「猫物語(黒)(TVアニメ動画)」

総合得点
89.9
感想・評価
3375
棚に入れた
19183
ランキング
69
★★★★★ 4.1 (3375)
物語
4.0
作画
4.2
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

全4話で構成されるGWの9日間…情報量はそんなに多くないので視聴しやすかったです。

予約購入しておきながら今の今まで放置していた私ですが
今更ながら視聴させていただきました。

化物語、偽物語ときて今回は猫物語(黒)です。
作品の時系列的には現段階で一番古いお話になるのかな?
私は原作を知りませんので詳しくは語れませんがおそらく現段階では一番古い出来事のはずです。
劇場版の傷物語はまだかなぁ(白目

化物語の第一話の時点で伏線として話題にはあがってましたが
ようやく物語として語られる時がきました。
阿良々木くんと羽川さんのお話ですね、ブラック羽川誕生の秘密?があきらかになります。

このブラック羽川は化物語の終盤でも登場してましたが
そのお話だけではやはり気になる部分が多かったので今回のお話でスッキリしてよかったです。

今まで変態成分多めのシリーズでしたが今回は比較的シリアス路線でした。
一話だけギャグ路線でしたが二話以降はシリアス路線の中に
時々ギャグを放り込むみたいなテイストでしたね。
久々に忍野メメが登場するところもポイントでしょうか。
なんだかずいぶん懐かしく感じました。

内容は羽川翼が低級怪異の障り猫に憑かれて羽川の知識を得た障り猫が誕生してしまってさぁ大変!
と思いきや実は逆で障り猫の力を得た羽川翼が誕生してしまったというものでした。

羽川さんを畏怖する気持ちもわかるよね…
彼女が本気出したら世界征服だって可能なんじゃないだろうか。
少なくとも怪異を支配下における時点で健常な人からしたらそれはもう異常でしかないからね。
一番健常そうな彼女が一番異常だったという悲しいお話。

複雑な家庭環境が彼女の背景にはありますが羽川さんがそもそも変わってるのでね…
なんでも我慢して自分の中におしこめて自分に暴力ふるう父親でさえかばうくせに
お説教じみた一言は発しちゃうんですよね。
これじゃケンカにすらならないんだろうなぁ…完全に親と子が逆転してしまってます。
忍野は羽川さんの事情に関して自分は中立だと言ったうえで
見方によっては両親のほうがよく我慢したほうだと言える…そんなことを言っていました。
完璧すぎる人間はその存在自体が武力だということですな。
力をもってしまった人間はその力をセーブして生きていかなければまわりを傷つけてしまうのに
羽川は自身の持つ知識や価値観をあますことなくふるいます。
羽川に好意的な阿良々木でさえそんな彼女のことを「気持ち悪い」と思ったことがありますし、
忍野も彼女の気持ち悪さを口にしてました…それなのに両親が思ってなかったはずはありませんよね。

羽川には家はありますが部屋はないらしいです。
普通に考えるとひどい話ですよね…じゃあ羽川はどこで生活してるんだって話ですよ。
でもこうも考えられません?そんな環境でさえ生活できてしまう…それが羽川翼なんです。
ダイニングの壁に制服を掛け、教科書類は書庫に、下着類はバスルームに仕舞い、廊下に布団を敷き、
階段のコンセントで携帯を充電し、玄関の脇に学校鞄を置き自己解決。
それがまわりからしたら気持ち悪いほどに機械的に感じてしまうのでしょう。
まるでそうすることが正解かのように…。
この世にあるすべてのことが正否でわけれるとは思いませんが
羽川翼はわけてるような気がします…
彼女の中ではすべての物事に正否がつけられてるんじゃないでしょうか。
そしてその基準に従って生きている…そんな印象をもちました。

今回は正しい(と思う)事をしてきた彼女のストレスが原因となってブラック羽川になってしまうのです。
常に正しいことをしなければならない羽川翼という人間ではできないことを
ブラック羽川という自分の黒い部分を利用して行われるストレス解消。
羽川翼でも障り猫でもないブラック羽川という新種の誕生…
羽川翼の干渉力ぱねえっす。

羽川を説得しようとしたときに阿良々木の口からでた言葉の数々というのは本人からしたら
到底納得できる類のものじゃなかったでしょう、そのくらい無茶苦茶です。
ですが羽川にとっての弱点はそこなのかもしれませんね。
正論や曲論に強くても詭弁には弱い…
その結果、阿良々木の詭弁を拒絶しひどく取り乱しています。
どんな時でも手を差し伸べてくれるであろう彼女に拒絶された瞬間、
阿良々木くんの初恋ではない何かは終わりをむかえたのかもしれません。

結局この二人は似たもの同志で魅かれあうことはあっても結ばれることはないのでしょう。
好きだと口にできない二人に対しあっさり好きだと口にできてしまう戦場ヶ原さん…
大切な人のために死ねる二人と大切な人のために殺せる戦場ヶ原さん…
今でも阿良々木くんは羽川さんとお喋りするときに舞い上がっちゃったりするんだろうけど
それはきっと恋なんかじゃないんでしょうね、そういうことにしておこう…

個人的には羽川にも知らないことがあって安心しました。
『なんでもは知らないわよ、知ってることだけ』 という言葉に偽りはなかった(笑)

【A80点】

投稿 : 2013/09/05
閲覧 : 212
サンキュー:

8

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