「persona4 the ANIMATION(TVアニメ動画)」

総合得点
82.7
感想・評価
1933
棚に入れた
10574
ランキング
351
★★★★☆ 3.9 (1933)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

心理学に根ざしたエンターテイメント

 原作ゲームはプレイしていないので、あくまで想像なのですが・・・。
 ゲームが原作という作品は結構あるが、大半がキャラやストーリー展開を原作より
いただいたものに対して、本作はゲームそのものを映像化したような印象。
 1年間を通じて、ある事件の謎を追う話で、その月日の変遷を表すのにカレンダー上を
カーソルが動いていくような映像になっていたが、ゲームそのものがこのようなシステム
だったのかな?。
 他にも、アイキャッチの鳴上悠のステータスを表すレーダーチャートや、久慈川りせが
ペルソナを使って、敵の能力を探索するシーンなどもゲーム画面のよう。

 ゲームっぽいと言えば、主人公である鳴上悠の淡々とした雰囲気。
 ゲームの場合、主人公=プレイヤーであるため、あまり個性的な主人公を設定しづらく、
それがまんま、この作品には反映されているみたい。
 ただ、あまりにも淡々としているため、逆にボケにつながっていたりで、彼の行動や
発言はどこまで本気で、どこまで冗談なのかよく判らない。おまけに冷静に見えて、やる
ことは結構情熱的だったりと、ある意味つかみ所のないキャラでありながら、非常にいい
味を出すキャラに仕上がっていた。
 他のキャラが割とカラーと言うか、路線と言うか、そういったものがはっきりしていた
だけに、余計に鳴神悠のキャラが際立っていたように思えた。

 個人的にユング系の心理学にはまっていた時期があっただけに、シャドウやペルソナと
いった言葉はちょっと懐かしかった。
 シャドウは言葉からすると負や悪のイメージが強いが、シャドウ自体は外面に現れた
性格の影の部分であり、必ずしもネガティヴなものとは限らない。そういう意味では巽完二
などはシャドウの方が可愛い感じで、シャドウの一つの例として面白い。
 心理治療などにおいてもシャドウは、それを自分のものとして認知し、最終的には統合
していくような形を取るが、この作品において各キャラが自分のシャドウと対峙するやり
取りはまさにそんな感じ。
 惜しいのは、各キャラのシャドウの問題が、1話で解決してしまうことかな。キャラに
よっては相当根深い心理的問題があったりして、その辺はもっと話を引っ張っても
面白かったように思える。まあ、尺の問題からそういうわけにいかなかったのだろうけど。

 一方のペルソナは人間が外界と接触している外側の部分の概念で、接する相手によって、
態度やキャラが変わるのはよくあること。そういう意味で鳴上悠が様々な人と交流を持つ
ことで、ペルソナの数が増えていくのは理にかなっている。
 逆に言えば、他のキャラもペルソナの数が増えても良さそうなものだが。
 そんな感じで、単にシャドウ、ペルソナといった単語を借りただけでなく、設定も結構
心理学に根ざしているような印象で、心理学をうまいことエンターテイメントに昇華
させたなと思わせた作品。

 基本バトルものであるが、むしろキャラ達の生活シーンが多い感じで、林間学校、修学
旅行、学園祭、夏祭り、旅館のお泊まり会など、馬鹿馬鹿しくも賑やかな高校生活が非常に
楽しげで、見ていて面白かった。
 これらはストーリー間の箸休め的な役割もあるのだろうが、他者との絆でペルソナを
増やすということからも、結構大事なことだったりするんだよね。

 絵や音楽はクールでスタイリッシュな印象だが、鳴神悠を始めとする面々の行動は結構
熱いもので、ラストバトルなどはバトルものの王道といった印象。「努力・友情・勝利
」なんてジャンプイズム的なものを感じてしまった。
 ストーリー全体を通して真犯人を追うミステリー要素もあり、この辺も飽きさせない要素
として大きかった。

投稿 : 2012/06/29
閲覧 : 371
サンキュー:

3

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