「事情を知らない転校生がグイグイくる。(TVアニメ動画)」

総合得点
69.7
感想・評価
159
棚に入れた
474
ランキング
1694
★★★★☆ 3.5 (159)
物語
3.5
作画
3.3
声優
3.7
音楽
3.4
キャラ
3.6

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もったいない…

詳細は公式でも。

まあ、タイトル通りなんですけど、クラスのみんなから「死神」とあだ名されて無視されたりしているいじめられっ子の西村さん。そんな事情を知らない転校生の高田くんが、死神なんていう二つ名はかっこいいとグイグイ絡んでくるというお話。

なんていうか、まあ、すごく広義でグルーピングするなら「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のような。目つきがギョロッとしていて無口だから、みんなから相手にされず死神だの、呪いがうつるだのいじめられている西村さん。もう自分はこれでいいんだと諦めていたとき、無邪気にカッコいいからと話しかけてくれた転校生の高田くんに惚れてしまう。

逆に言えば、高田くんは無邪気な女ったらし。こんな感じで来られたら、そりゃ好きになっちゃうよね。

こういう関係性というか、キャラの設定が見事。少しずつ西村さんが心をひらいていく物語になるんでしょうね。春アニメの初動では、この作品がダントツにいいですね。制作はスタジオサインポスト。ぴえろの子会社です。前身はぴえろプラスで「群青のマグメル」とか「不機嫌なモノノケ庵」とか担当していたようです。

西村さんのCVは小原好美さん、そして高田くんのCVは石上静香さんという「魔法陣グルグル」コンビふたたび、です。

これは楽しみな作品が飛び出しました。当然、継続視聴です。

=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
いちおうね、高田くん姉とか出して変化をつけようとしている努力は見られます。ただ根本的に、クラスの意地悪男子「死神が運んだカレーなんて食えるか」→高田くん「え? そうなの? じゃあ、君の分のカレー、僕が食べてもいい?」→意地悪男子「く、食わねえなんて言ってねえだろ、変なやつ」という繰り返し。

西村さんとのやり取りも、西村さん「高田くん、あんまり私と一緒にいないほうがいいよ」→高田くん「どうして?」→西村さん「死神の呪いが…」→高田くん「えー? 死神の呪いなんてカッコイイじゃん! それに、僕は西村さんと一緒にいたいんだよ、好きだもん」→西村さん「(。>﹏<。)//////」の繰り返し。

ちょっとね、なにか変化をつけてこないと飽きられますよね。

初回では気にならなかった(目をつぶっていた)作画もね…
タンクトップの日野ちゃまと話している西村さんのシーン。いや、その立ち位置で、西村さんの顔、デカすぎね? 遠近法って知っていますか?

このレベルだもの。
別に神作画を求めるような作品じゃないけども、最低限、見られるレベルにしてほしいです。

次回から夏休み。
はたして、クラスの友達と強制的に会わされる日々じゃないテーマで、どう面白くできるのか、期待しましょう。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
とりあえず、夏休みに入ったものの、学校のプール開放というエピソードによって、いじめっ子たちとも顔を合わせる展開にできました。

いやまあ、ワンパターンではありますが、飽きさせないものがありますね。

今回、秀逸だったのは夏休みの予定を作るエピソード。
雨が降っていて、傘のない2人。下校時刻が過ぎているのに、こっそりと図書室で一緒に予定表を作ります。そのとき先生が…

机の下に隠れますが、プリントが出ていたため見つかってしまいます。お説教をしたあとに帰す先生。ここです、秀逸なのは。これがね、普通のアニメなら仲良く帰路につく2人を微笑ましく見送る先生の顔とかを見せちゃうと思うんです。でも、あえて後頭部のみで感情がわからない。

そのあと、家に帰って予定表を見ている西村さん。そしてAパートが終わります。そのアイキャッチが予定表なんですけど、西村さんの予定表に赤ペンで先生が「楽しくなるといいですね」と。

素晴らしい演出ですよね。これによって、先生も高田くんによって疎外感が薄れてきた西村さんの心情を感じ取って、喜んでいるという描写になっているんです。つまり、いじめに関して気づいていない、あるいは見て見ぬふりをしているわけではないんだよというところがわかります(いや、見て見ぬふりはしていたのかもしれないけど)。

気の抜けたようなキャラデザ、作画ですが、意外とというか、なにげに考えられているんだという印象です。小原好美さんボイスの西村さんも、ほどよく淡々としたツッコミが秀逸です。いや、このアニメはいいですね。好きですよ。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
あまりこういう言葉は好きではないのですが、あえて言います。

神回でした。

内容は詳しくは書きません。観れば分かります。
んーっと、ここまでも十分面白い作品ではありましたが、ここへきて二の脚を使ってくるとは思いませんでした。ちょっと涙が出ました。

なんていうか、高田くんも単なるおバカで素朴なキャラではないし、西村さんが影がある女の子というのは、そういった理由も関係しているのかもしれないというところでしょうか。

そして、いやもう、西村さんのCV、小原好美さんの演技が素晴らしかったですね。これはベストキャスティングですね。

絵が微妙なのを補って余りある秀逸なストーリー。文句なし。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
痛し痒し。これが、この回の印象です。

前回、あれだけの大技を繰り出してきただけに、今回が真価を問われるなと思っていました。ただ、非常に難しい舵取りが必要だなとも。

というのも、高田くんがひとつ大人になったというか、相手の気持ちを慮れる人間になることで、ここまでのグイグイくるというテーマから外れる懸念がありました。で、そうなると面白くなくなるリスクもあるわけで。

その意味では、作者が選択したのは西村さんにテンションを3話まで巻き戻させるという選択でした。「私は嫌じゃないから、今まで通り死神って呼んで」と。

で、そのあとは3話までと同じく、高田くんが死神パワーをもらいたくて手をつなぐ。日野ちゃまと3人で夏祭りで大はしゃぎ。写真コンテストがあるからと、いろいろな場所で写真を撮りますと。

これではワンパターンと言われても仕方ない。

でも、じゃあ前回の流れを引きずってしまったら、それはそれで重いし、日常系として良いとはいえない。それだけ、母親との死別と入れ替わりのように生まれてきた過去という劇薬は、リカバリーが大変だったということです。

ま、この選択しかなかったとは思います。思いますが、前回の神回を受けてのこれ、というのはどうしても評価が下がらざるを得ないですね。
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
{netabare}
んーっと…

なんか、クラスの子たちが西村さんをいじめるのがワンパターン過ぎて、そこに関しては飽きてきた感があります。そのスパイスを、たとえば笠原さんが翻意するところにもっと尺を使えばいいのに、サラッとちょこっとだけなんですもん。

今回で言えば、Aパートのワンパなくだりを圧縮して、西村さんの家に遊びに行く→熱を出して中止→お見舞いに行くというBパートをもっと見たいのに、そこに尺を使うべきでは?と思いました。

まあ、終盤に向けて、笠原さんの心が変わっていく流れになるんでしょうけどね。でも、それをOPでネタバレしちゃダメなんじゃない?
そして、いじめてる連中がOPに出てこないのも、そういうことなのだろうという想像がつくわけでね。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
なんていうか、すごくもったいない作品だったなぁというのが最後まで観た感想です。

テーマとして、いじめられて孤立している女子(西村さん)を、そんな事情を知らない脳天気な転校生(高田くん)が好き?になり、仲良くなりたくてグイグイ来る。それに西村さんが照れながらも、少しずつ自分の居場所を得て、笑顔になっていく。ということだと思うんです。

で、実際そういうストーリーで、現に最終話のCパート。これが初回の陰のある暗い顔をした西村さんから、朝迎えに来た高田くんに笑顔を向ける西村さんへと変わりましたという落とし方は完璧でした。

1クール13話のうちで、しっかり西村さんのお母さんの話とか、友達がいなかった西村さんに高田くんを介して日野ちゃまとか安達さんとか、さらには率先していじめていた笠原さんまで友達になったとか、泣かせるシーンも多く、すごくいい話になっていると思うんです。

それだけに、なんというか制作サイドの未熟さといっていいのかわからないけど、名作の域まで行けたのではないかという欲があるんですね。

それはまあ、たとえば作画面とか、構成とか。
そこまで話を盛り上げておきながら、回が変わるとリセットされて、あいかわらず坊主頭の北川くんは死神死神とからかってくるし、それを受けて高田くんは「すげえ、西村さんカッコいい!」というワンパターン。

たとえば、ここまでずっと書いてきた、当事者である笠原さんが西村さんと無二の親友になるまで描くとか、そういったカタルシスが欲しかったんですよね。少なくとも、ここまででは「雪解け」レベルでした。

とはいえ、非常に高いレベルでの期待感が大きすぎたため、そこまでには達しなかったという評価になりましたが、単体で見ればじゅうぶん楽しめる良作の部類だったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2023/06/26
閲覧 : 413
サンキュー:

4

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