「中二病でも恋がしたい!(TVアニメ動画)」

総合得点
88.2
感想・評価
6209
棚に入れた
29024
ランキング
125
★★★★☆ 4.0 (6209)
物語
3.8
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思ってたのと、良い意味で違っていた。

【概要】

アニメーション制作:京都アニメーション
2012年10月3日 - 12月19日に放映された全12話 + OVA1話のTVアニメ。

原作は、著者・虎虎とイラスト・逢坂望美による、
KAエスマ文庫から刊行されていたライトノベル。
監督は、石原立也。

【あらすじ】

主人公の富樫勇太は、過去に中二病全開で「ダークフレイムマスター」を名乗っていて、
そのイタかった中学時代を恥じて、努力して知り合いのいない偏差値の高い高校に進学。

ごく普通のまっとうな男子高校生になろうとの決心のもとに勇太は、
黒歴史である中二病グッズのコレクションの数々をゴミとして処分しようとして、
それらを詰めたダンボール箱を自宅のマンションのベランダに運んでいた、
その最中の高校の入学式の前日の夜に上の階からロープが垂れてきて、
続いて眼帯をつけたゴスロリ服の少女が降りてきた。

翌日の初登校の駅のホームで少女と再開した勇太。
クール系キャラで奇矯なふるまいをする彼女の名前は小鳥遊六花。
勇太と同じクラスの新入生で「邪王真眼の使い手」を自称する現役中二病患者だった。

六花の言動に振り回される勇太であったが、元中二病として付き合っていき、
六花の後輩でサーヴァントを自称する中学生の凸守早苗と、
昼寝好きでマイペースな先輩の五月七日くみんが加わって、
六花と勇太と4人で同好会「極東魔術昼寝結社」を結成。

クラスで一番の美少女と評される丹生谷森夏が何故か同好会に入ろうとするが、
森夏には裏があったりとで、何かと賑やかな日々。

それも夏休みに入ることで、中二病としての六花の物語が大きく動き出すのだった。

【感想】

美少女力が非常に高い作品。

実は10年前に第1話を見て、高校生が恥ずかしいことをして笑われるアニメか!
と思い、全く話がツボらなくて1話切りをしたのですが、
再度見てみますと、中二病な同好会のメンバーが揃って、
凸守と森夏がバトったりしてるのが賑やかで楽しいです。

キャラデザが可愛いらしいだけでなくてキャラがピチピチと活き良く動く。
京アニ作画の本質は、台詞やナレーションといった音声だけに頼らずに、
身振りや手まね、顔の表情などで意思や感情を伝えていること。

このアニメの場合は会話中にウザいぐらいにポーズを変えまくるキャラがいたりで、
それでキャラクターの個性を印象付けているのは、
ボディランゲージの表現能力が極めて優れているということですが、

シリアスであれコメディであれ、作風や場面に合わせた作画芝居をする引き出しの多さ。
この作品のジャンルはラブコメですが、シリアスではテレビドラマのような感情芝居で、
コメディでは棒立ちにならずにコメディアンの体当たりなリアクション芸のように動く。
それがリズムの良いどつき漫才のようになっています。
更には中二病妄想世界ではイマジネーションバトルが繰り広げられるのですが、
それがバトルアニメのような派手なエフェクトまみれ。

実写寄りでも漫画寄りでもオールラウンダーに多彩な表現方法を京アニが持っていて、
ひとつひとつのクオリティが高いことの証明が、この作品であると言えるでしょう。
京アニは、自分たちの出来るストロングポイントを平常運転でやってるだけですから、
それを封印するのは個性を捨てるに等しくもったいないですし、
ファンが見たいものと一致していますので、どんどん見せて正解ですね。

ストーリーの方は、意外とシリアスでしたね。中盤で明らかになることですが、
六花が中二病のふるまいをしているのは家族間の重たい理由があるのですが、
六花の家族は六花にとって居心地が良いものではなくて、
それに向き合うための大人の正論は時には残酷に彼女を傷つける。
そこからの逃避の中二病という話ですが、
人間とは感情の生き物であり、それは諭してもどうにもならない。
そのことに理解を示してキャラの行動を受容出来るかで作品の評価が大きく変わりそう。

人に迷惑をかけていたら完全にアウトですが、六花の中二病行動は可愛らしいものであること。
姉以外の六花の身内からの視点がいささか薄いことで、
それは一方的な描かれ方であるとも言えます。

大塚芳忠氏のナレーションで語られている作品のテーマに沿えば、
これで良いのかもしれないと思いつつも、個人的にはスッキリしないものがあったのも事実ですね。

中二病になった経験は自分にはないのですが、
現実を認めたくなくて自分が特別ななにかになりたい!といった思春期特有の子供っぽい妄想と、
年齢を重ねるに連れて現実を思い知って、妄想を捨てないといけないのが普通だということが、
理解できたりして、このアニメは極端なストーリーではありますが、
抗いたい青少年の情動の話としては、言いたいことがわからないでもなかったですね。

六花ら女性キャラの可愛さに助けられてる部分が多いアニメではありますが、
勇太のキャラに不快感を持つこと無く、恋愛面で素直に応援できたのは良かったですね。
仮にですが、自分のことしか考えてない自己陶酔型の恋愛脳の話は好きではないですが、
この作品では好きな人を想って行動することの清々しさが活きていて、
六花の心を救う六花限定のヒーローとしての勇太の物語にまとまっています。

ちょっと奇妙なキャラ付けに戸惑い、登場人物のふるまいが幼いなと思いつつも、
実は、見た目と行動通りの性格ではない六花であるとかのキャラクターの組み立てに、
見ごたえのあるアニメではありました。1期で決着がついてて、
蛇足扱いされてる2期は未見ですが、そのうち見てみようとは思います。
いつになるかは不明ですけどね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/12/19
閲覧 : 245
サンキュー:

33

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