「オーバーロードIV(TVアニメ動画)」

総合得点
77.4
感想・評価
376
棚に入れた
1446
ランキング
613
★★★★☆ 3.8 (376)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自国のためなら他国の者を虐殺するのは当然

おなじみ異世界ダークファンタジー。
最強すぎる主人公陣営のキャラクターたちが魅力。
「俺ツエ―!」どころじゃない「俺達ツエェェェェ!!」である。
ここまで付き合ってきたファンにとっては、エンタメ作品として抜群の安定感に映えていることだろう。

1期~2&3期~4期とそれぞれ間が3年開いてしまったことで、通常なら内容を忘れるところだが、放送前にこれまでの総集編となる劇場版をYoutubeで無料放送してくれたのが幸いした。
2015年の1期以降、思えばこれほど長い間テンションを保ち続けて付き合えているラノベ作品は本作だけかもしれない。
2018年の2期&3期は、冗長なストーリー展開と安上がりな作画が若干批判を受けた。
個人的にはシリーズの評価が著しく下がったわけではないが、圧倒的間違いない素材が活かしきれてないとの印象も受けた前作だった。

そんな思いを抱きずつ始まった第4期のレビュー。
まず見終えて思ったことは、主人公のアインズはダークヒーローなどではないということを改めて認知。
1期は結果的に「弱きものの味方」のように映っただけで、元人間でありながら精神をアンデットに引きずられている彼には人間に対する慈悲は殆ど無い。
2期以降は相手が善人であろうと自分たちに歯向かうものは容赦なく殺害する。歯向かわずとも邪魔になるもの、見せしめとなるものは皆殺しにする。

もはやダークヒーローではなく完全なる悪。
勧善懲悪のカタルシスどころかシナリオ展開によっては嫌悪感すら抱く。
この事実に拒否反応を示した視聴者も多いことだが、ここはもうそういった悪の主人公を描いた作品であると受け入れるか、それが無理なら視聴を切るしかない。

終盤、ナザリックの栄華のために、国民もろとも滅ぼされることになるリ・エスティーゼ王国。
交渉の過程でアインズは「自国のためなら他国の者を虐殺するのは当然」と語る。
それは現代の世界情勢、人類と戦争の歴史に繋がる話。
結局、王国は老若男女問わず全員命を奪われ、1期から登場した思い入れのあるキャラも戦死。
瓦礫と化した王国を背景に「満足しているよ」というアインズの台詞でアニメが締めくくられた。
主人公陣営の圧倒的強さにに狼狽させられる現地人側の視点を描くことが特徴の本シリーズにとっては、ある意味でこの上ないバッドエンドだ。

王国の末路を考えると、被害が起こる前に属国化を願い出たバハルス帝国は結果的にラッキーだった。
最初は余裕綽々だったジルクニフ皇帝が、アインズに対する恐怖で次第に壊れていく様は痛快であり、4期序盤の立役者は彼だったかなあと思う。
登場時はナザリックに蹂躙される役と思われたジルクニフが生き残り、逆になんとか生き残ろうと必死だった王国側が全員殺されてしまうのは予想外の展開だった。

ちなみに今度公開される劇場版の「聖王国編」は4期内のドワーフ編と王国侵攻の合間の出来事とのこと。
原作組によると残虐に全振りしたシナリオとのことで、TVアニメでは表現出来ないような描写もやった方が良いのではないか。
どうせ劇場まで見にいくファンは、本作が勧善懲悪を描く作品ではないことを理解した層なんだから、この際やれるとこまでやってほしい。

さて、本作に出会ってもう7年が経とうとしてることを思うと感慨深い。
しかしながら、あと数年以内には作品を完結してして欲しいと思うのは自分だけではないだろう。
最後まで付き合えるファンを1人でも多くするためにも。
原作者様には納得のいくシナリオのまとめを、アニメ制作会社様は原作完結次第早急なアニメ化を、それぞれお願いしたいと思う。

投稿 : 2022/10/08
閲覧 : 117
サンキュー:

7

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