクションとして指示をしたのか、作曲者の意図なのかは分からない
でも、動きの分かりづらさ、背景に対するこだわりの薄さと合わせて考えると制作体制に問題がありそう
つーか曲単体の出来としてもこのアニメと合ってねーし、明らかに発注の仕方に問題があるわ
{/netabare}

一応続きを見ようとは思う
ただし期待値はかなり低い
アクションシーンのこだわりは感じるので、それに釣り合うくらい他も整えてほしいな


3話視聴
{netabare}4話に向けての前振り回、なのはいいけど前振りすら出来てねーじゃん
話がどう進んでいて、どういう流れにしたいかがほぼ描けてない

寄生されてるらしいカット自体は以前から見せられてるからそれはいい
でも、ソイツに囚われた男キャラを救出する流れが雑すぎでしょ
チーム結成して次の回のAパートだよ?そんな段階で「仲間を常に気遣ういいチーム」って何?
どれだけの時間が経過してどれだけの交流があって救出にどれだけのリスクがあるかも曖昧
あらゆる要素が曖昧なせいで、イベントノルマを適当に消化したような薄さになってる

本来こういう描写をするならちゃんとチーム単位の絡みを掘り下げるべきでしょ
そしてそういう掘り下げをするならメインのチームを優先すべきでしょ
なにをどうトチ狂ったら序盤に、しかもサブのチーム、それも作中にない絆を感じ取ってやらなきゃならんのか

こんな無理のある処理をするならジ…なんとか君のチーム描写自体いらなくない?
この3話をちゃんとメインキャラのチームに使って、ちゃんと心情を描いて4話にしたほうがいいでしょ
というより3話Bパートの流れはあんな短く処理していい問題じゃないよね?
キャラ設定の披露とイベント消化を無理に終わらせた感じが強くて、場面も心情も飛び飛びになってるじゃん
話数足りないのか、そもそも原作でやった流れをカットしてるのか知らないけど単体の脚本として駄目

何よりキツいのがラストのアクションをカットしたこと
「話はわけわかんねーけどアクションはマシ」が現状一番の見どころなのに、そこをカットしたら駄目よ
獣人の子が行動を起こしたはずなのに次のシーンは謎の女の子の戦闘だし、時間をふっ飛ばすのも大概にしてほしい
話の展開が飛び飛びで、そのせいでキャラの活躍がなくなって、オマケにアクションも目減りってほんと…

それにAパートの授業で見せた戦いも、1話2話と動きが一緒じゃん?
どんだけ動こうがジャンプして勢いよく攻撃!って流れが変わらんからもう退屈なんだけど
これアクションのこだわりももしかして薄い?
{/netabare}

寄生体の前振りは前話でやってるからここでやる意味なし
無駄な尺を不要な別チーム描写に割いたからメインがおざなり
戦闘ノルマは前半で消化したからと後半はカット
人だけ揃えても出来たものがコレじゃどうしようもないな


4話視聴
{netabare}一言で片付けると「制作陣の脳内妄想」

これはアニメのスケールにおさまるような物語じゃないわ
だってシナリオ失格だし小道具もしょっぺーもん
たまたま見かけたRWBYって題材使って二次創作作りたい!なーんて思いつきでやったレベル
同人として細々やるならいいんじゃない?とは思うけど、TVアニメとしては論外

一番問題なのは、人間関係がもう支離滅裂なこと
1話では赤の他人、
2話で印象の悪い初対面、
3話は罵り合いの後妥協はしたけど友好関係にはない、
そして4話は「私自分のことばっかり…もっと気にかけてたら…」

オメーらこの3話と4話の空白期間になにチームの絆深めてんだと
前回も書いたけど、そういう部分こそちゃんと本編で描け
「放送が一週間開いてるから」それなりに仲良くなる時間もあるはず、なんてアホな話があるかよ
なんでチームの交流って大事な要素を放ったらかしにしてイベントだけ進行してんだよ

あからさまに不仲だった獣人が謎の後悔を抱いてる反面、ルビーは精神世界で不信感を持ってるしさぁ…
なーんで2話で連携して、3話で表面上歩み寄りをみせた2人は疑念を抱きっぱなしなんだよ
つーかルビーが疑念を払拭できないってことはやっぱ作中の時間もそんな経ってねーわけじゃん?
てことは獣人ちゃんが白髪ちゃんの状態に責任を感じる流れ自体がおかしいだろ

で、先生だか医者だかよー分からん人から「この世界の言動に惑わされるな」って聞いたわけじゃん?
なんで電話を終えた直後にこの話忘れてしょっぱいギスりになるわけ?
罵り合いをしたあとに電話をして、そこでアドバイスを受ける流れのが絶対に自然でしょ…

まぁルビーって基本的に直情的だから、ナイトメアの世界を真に受けるのも分かる
でも、アドバイスを受けた直後にこのリアクションは直情どころかただの鳥頭でしかないじゃん

トラブルのためのトラブル、イベントのためのイベント、みたいな考えなしの展開が多すぎる
これ書いてる時ライターは酔っ払ってて直前に書いた台詞忘れてたんじゃねーの?
シラフでこんな展開作れるならある意味鳥肌モノだわ

あと、どうでもいいとこだけど川の例え全然成立してねーから
なんか上手いこと言わそうと思ったんだろうけど、話がズレすぎてて最後の直接的なアドバイス以外無意味
ほんっっっっとに人物描写も台詞回しもド下手すぎて論外もいいとこ

あと、演出はいい加減クドい
まどマギや物語シリーズみたいな雰囲気が半端にでててもう食傷
つーか「以心伝心」なんて漢字で書くなよ
あの世界観にも、あの先生の容姿にもアジアンテイストなんざねーからただ浮いてんだよ
シャフトはいい加減「ぼくたちのセンスこそオシャレの極み!最先端!」みたいなノリが寒い
その割に気を遣わない場面はひたすら凡庸だから自己満足にしか見えないんだよ
{/netabare}

とにかく不出来
これを1つのアニメ脚本、映像作品と言える度胸だけはご立派だと思う


最終話視聴
コロナで体調を崩してからしばらくアニメ視聴のモチベが落ちてたけどようやく視聴終了
マジでキツかった…身体じゃなくてアニメの出来が

{netabare}
とりあえず最初に言う事としては、やっぱこの話って一本の作品として成立してないよね?ってこと
やりたいこと自体はシンプルで、「夢の中でワイスの心を知って絆を深める」というもの
幼い頃の想いや、家名を背負う重圧などワイスの掘り下げを丁寧にやった感じ
ただし、それが成立するのは「現実での」チームの描写がある場合のこと

描写不足な要素のほぼ全てを原作に依存した展開のため、単体のアニメ作品になっていない
ハッキリ言ってしまうと、責任の全てを原作におっ被せて好き勝手した甘えた作品
「ここがおかしい」「ここは何なの?」を「原作に聞け」と丸投げしている箇所があまりに多い
批判の全てを原作をスケープゴートに躱せんだから、脚本作るの楽だろうね

スピンオフなんだから、そりゃあ原作読まなきゃ分からないことはあって当然ではある
{netabare}でも、ワイスの掘り下げをしてるはずなのにワイス周辺の事情すら描かないのは駄目

ワイスがどんな境遇にあって、
実家のカンパニーがどんな規模で、
ファウナスへの迫害にどのように関与していて、
というかファウナスがどんな迫害を受けていて、
そこにワイスがどう感じていて、
その感情がブレイクと出会ってどう変化したのか

この辺りが全然ないからクライマックスでワイスとブレイクが舌戦していても「へー」としか思えない
つーか迫害に対する諸々があの場面でようやく語られるって描写不足どころかシナリオとして下手
まさか3話Bパートの5分とない仲違いだけで全て語った気になってたの?
尺の配分が酷すぎて、せっかく時間かけて描いた夢の世界にすら説得力がなくなっている

「現実世界でのワイスの言動の真意を夢の世界で理解する」という構成上のギミックが、
現実世界の描写をしている比重が小さすぎて機能しきれてない場面が多い
もしかしたら「原作を見れば」そういう描写不足を解消できるかもしれない
でも、繰り返しになるけど原作に寄り掛からないと成立しないならシナリオ失格なわけよ
「ワイスの心を知る物語」としてちゃんと成立させたいなら最低限の筋道は作るべき
{/netabare}

ここまではワイスとブレイクを取り巻く世界観的な部分をメインにしたけど、ルビーとの関係も問題がある
{netabare}ワイスがルビーに向けている感情というか信頼が、なんか変に大きすぎるというか…
ワイスが実際には甘えたがりとか、仲のいい姉妹関係に憧れてたとかは語られている
そういう、表に出せない信頼や憧れを描くのは好きな場面ではある
ただ、ルビーは割と一貫してワイスへの不信感を持ってるから変な感じになってる
なんかワイスがあまりに一方通行的で、道化みたいな印象に見えてしまう

4話の感想でも書いたけど、ルビーとブレイクの感情がチグハグすぎるんだよね
ブレイクはワイスを結構理解して信用してるのに、直接的な絡みの多いルビーは一歩引いてる感じ
年齢の違いによる折り合いの付け方とか相手への理解力の違いかな?はとは思うけど、
この辺りは半端に描写されてるせいで説得力が逆に薄れてる変なポイント
ひょっとしたらここも「原作を見れば」分かるのかな?
じゃあシナリオの作り方も原作から学べばよかったのにね
{/netabare}

それと、細々したとこだけど不要なキャラ多いよね
{netabare}原作に登場するキャラをだしたい!って気持ちは分かるけど、サブキャラチームはやっぱ要らん
ジなんとかってキャラは唯一活躍してたけど、あのキャラの活躍って実のところ必要ない
囚われたルビーを助けて、その後の逆転のキッカケになってはいる
でも、ナイトメアの倒し方は先生が事前に伝えるだけでいいから、ルビーが囚われる流れ自体要らない

というか先生はナイトメア退治で力を成長させてんだから倒し方も知ってるはずでしょ
なんであの人倒し方教えずに潜らせて失敗させてんの?
退治のための作戦も全て生徒に投げてるし、有能なはずなのに酸素ボンベ程度のことしかしてない感じ

それに何の意味があるのか分からない挿入歌キャラとか、
存在感ないまま夢の中で操られてたモブ2人とか、
キャラ数だけならそこまで多くないのに、半端に登場しただけのキャラが多い

更に言えばメインキャラのはずのヤンが存在感薄すぎじゃない?
ワイスとの絡みがないから仕方ないのかもだけど、4人しかいないメインキャラで持て余すってさぁ…
夢を通してチームの絆を深めることが主題なのに、肝心のチームキャラが不要ってマジでどうしようもない
「ヤンの活躍は原作を見てね!」ってか?…もういい加減言葉もない
{/netabare}

シナリオ全般に渡って酷いからここまででも長くなったけど、こっから演出と作画
{netabare}会話中の棒立ちとか、時間が止まったような場面が目立つ
もちろん現実での会話とか戦闘前のシーンなら気にならない

でも、
戦闘をしている最中に敵味方の攻撃が止まって味方同士の相談をしたりとか、
本拠地に向けて急ぐ道中で立ち止まって独り言をぶつぶつ言い出すとか、
敵の触手に囲まれてみんなピンチ!な状態で1話まるごと触手が攻撃してこないとか、
流動的に状況が変化する場面なのに時が止まってしまいアクションの見応えが目減りしている
「攻撃を避けながら相談する」「走りながら内心で独白する」くらいすりゃいいのに…

多分脚本で上がってきた台詞をそのまま使ってるのかな?
「この台詞を動きながら言わせると次の場面に行っちゃう」とか考えた末の棒立ちなのかも
そんなこと工夫するなら台詞を多少短く切るとかしてほしい
監督がその辺りをチェックして手直しするだけでスマートな場面はもっと増えたと思う

そういう工夫のない棒立ちのシーンと、画面分割を多用したオシャレ風の演出のギャップがキツい
全部が平易な演出で進んでいるなら、まだある程度受け入れられたと思う
半端に演出手法をこだわったせいで、気合い入れた場面と平場との差が目立っている
その差は平易な画面をより悪く見せるし、気合の入った場面を冗長に見せてしまう
{/netabare}

というか「シャフトらしい」演出ってこの作品だとやっぱ微妙だなって
{netabare}物語シリーズみたいに映像化の難しい作品に対してアート的な試みで表現するのは正解だと思う
まどマギのように日常と魔女の空間とのギャップを強烈に押し出すのも正しい

でも、この作品はかなりエンタメに寄った作品だと思う
個性的な武器と個性的な能力を使ったバトルアクションっていう土台と演出が合致してない
夢の世界の不穏さを描く効果としては役立ってるけど、現実描写が薄すぎてギャップが弱い
言い方は悪いけど「アート齧れしただけ」みたいな状態
本来あるべき魅力と別の方向に走った感じ
{/netabare}

最終話に関しちゃノーコメント
アレやるくらいなら4話の手前にチームの交流を描く話を差し込めばよかったのにって程度
そのくらい言うべきことも積み重ねも魅力もない
{/netabare}

総評としては、たまたま豪華声優陣が揃っちゃっただけの不出来な二次創作
原作を見て、
原作の大ファンで、
原作に描かれたことなら何でも思い出せて、
脳内補完を全て行えて、
解釈違いを許容出来る
ここまでの条件が揃っているなら楽しめるんじゃないかな
単品として楽しむのはかなり厳しい作品だった

投稿 : 2022/10/22
閲覧 : 255
サンキュー:

6

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