「茄子 アンダルシアの夏(アニメ映画)」

総合得点
72.2
感想・評価
190
棚に入れた
944
ランキング
1155
★★★★☆ 3.9 (190)
物語
4.0
作画
4.1
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

黒田硫黄作品の映画化

 黒田硫黄作品が映画化される、ということで、ぼんくらな黒田硫黄ファンの一人としては、「さすが、わかってるじゃんジブリ!」などという偉そうな感想を抱いたものです。



 さて、言うまでもなく、黒田硫黄はとんでもない天才なわけですが、本作が映画になったことで何かすごく、すごかった、といわれると、正直そこのところの感想は…まあ、なんだろう、迫力が漫画よりも、あったような…気がします。



 しかし、原作の空気感/スピード感とは異質なテンポをもった作品になっていたな、などとも改めて考えてみると思います。
 漫画も、アニメもどっちもよかったのだけれども、わたしは黒田さんのほうのファンなので、アニメをみたことで逆に黒田さんについて思ったことは、黒田さんの漫画はほんとうにクライマックスでの大ゴマで時間を「止める」演出が多いな、ということです。
 クライマックスで「大ゴマ」というのは、まあ普通の漫画なんだけれども、「大ゴマ」でどこまで時間を止められるか、というのは絵の構図とか、それまでの話のもってき方とか、そういうのがかかわるわけです。黒田さんの漫画というのは、驚異的にクライマックスの大ゴマで時間が「止まる」。
 ええ、もうそれは驚異的なことなんだろうな、と思いました。
 これは、漫画的には、

 1.視線、表情のアップがある
 2.キャラクターの感情的なクライマックス(ただし、おだやかな感情もふくむ)

 というあたりは、べただと思うのだけれども

 3.一コマずつの構図の切り替え方が非常に大きい漫画で
 4.かつ、大ゴマが現れる瞬間がじゃっかん読者の予想を裏切るような「ハズ」し、をしている

 というあたりが黒田さんの変わったところかもしれません。しかも、外して、きりとってみせるところのポイントがね、もう、驚愕のクオリティの高さなんだよね。「あ、そこなんだ」っていうね。「あ、そこなんだ」って感じではあるのだけれども「あ、そこなんだ」の「そこ」になぞに一定の説得力がある。それが黒田漫画なんだろうな、とおもっています。



 えー、で。
 本アニメ作品ですが、そういう黒田漫画の「止め」がどちらかというと、オーソドックスなクライマックスの表現をきちんと、優秀なスタッフを動員してべたにつくった作品になっていると思います。でも、さすがはジブリ。べただけど、よかったんだよね。すばらしい!これはこれでおもしろい!えらいよ!ジブリ!あんたらいい仕事した!

 などと、えらそうな黒田硫黄ファンにも満足な作品でありました。



 で、え、あと、黒田硫黄の誰にとっても特徴的によくわかる部分としての「日常的ななにげない部分の描写」とか?ももちろん、すごくよかったです!ビバ!ジブリ!だと思います。

投稿 : 2011/08/22
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サンキュー:

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