「サクガン(TVアニメ動画)」

総合得点
62.9
感想・評価
202
棚に入れた
533
ランキング
4531
★★★★☆ 3.1 (202)
物語
2.8
作画
3.3
声優
3.2
音楽
3.2
キャラ
3.0

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

破天荒父娘のロボット冒険。駄作ではあるが捨て難い

サテライト制作のオリジナルアニメで、ポストアポカリプス?の地下世界?を父娘がロボットで冒険する。全12話。
※作品データベース様より転載

【良い点】
冒険の舞台としての世界観がかなり良い。作画水準も良好。
(多分)人類衰退した遠未来、地下の岩盤をくり抜いた居住区コロニーがアリの巣の如く広がり、未知と化した世界。
グレンラガン彷彿とする地下世界からの未知への憧れと冒険ロマン溢れる。
世界観説明は丁寧ではないがさりげなく推測と想像させてくれる。
暴走機械の脅威とか、冒険者マーカーとか、バックボーン提示が上手い。
主人公の天才幼女メメンプーの強烈な憧れと行動力でもって、地下世界への冒険心をくすぐる展開が上手かった。
特に序盤の衝撃的展開からの旅立ちはかなり盛り上がり良作の予感。
マーカーはジャンク屋めいたアウトロー感と自由なロマンあり、2020夏アニメ「デカダンス」を彷彿とする活力を感じた。

ジャンク屋の重機めいた雰囲気のあるロボットによるアクションもかなり見応えがあった。

作風は序盤こそシリアスだが以降コミカル寄りで見やすい。
展開にとりとめが無いが、自由気ままに旅する雰囲気は嫌いじゃない。

天才幼女メメンプーが印象的。天希かのん氏の演技は巧拙はともかく、印象に残る。
萌えるタイプではないが、抜きん出た才覚と自負、裏腹の子供故の未熟さ焦り。他作品には無いタイプの可愛さ。
父親ガガンバーもダメ大人から父親らしい見せ場あり、また父娘共に名前が独特で印象に残るのも結構強み。
父娘ドラマの側面が見所の柱。迷走した感はあるが、互いに対等な存在として試行錯誤していくドラマ自体は無駄ではない。
ガガンバーの方も親として幼いが、冒険の過程でケンカしながら親子になっていく途中経過は描けていた。

【悪い点】
どうにも展開にとりとめが無い。旅の目的は明快だが途中のエピソードが本筋と無関係なドタバタばかりで一向に進展しない。
幻覚キノコの狂気ギャグ回とか個別で見れば面白いが、1クールしかない中で見たいのはそういう話ではない。
世界観のワクワクも序盤以降停滞、管理局の胡散臭い男メローロの解説に依存していたが、そこを対して掘り下げず。
仲間集めの過程と見ても、仲間たちの事情や掘り下げが唐突であまり共感できない。ザクレットゥとガガンバーの因縁とか唐突感。
終盤もシビトなるテロ組織登場したり、役割に縛られる歌姫との交流など個別で見れば悪くないが、本筋の話にあまり繋がらない。

ハードな出だし以降のコミカルかつ迷走感あるのは2021冬の「装甲娘戦記」彷彿とする残念さ。
1話で可愛い主要キャラでさえ無残に死ぬシビアな世界観と思わせて、以降呑気な旅が続いていく肩透かし。

メメンプーの成長やガガンバーの親子ドラマも迷走気味、明快な成果が出ていない。
これは必ずしも悪い事ではないけれど、1クールしかないならばある程度の成果は見たかった。
余計なキャラやエピソードで主軸と思われた親子ドラマが疎かだった感。
親子以外のキャラが余計と感じられてしまうキャラ描写の弱さが残念。

ロボットアクションも序盤以降あまり活かされず。

メメンプーの記憶の秘密など核心に迫る要素が中途半端に終了。
1クールアニメとしての完成度が低い。完結させる努力をせずブン投げた印象。

【総合評価】2~3点
捨て難い魅力があった意欲作だけど完成度が低すぎる。
長期放送で持ち味が出てくるタイプと思われるけれど、1クール条件ならば相応に纏めるべき。
この点においては装甲娘戦記の方が完成度が高かった。
評価は良いは付けられないが悪い付けるのも勿体ない「普通」

【余談】
メメンプーの夢の光景は「ファンタジックチルドレン」のヘルガの記憶を彷彿。
もし続編あれば色々と気になる秘密がありそうだけど、多分望めなさそう。

投稿 : 2023/01/28
閲覧 : 192
サンキュー:

8

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