「PSYCHO-PASS サイコパス(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
5579
棚に入れた
26370
ランキング
61
★★★★★ 4.1 (5579)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

サイコパスシステムを心理学的に考察してみた。

未来が舞台の刑事ものです。

全22話。

中だるみすることもなく、見ごたえ十分でした。

特に後半からは、いつ最終回を迎えてもおかしくないぐらい、毎回はらはらどきどきの展開でした!


●ストーリー
シビュラシステムと呼ばれるシステムが、人間の精神状態を分析し、数値化したデータ=サイコパス。

この世界ではサイコパスの数値によって、犯罪を起こす危険性のある人間(潜在犯)を識別することができる。

常守朱(つねもり あかね)は、公安局刑事課に配属された新米刑事。

執行官を監視する役割があるため、「監視官」と呼ばれている。

潜在犯であるが、刑事としての素質を認められた「執行官」たちとともに、事件を追う。


犯人を追いつめる場面は毎回手に汗握るほどわくわくします。

朱ちゃんは一般人の目線に近いので視聴者目線。

執行官は強すぎるダークヒーロー的な存在です。

みなさんクールでかっこいいです。

登場人物一人ひとりが物語の進行に合わせて掘り下げられていくのもよかったと思います。

知らない間にどのキャラも好きになっている不思議(笑)


●心理学的な観点
サイコパス、色相、犯人の行動を予測するなど、心理学的な思考をもちいる場面が多いです。

心理学が専門の私にはかなり楽しく見れました^^
(といっても犯罪心理学は専門外で一舐め程度しか学んでいないのですが^^;)

ただ、心理学的に気になるシステムも多数ありました。(詳しくは下に記載。)

当初はこれらのシステムについていろいろ疑問を抱いていたのですが、製作者側はそれらの疑問・不安を理解した上で設定しているようです。

物語が進む中で誰かが代弁してくれたので満足しています。

しかし自分の考えを書かないとすっきりしないので書きます(笑)


*これから書くことはあくまで個人的な考えです。
 長くなりそうなので、「興味ない。」と思ったら流してください(笑)

●気になるシステムその1:色相チェック
この世界ではこれが最も手軽な方法として用いられています。

精神状態を色で表し、クリアな色ほど健常な精神を示しています。

逆に、強いストレスを持っていたりすると、濁った色を示すようになります。

人はクリアな色を「良し」とします。

結果、色相にとらわれすぎる人が出てくるのも当然です。

自分の心理状態をわかりやすく知ることはとてもいいことだけれど、それに振り回されるのは本末転倒。

誰だってストレス抱えるし、悲観的にもなるし、自分のこといやだなーと思うことがあるはずです。

でもそれって必ずしも悪いことではなく、むしろ大切なこと。

色相チェックによってそれらを「悪」とするのは、精神的にどんどんマイナスの影響を与えてしまいます。

確かに、色相チェックを使って悪いこと考えてる、狂ってる人たちを見つけることができるのは画期的だと思うけど。

その便利な一面だけにとらわれないことが大事だね。

現在の心理学でもIQのように、能力の数値化は存在しています。

しかしそれを用いてその人を分析する場合、決してマイナスにはとらえません。

「この人の得意分野」「この人の苦手分野=支援が必要な分野」というように、プラスになるようにとらえます。

なんとなく自分で自分の精神状態ってわかりますよね。わかっていても、はっきりと結果を出されるとそのもやもやが確たるものとして固まってしまいそう。

ことあるごとにこんな分析されたんじゃ、精神的にたまったもんじゃありません。


●気になるシステムその2:職業適性考査
この世界では、職業訓練校における成績と適性でシビュラシステムから職業選択範囲が割り振られています。

つまり、人は自分の意志で職業を選択するのではなく、与えられた選択肢の中から選ぶということになります。

それって確かに楽なことだと思います。自分に合っているんだから間違いもないし。

でも間違いなく青年期の心理・アイデンティティに影響を与えると思います。

「自分ってどんな人間?」「将来は何がしたいの?」「これは自分に向いているのだろうか。」「人がいう自分と自分が思う自分がかみ合わない。」「自分らしさって何?」…

とにかくたくさんたくさん自分と向き合うのが青年期(思春期ともいう)。

そうすることで自我を確立したり、職業を選択したり、人生を選択していくのです。

この選択をすべてシステムにゆだねてしまったら…。

適正があるのだからやりがいも誇りも感じられて当然?

では逆に、やりたい仕事があるのに適正判定が出なかったら?

自分には向いていなかったのだと簡単にあきらめる?

悩み、葛藤し、自己をみつめる。

「人は考える葦である。」←有名な言葉ですね。

考えることをやめたら人でなくなるのです。

悩みに負けないように強くなる。それが本当の強さなのかも。


●まとめ
長々話してすみません(笑)

この物語にはいろんな問いかけがあります。

人間としての生き方、尊厳、正義と悪…。

ただおもしろいだけでなく、いろんな考えが練りこまれた深い作品だったと思います。

私は長々書いた通りのことを考えたけれど、また違った考え方や見方を探すのもおもしろそうです^^

投稿 : 2013/09/08
閲覧 : 318
サンキュー:

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