「ブルーロック(TVアニメ動画)」

総合得点
75.5
感想・評価
287
棚に入れた
863
ランキング
784
★★★★☆ 3.9 (287)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

ネムりん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

原作累計発行部数3000万部突破!ダークホースから覇権へ

□第23・24話、総評

長くなると読みづらいので簡潔に書くと、
物語のジャンルはプレーヤーが経験を通して成長するサッカーバトルが主の群像劇。

メインの登場人物にそれぞれテーマがあり、千切は"滾り"・"自我を取り戻す"、凪は "好奇心"の探求、潔はダイレクトボレー、ステップワークなどの"テクニック"と"アンティシペーション"(予測力)の習得、馬狼は"エゴイストの拘り" 、蜂楽はサッカー人として最も大切な原点回帰、"サッカーを純粋に楽しむ"こと。
これらストーリーラインが交錯してストライカーの必要条件となって物語を構成してました。

そして、サッカーは脳から最も離れた位置でボールを取り扱うためイレギュラーが起こりやすい、他競技に比べ1点の重みが大きいなどの理由により運の要素に左右されやすいスポーツと言われますが、最後に勝敗を分けたのはその運でした。

作中の鳥の糞の話で、人が道を歩いて糞に当たる確率は423万分の1と言われますが、鳥の群衆に近づけばその確率を上げられるように、アクションを起こして適切なポジション取りをした者のみが僅かでも運の恩恵を受けられる。
基本的な内容ですが、サッカーの本質とは何かを考えさせる模範となるパートでした。

サッカー作品は花形ポジションをメインに触れることが多いですが、ブルーロックはサッカーの基本部分を忠実に表現していました。
各話単体ごとのプレーシーンやテーマ性を見てもかなり高いレベルで制作されていて、実直な作品作りへの姿勢がとても伝わってきた。

物語の評価5.0点はほとんど付けないですが、ブルーロックを高く評価できたのは、他作品にはない「ベーシック」なものを持っていたことが理由です。

今までにないサッカーアニメを作りたい、随所に制作スタッフの熱意が感じられた作品内容でした。


4/19公開予定の『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-(エピソードなぎ)』 及びテレビ制作2期に期待。
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□第22話 声

▩物語 4.5点→5.0点

「覚醒」とは、思考と経験の蓄積の上に起こるパズル。

失敗と試行錯誤を重ね、それでも勝とうと極限に立ち向かう時、バラバラだった成功へのピースが噛み合ってエゴは開花する。
つまり覚醒とは自己を学習する瞬間であり、常に極限状態でのみ起こる代物。
例えば自分より強大な敵と相対した時、弱者は己の能力を集約させることで勝つための新たな方程式を発明する(絵心甚八)。

原点であるフリースタイルから遠ざかり、叶えるためにあったはずの夢が、いつの間にか追うことが目的にすり替わっていた蜂楽のサッカーへの存在理由。
己をごまかし続ける夢の亡霊にすがったまま孤独なサッカーを楽しむ単純なことを忘れ、サッカーする理由を履き違えていたことに気付き、探していた怪物の呪いを解くため覚醒して自分自身が怪物になることを決意する。

「戦え!没頭しろ!情熱は俺の中にある。お前じゃない、俺が怪物になるんだ。・・・奪り戻せ!”ひとりぼっちのサッカー”を!!それが俺を解き放つ初期衝動(はじまりのエゴ)だ!!!」

自分の「声」を信じてひとりぼっちのサッカーを奪り戻すために潔達、怪物の存在と決別して自身のエゴを取り戻す蜂楽。

大切なものほど近くにあり、当たり前のようにそこにあることを理解し、サッカーを純粋に楽しむため原点に立ち戻る。

ボールと一つになることが全てで、怪物に頼るための負けない理由を怪物となってサッカーを楽しむ理由に変えることが蜂楽にとっての覚醒。

そして蜂楽が覚醒して這い上がってくることを信じ、シュートブロックした潔の完璧な読みの展開。

物語・作画・演出・BGM全てが噛み合い、今期どの作品のどのシーンよりも素晴らしかった神回。

小さい頃からアニメをたくさん視聴し、競技内容を変えて青春だの努力だの友情だの、ただ同じことの繰り返しをしているスポーツアニメをいつの間にか嫌いになってる自分がいて、どんな作品を観ても決して満足することはありませんでした。

しかしブルーロックは違いました。
現時点で探し求めていた怪物と呼べる作品に出会うことができた。

良い意味で本当にイカれたサッカー。


最終評価は視聴終了後、次回もスゴイです。(ФωФ)
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□第21話 俺がいない

※3/15追記
今回の内容はブルーロックのテーマの一つ、オフ・ザ・ボールで重要な予測する力、サッカー用語で「アンティシペーション」について。

専門的な内容になるので詳細は略。
簡単に説明すると、ボールを保有していないときに先を読んでスペースを作ったり、攻守における適切なポジショニング、試合中に起こり得るイレギュラーについて触れられていました。
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□第20話 超連動

毎回レビューするのは止めようと思ったけど、最近アニメ棚に入る数も増え、興味を持ってくれる人もいるみたいなので、作品をより楽しむために今回もレビューしておきます。

今回のテーマの「連動」。

結論を言えば日本のサッカーに足りないとされる部分です。

連動の意味は"複数のものがお互いに影響を与え合い、ある部分を動かすとそれと繋がっている別の部分も同時に動くこと"なので、 連係(連携)のように同じ目的を持ち協力関係を必要としないため、チームのメンバーがお互いの意図を汲み取って全体が同調して動くことが要求され、個の力が弱いと連動性が低くなる。
日本のサッカーは組織力はあるが個の力が足りないと言われますが、お互い協力して意思疎通を図り連係する力はあるが、フィジカルやアジリティ等の能力が足りないので、状況によって適応する力が求められる連動には繋がらない。

まさに日本代表チームが課題にしている個人の能力を活かした連動性が高いサッカーのことです。

連係は選択肢が絞られるため想定内に行動が収まるが、連動は相手の動きを読み取り状況に応じて行動する力なので想定内には収まらない。
「ハイキュー!!」の変人速攻や「キャプ翼」のゴールデンコンビは連係になりますが、「ブルーロック」は連動です。

つまりブルーロックではより高いレベルのサッカーを表現している。

乾電池で例えると並列つなぎ(連係と同じ並列関係)だと電流は変わらないが、直列つなぎ(連動と同じ直列関係)だとつないだ本数に応じて電流が増え、大きな力を出すことができる考え方と同じです。

潔達がバランスの良いチームに纏まるための連係する力を持つ玲王ではなく、二次選考3rdステージで唯一試合に食らいついていた個の力が高い千切を選択したのは、予測不能な連動するサッカーをする必要があったからで、潔が國神や玲王を選ぶことは「俺たちの可能性を潰す自殺行為」と言っていたのは、連動して更に上を目指す意図があったから。

そしてニ次選考4thステージで潔達4人が超連動することで、お互いが喰い合い(事前に設定された連係ではなく、お互いの意図や武器を理解しそれぞれが連動すること)千切がゴールを決め、 ビジョン(空間認識能力)は同レベルだが、各スペックで潔を上回る糸師凛を超えるために身体能力が最も優れている凪が潔の足りない部分を補い、二人が超連動することで能力を引き出し合い凪が二段式フェイクボレーでゴールを奪う。

よってブルーロックは連動性のあるサッカーと言え、現実に即した設定やサッカーに対する考え方が作り上げられていて、ジャンプやマガジン系他作品のエンタメ重視の内容に留まらないので、自分の目線から見るとやはりとても面白いとなります。

残り4話。
{netabare}3次選考までは行くでしょう。{/netabare}
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□第19話 Dancing Boy

今回は二人の登場人物をメインとした受動的欲求である「承認欲求」がテーマ。

誰かに認められたい、自分を価値ある存在として認めたい願望で、他者から認められたい御影玲王に対し、自分自身のことを認められる存在に出会いたい蜂楽廻。

二人の考えは大きく異なり「他者承認」と「自己承認」、対比する形で物語が描かれていました。

玲王は凪に認められたくて選択することを要求したが凪に突き放され、潔からは「選ばれる方じゃなくて選ぶ方になれよ。何のためにサッカーやってるんだお前」と辛辣な言葉を浴びせられ、現実の厳しさを突きつけられる。
他者に依存するスタンスでは潔達のように進化することに繋がらないので、ブルーロックの環境下を生き残れない。

玲王のような「他者承認」の欲求が強い人の特徴は、自分自身に対する自信のなさです。
自己を認められないから不安や不満を他者で埋めようとする。
家庭環境の影響もあると言われますが、負け続けるなどの理由で他者から認められた経験が少ないと承認欲求が強くなり、他者の評価に固執することになるが、一時的に欲求を満たしても褒められることを目的化してしまうため成長には繋がらない。
現状を克服して成長するには自身で自己を認められる存在になること、実力をつけて他者の評価に左右されない絶対的な自信を持つことが必要で、まさに潔の"選ぶ方になれ"の言葉は正論になります。

それに対して蜂楽は他者承認よりもより高いレベルの自身の技術を磨いたり、自分を高めてくれる存在の出会いを求める「自己承認」になり、同じレベルのプレーヤーの存在を知らず自己肯定感に戸惑いを見せていたが、潔や糸師凛とのプレーを通じて探していた怪物と呼べる存在に巡り会うことができた。

心に飼っている怪物を現実のものにするため、本当の怪物を探しにブルーロックに来た蜂楽。

「お前のドリブルは楽しんでいるように見えて一人で戦うことを恐れている。誰かを探しているサッカーだ」と糸師凛に言及され、怪物の存在を認識していくことになる。

自身の"エゴ"と向き合うため、つまり自己承認するために。

そして蜂楽廻は確かめるために戦うのです。
潔世一と糸師凛、自分の心をもっと楽しくさせる怪物はどっちなのかを...。

進化に戸惑いを見せる玲王と進化に意欲的な蜂楽。

一話を使い4部構成における終盤への繋ぎの転じる部分を幕間において、それぞれの立場から足りないピースを題材として二人が抱える心の葛藤を見事に描き切った回でした。

ブルーロックは脚本を書いてる人がシナリオ巧者で物語の構成がとても巧く、ヒューマンドラマも決められた枠の中でしっかりと描いてくれるので、作品内容に込められている意味を理解するとより楽しめます。


次回も引き続き期待。
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□第18話 主役の座(ステージ)

▩物語 4.0点→4.5点(現時点では「アオアシ」超え)

挫折を経験したものが取る行動は断念(諦め)か継続になりますが、その継続を選択した者が次に取る行動は成長か停滞、そして馬狼が選択を迫られた服従(他人依存)です。

馬狼にとって他人のためにパスを出すことは自分のサッカースタイルを否定することなので敗北に等しく、千切に追い付かれあと一歩が足りず潔にパスを出したことにより自分の才能に絶望し挫折を知ることになる。
ここで凪の「負けを認めなきゃ本当の悔しさなんか手に入らないのにさ」のセリフが回顧され、負けを認めたことで現状を変える為のノウハウ(負けないための知識)が身に付くことになるが、挫折を経験したものが成長できるかは今の自分を受け入れ状況を理解し、自信を持って次の行動に移せるかだと思います。
挫折の意味は「目的を持って続けてきた物事が中途で失敗し駄目になること。またそのために意欲、気力をなくすこと」なので、選択には常に本人の意志が働くため、考え方次第では失敗を経験しても局面を打開できる可能性がある。

ユニクロの創始者、ファーストリテイリングの柳井正氏の言葉に「10回新しいことを始めれば9回は失敗する」があります。
要約すると人生常に挫折の連続であり失敗から多くを学び、それを糧にして成功に繋がるもので、必ずしも挫折が成長に繋がるわけではないが、諦めずに継続することが大切でありブルーロックの内容にもこのことが当てはまる。

継続することを選んだ馬狼からすれば誰かに託すことは、夢破れた人間がこれまでの人生を否定する為の現実逃避、つまり敗北者の言い訳に過ぎないため服従することはあり得ない。
自尊心が高く他者との協調を求めない性格から他人依存ではなく、自らのフィジカル面の強さと個人技の高さを駆使して成長するために思考を重ね、相手を抜き去るためのフェイントや鋭角または突進力を殺さずに切り替えすドリブルをプレー中に進化させ、潔を利用し(喰って)ゴールを奪いチームに勝利をもたらした。

このことから馬狼にとって進化を遂げる(覚醒)とは、他者には頼らない自我(エゴイスト)を貫き通すということで依存した時点でキングではなく、潔達に自己を認めさせることで絶対的な力を持つストライカーとしてのアイデンティティが確立されることになり、第18話の「主役の座」は、まさにキングの称号を手に入れるための馬狼に用意されたシナリオとして、ふさわしいステージと言えるのでした。

▩声優 4.0点→4.5点

「この邪道こそが新しい俺の王道。キングは俺だああああ!!」

諏訪部さんの迫真の演技が凄かった。点数上げるしかないでしょ。
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□第17話 ヘタクソ

ブルーロックは独特なセリフの言い回しが面白くて、"0から1を作る"というのは何もないところから新たなものを生み出すこと、言い換えれば才能の原石を持たない凡人でも天才になり得るということで、たとえ才能があったとしても原石を磨かなければ天才にはなり得ないと解釈すれば、天才と目される馬狼から「ゴール前でビビる人間はストライカーの資格ねぇぞ、才能ねぇよお前」と揶揄され、高校サッカー県大会では実績を出せずアビリティも未知数で、天才が生まれながらにして持つ資質には程遠かった潔が0から新たなものを生み出せたのは、環境に適応するため常に思考を続けることで進化を遂げたから。

「進化」とは何かを考えると、『進化論』の提唱者チャールズ・ダーウィンの名言に「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」 という言葉があります。
ここで言う変化できる者とは"変化する者"ではなく、"変化に対応した者"を指す概念、つまり今置かれている状況に適応して生き残ることができた者のことで、かつて6600年前に生態系の頂点に君臨した恐竜が絶滅したのは環境の変化に対応できなかったことが一説として知られていますが、このことをブルーロックに当てはめるとまさに馬狼と潔の関係が成り立ち、キング馬狼はあくまでもエゴに拘り潔たちとの共闘を避け、プレースタイルに対応できずに潔に「ヘタクソ」呼ばわりされ屈辱を受けるが、潔は環境に適応するため馬狼と連携するのではなく、逆に利用(“馬狼を喰う”というのは馬狼を餌にして逆手に取ること)しキングをねじ伏せた。
このことからブルーロックの環境下においては、馬狼のような"強者生存"ではなく潔のような"適者生存"の世界になり、適応できない者は生き残る術を持たなかったもののように自然淘汰される。

従ってサッカーの世界においては常に考えることが要求されるスタンスとなり、潔が3対2対1の状況でもゴールを奪えたのは高度な物質認識と処理を行える"適応する能力(つまり0から1を作り出す能力)の天才”だからという結論に至り、どのような局面に置かれても柔軟に対応できる思考力がサッカーにおいては必要不可欠と位置付ければ、ストーリーや登場人物を通じて様々な側面が垣間見え、ブルーロックの奥深さが感じられる。


次回伝説の神回(?)。
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□第16話 三者融合(トライ・セッション)

▩キャラ 4.5点→5.0点

「メイドバロウ爆誕」がトレンド入りするくらい大人気だそうで、

換気を怠るな!
タオルとか脱いだ服はそのままぬぎっぱにするな!
シーツは整えろ!
ウエハースはどうやっても食べたあと散らかるから許せん!
22時以降は就寝するから電気を付けるな!
風呂に入る時は体を洗って入れ、タオルを浴槽に浸す事は禁止だ!

...と叫ぶ馬狼。

神経質で几帳面な性格を持ち、フィジカルトレーニングは欠かさないストイックさ。

これに並び立つ者はいない、かなりのとんでもキャラ。

馬狼はスラダンで言うところの髪型が似ている仙台みたいなもん?
あちらよりもキャラクターは立ってる...。
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□第15話 喰

ゴール前に抜け出る武器(ステップワーク)はあるがシュートの決定力がない成早と、精度の高いダイレクトシュートはあるがそこに持っていくまでの技術がない潔。
お互い真逆の欠点を持っていて、どちらが試合中、先にお互いの技術を吸収するかが今回のテーマの「喰」。

高い技術を持つトラップでどのような状況からもシュートに持ち込める凪と、現状ブルーロックでは最も個の力が高く、得点力のある馬狼の二人の天才に追いつくには、成早又は潔がそれぞれ足りないピースを補って天才の領域に到達する必要があった。

成早は潔のダイレクトシュートをトレースしようとして失敗するが、潔は糸師凛の言っていた「死角」についてのセリフとボールを持っていない時の動き「オフ・ザ・ボール」について思考を重ねることで、成早のステップワークを身に付け得点に結びつけることに成功し、新たな領域へと進化を遂げる。

潔は凡才ではなかったことが証明されるわけですが、成早と潔の決定的な違いは「適応能力」の差。
つまり潔は適用能力の天才であり、そのスキルを使って凪と馬狼の二人の天才に並び立つことができた。

そして潔達が試合に勝利し選ばれたのは成早ではなく馬狼。
なぜなら潔の中には身に付けた成早の武器が存在し、ブルーロックを勝ち上がるには馬狼という別の高いスキルを持つプレーヤーの存在が必要だから。
友情を深め一緒に勝ち上がっていく展開が予想されたところですが、あくまでも300人の中から頂点を決めるセレクションにおいては元チームメイトであっても切り捨てる必要があり、最強のストライカーにのし上がるには味方を脱落させ敵が味方になることも必要条件で、この発想が他作品との違いでありブルーロックがバトルロイヤルと呼ばれる所以。

これめちゃくちゃ面白い...

折り返し地点まで来て視聴断念するのはまぁないですね。
原作勢からすると次回以降が面白いと言われているところですが、現時点では期待しかない。
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□第13話 TOP3

自分より優れた何かを持っている人間は生まれた時点で自分とは違い、それを覆す事などどんな努力・工夫・仲間をもってしても不可能と嘆くのは、全ての正しい努力を尽くしてからでも遅くない。
どんなことだって“やってみる”から始まり、圧倒的強者を目の前にした時に臆することなく前に突き進んだ者のみが勝者になれる。

まさに生態系における上位者による「捕食」が今回のテーマで、必ずしも弱者が強者に勝つための術がないわけではなく、メンタル面の強化や事前情報の把握、データベースを用いた論理的根拠を導き出すことで、不利な状況に立たされていても生態系の構造を覆すことができる。

2000年代前半当時、世界最強と謳われたメッシ要するFCバルセロナにも「高さ」の意外な弱点があり、スピードやテクニックなど強い側面だけ見れば圧倒的な強さを誇るチームでしたが、その裏には身体能力の差では補えない盲点が存在した。
つまりプレースタイルに創意工夫をしたり戦術面を見直すことで、自分よりも優れているものを倒すこともできる。
潔達が感じた能力差も絶対無謬ではなく、サッカーというチームスポーツにおいては状況に応じて変化が求められる適者生存の世界であり、個人技だけが物を言わない。
エゴイストとは相反する理屈だけど、それを武器として持つこともストライカーの資質。

だからサッカーのシナリオには先見がないから必然的に触発される。

逡巡することなかれ、ゴールは目の前に雨垂れ石を穿つ。


次回、脳筋バカ野郎共が頭柔らかくしてジャイアントキリングに向け覚醒しちゃう回(?)。

□以下過去レビュー
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※追記(過去に見当違いのコメントをしていた人に対するレビュー。備忘として残しておきます)

{netabare}ブルーロックのキャラクターはイキりしかいないし、相手に対するリスペクトが足りていないからスポーツアニメとしては致命的なんでしょ。

だったらそう書いとけばいいじゃん。

何でその部分削って文句言ってるのでしょうか?自分でそれが正しいと思ったんだよね。

たまたま文章を見かけたら明らかに内容が間違っているし、作品潰ししているようにしか見えなかったのでツッコミを入れたけど、許容できる範囲内であれば批判的なレビューがいけないなんて微塵も思ってないし、内容が間違っていなければ修正を求めることはないです。
掲示板である以上は何でも書いていいというものではなく、評価してる人への配慮が足りない的外れなコメントが増えると無法地帯と化すので、ツッコミを入れられても仕方がないと思いますが...

それが正しいかどうかは閲覧してる人が決めることなので、文句があるならそのまま手を加えないで元の文章に直しておけばいいですよ。
自ら文章の誤りを認め削除しておきながら、後書きで自己保身に走るのは筋違いもいいとこでしょ。

300人の中で次のステージに進めなかったプレーヤーは一生涯日本代表候補への道が絶たれるわけですが、相手の状況を考えれば尊敬の念を抱くなんてことになりますか?
削除した過去レビューで考察が足りていない部分はそういうところじゃないの?
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トップの代表チームやプロ組織に所属する選手は自分にストイックであるし、他人に対しても厳しい目を持っているので他チームの選手だけではなく、チームメイトに対しても緩慢なプレイをしていれば当然のごとく態度や言葉で激しく指摘が入るし、他作品のようにブラックな部分を削って綺麗な部分だけを見せようとしてないので、アニメ向けに作った感じがなく内容に説得力はある。

日本代表チームだと本田圭佑が年上の長友選手に汚い言葉を吐いたり長谷部選手としょっちゅうぶつかってたけど、ブルーロックに限ったことではないですが、目的意識の高い集団に身を置くということは高水準でベクトルを合わせる必要があるということなので、イキりとかじゃなく目的を達成するためにはそれが至極当たり前のこと。
300人から1人を絞るという設定で、正式な試合をやっているわけではないのでリスペクトも何もないですが、部活動やスポーツチームに所属していた人だと共感できる部分はあると思うけど、より上のステージに進むためにはこういう厳しい環境下における光景の方がむしろ現実的です。

努力や友情、感動話を求めるんだったら「ハイキュー」や「SLAM DUNK」でも観てればいいじゃんっていう話だけど、ブルーロックはそれとは異なるよりリアル寄りの視点で描かれてるのがいいのだと思いますが...。{/netabare}
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レビューする人あまりいないだろうからレビューしておきます。
原作が『神さまの言うとおり』、『僕たちがやりました』、『ジャガーン』の金城宗幸氏で、作画担当は『進撃の巨人』の作者、諫山創氏のアシスタントをしていたノ村優介氏。
「週刊少年マガジン」にて連載の累計発行部数1000万部突破(因みに『アオアシ』がアニメ効果で1000万部→1500万部突破なので、アオアシに次ぐ人気作の位置付け)の「史上最もイカれたサッカー漫画」と呼ばれている型破りな作品で、物語は日本をW杯優勝に導くストライカーを養成するため、ユース年代のFW300人を対象とした青い監獄プロジェクトを起ち上げ、ブルーロックと呼ばれる施設で300人の頂点を目指し、世界一のストライカーを創り上げるためにサバイバルな熱いサッカーバトルが繰り広げられる。

ブルーロックは「エゴイズム」が一つのテーマとなっていて、チームプレーが前提のアオアシとはプレースタイルの考え方や取り扱うポジションにおいて対極をなす作品と言え、アオアシが"考える"サッカーだとすれば、ブルーロックは"魅せる"サッカー。
プロセス(過程)重視ではなく、結果が全ての世界。
チームワークや選手同士の絆をテーマとした従来のものとは異なり、日本代表チームには存在しないメッシやC.ロナウドのような一人で局面を変えられるサッカー選手を創り上げるために徹底的にエゴにこだわる。
チームプレーをモットーとした日本代表チームの組織的サッカーを根底から覆すものでかなりの異色作。

理屈はよく分からないので、理詰めで観てしまうと道理が通らなくなるから下手な詮索はしない方がいいだろうし、日本代表選考における代表権の永久資格喪失や施設の監禁などが法律に抵触するとか、一々ツッコミを入れていたらこの作品は観れません。
そもそも原作の方で架空の組織に所属するダメな大人達が提案する付け焼刃的なものが実現してしまうフィクションが前提でやっているので、少林サッカー(?)に近いこともやってるし、ボールも変則的な動きをします。
内容も現実志向でありながらファンタジー色強めで視聴する側の器量は試されそう。

ということで第1話視聴ましたが、制作会社は今期『ヤマノススメ Next Summit』も手掛けているエイトビット。
『IS』や『魔法科高校の劣等生』等CGが強いイメージの会社ですが、予想以上に作画が良かったです。プレイヤーの動きも滑らかで、ボールも繊細によく動く。
内容が面白いだけに作画のクオリティが高ければ化けると思っていた作品なので現時点では好印象。
原作の方で問題視されていたセリフ部分も上手くカットしていて違和感なく内容が描かれており、リサーチ力高めで期待が持てそうです。
アオアシに比べ非現実的でアンチは多いですが、熱狂的なファンも多く、挑戦的な作りでエンタメとして見れば惹きつけるものを確実に持っていると言える作品。
スピード感や迫力あるプレーシーンを魅せるサッカーで、原作を超える作画演出ができればきっと高い評価が出来る作品だと思います。

今期の個人的ダークホース枠。

投稿 : 2024/04/11
閲覧 : 660
サンキュー:

9

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