「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 星霜編(OVA)」

総合得点
68.5
感想・評価
246
棚に入れた
1420
ランキング
2026
★★★★☆ 3.8 (246)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

nakapho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

原作との落差

原作の人誅編は、復讐される側の問題を扱うにしてはぬるい結末でした。ぬるさとは少年漫画ゆえの優しさでもあって、一概に非難するものでもありません。ハッピーエンドで丸く収まるのがいちばんです。
原作では描かれなかった負の要素を引き受けたのが、この星霜編だといえます。犯した罪を忘れずに抱き続けるからいいよね?が原作だとすれば、罪への償いを模索し続けるのが星霜編です。実際にそれを描くとなると、話が暗くなるよりもまずは、キャラクターの格好よさがなくなります。原作との落差ゆえに、無様さは残酷なほどに際立ちます。
家族よりも自身の贖罪を優先し、家族を捨てて異国に旅立ち、病を得、自分の名前を忘れてしまうほどに衰弱、そんな剣心。ただ、そこでひとりさびしく朽ちてゆく、とはなりません。寄り添う者である薫の物語でもあるからです。剣心ひとりの物語だったら、帰ることなく終わっていたのかもしれません。でもこの物語は剣心と薫ふたりの物語です。かつて捨てた家族のもとへ帰るのが必然となります。再会できるかできないかはあまり重要ではありません。帰ろうとする意思があり、待っている者がいる。それだけで十分。
こころというものが、とても綺麗に描かれた物語でした。

投稿 : 2011/07/06
閲覧 : 635
サンキュー:

7

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