遥か彼方 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
第●話 たからばこにとじこめた (めいいっぱいの作り手の愛を感じられる作品。素敵なままでいて欲しいから宝箱にしまっちゃえ!)
何かもう、タイトルが全てです。
や、っ、ぱ、り、頭空っぽにして純粋に楽しむ事は出来なかった。
初っ端からアレだけど、取り敢えず音響監督と作画監督出て来い!
一話の冒頭の優しいBGMと、柔らかな田舎の懐かしさを感じてしまう風景のコンポは卑怯だぞ!まさかキャラすら出てきてないのに、景色と音のずれたリコーダーが混じったBGMだけで泣きそうになるとは・・・。
前知識(下記参照)のネタ満載具合からてっきりどんな緩いギャグから始まるんだと覚悟してたのに、完全に意表を突かれましたよ、さっそく。
これは単なる緩~い日常コメディアニメとは違うぞ、と。
日常ものを敬遠して来た私だから比べる作品は殆ど無いけど、これが日常ものなら、これだけの完成度の作品が初視聴だったのは幸か不幸か・・・。
ここは「のんき」に前者で考えとこう。
そんな風に考えられる作品だから。
この作品はジャンルは完全なる日常モノなんだけど、ある意味観る人によっては色々なものが「非日常」なんだよな。
同じ様な所に住んでいる人には凄く共感出来るんだろうなって思う。田舎ってこんなんじゃないって否定する人少ないんじゃないかな。
田舎を知らない人には全てが興味深く映ったんじゃないかな。だから日常ものでも観ていても飽きない。
自分は半々くらいだけど駄菓子屋で一口サイズのヨーグルト味のフワフワしたお菓子(名前不明)木のスプーンで食べるヤツ、あれ売ってるの観た時思わず画面に手を伸ばしそうになったよ。あまりにも懐かしすぎて、そして忠実に再現され過ぎてて。
上手く言えないけどアニメなんだけど、リアル過ぎてアニメの枠を超えちゃったってのかな。もし現実にパラレルワールドが有って自分が小、中でここに転校する事になってたら本編まんまの生活を送ってる自分が目に浮かぶ感じ?
ほたるんみたいに最初から田舎を楽しめる前向きさは私には無いと思うから、最初は不便な生活や好きな本屋(正式な)が近所にないって事に戸惑ったりして淋しくて泣いてしまうだろうけど、この作品のキャラ達がいればきっとそんな気持ちもすぐ吹き飛ばしてくれるだろうなって確信出来る。
一話でれんちょんが蛍に初めて話かけた時
「ほたるん」
この呼び方で何かれんちょんのキャラだけじゃなく、ああここってこう言う場所なんだな、って良い意味で転校生を特別視しない所なんだって伝わって来た。
特別な事は何にも起こらない毎日なんだけど、一つ一つの些細な事が「出来事」であり「思い出」であり「かけがえのない時間」なんだなって、何か凄い大事な事感じさせてくれたんじゃないかな、これって。
でもそう感じれたのはやはりこの日常が「面白かった、楽しかった」からなんだろうな。
悲しいって感じた事、あったかな?
そう、一つだけ有ったな。
まさか自分がそんなシーンを悲しいって感じるとは思わなかったけど、今期のキャラの泣きシーンで一番印象的と言うかリアルだったかも知れない。
噂の四話、まさかれんちょんに泣かされるとはね。
視聴するまではこの日常でどんな泣かせ方をしてくるんだろう、あの仲良しの皆が仲違いでもするんだろうか?と想像を巡らせていたのだけど。
夏休みで里帰りして来て友達になった子との突然の別れ。
それがいつもマイペースで物事に動じなさそうなれんちょんを泣かせた。
色んなアニメを視聴していたら「たかが短期間で仲良くなった友達との別れじゃないか」とこの作品にハマっていない私ならまずは思えてしまったんじゃないかな。
他のアニメじゃ突然の別れは日常茶飯事、ジャンルによっては死別も珍しい事じゃないから。
それでもれんちょんの泣くシーンの演出の上手さとリアルさは最近のアニメでも群を抜いていたと思う。
玄関の戸が無情にも閉められた後のれんちょんの顔のアップ。
暫く動かない・・・・・・いや、動けなかったんだね。
その静止したれんちょんから何とも言えない寂しさがジワジワと伝わってくる。
まだ表情一つ変わらない・・・・・・
(あっ・・・・・・)
(泣く!)
少しずつ悲しみに崩れていくいつものれんちょんの顔、目には大きな涙がブワっと浮かんで。
(れんちょん・・・泣いちゃったよぉ・・・)
ここまでの「間」の取り方も凄くリアルだったけど、名演出はここから。
次に画面に映し出されたのは完全に泣き顔になったれんちょんじゃなく二人で遊んだ場所の数々、ぽつり、ぽつりとその思い出の場所が映されていく。
最後に二人が初めて出会った橋を俯きながら歩くれんちょんの姿・・・・・・。
普通に泣いている彼女を見せるより数倍切ない!
あの橋を渡っている時、れんちょんはどんな泣き方をしてたのかな、泣かないように頑張ってたのかな、号泣、してたのかな・・・
視聴者が感じている彼女のイメージでの泣き方を嫌でも想像させられる。
日常のれんちょんがあんな感じなので忘れがちになりそうだけど、彼女はまだ小学一年生。もしかしたら初めて別れの寂しさを経験したのかも知れない。
辛いけど、れんちょんにとってきっと「特別」な経験の一つだったに違いないんじゃないかな。
数日間呆けてしまってたれんちょんに、一通の手紙。
笑顔って見せないけど、どれだけその差出人が嬉しかったのからしくない取り乱し方で伝わって来て、れんちょんが愛おしくて堪らなくなった回でした。
日常にもまだこれだけの喜怒哀楽が詰まってるんだね!
と一通り最も書きたかった事を書いたのでここからはウザい考察タイムでーす(はい、嫌な予感しかしない人は途中下車してねv)
★グルメアニメより食べ物が美味しそうに感じるのは何故?
私はアニメの食べ物は、グルメ作品でも滅多に美味しそうだとは感じないんです(デザートは別腹w)
なのに、この作品の食べ物、料理、特に抹茶かき氷あれ一口でも食べたくて仕方有りませんでした。
これは自分に取っては非常に興味深い事で、何故だろう、と考えてみました。
食べ物自体の描写だけでなく、川に流れる清流の描写がそう思わせてくれるのじゃないかなと感じました。
TV番組でも●●の天然水で作った米がやたらと美味しそうに見える、あんな感じです。
後、食べ物の近くにいつも楽しさが溢れてたからかも知れませんね。
★空気兄貴の存在意義は?
結局一言も「声を聞けなかった」兄貴ですが彼は必要不可欠だと思います。ギャグ担当です!(半分冗談)
少なくとも私が最初に声を出して笑ったのは、学校の廊下の床に落ちてた兄貴を観た時です。
あの兄貴、案外イケメンですよね。しかも自分好みの眼鏡ってだけで美味しいキャラ。
一時期流行ったナンとかを探せ、じゃないですが気が付けば毎回兄貴を探して視聴してたりしていました。
きっと視聴されてた人の中にも「今日こそ喋るか!」と秘かに兄貴に期待していた方も少なくはない筈。
そしてとうとう「声を聞かせない」事を貫かせたスタッフGJです!
兄貴の代わりは女子キャラでも出来なくはないかも知れません。ですが男キャラと言うのが重要なんだと思います。
もし兄貴が、男キャラが居なかったら?
たちまち女子萌え作品となってしまうのではないでしょうか?
男が一人でも日常にいる事がリアリティが増した要因の一つになった様に思います。
★ほたるんのキャラ設定について
これは少数派かも知れませんが、どうしても気になったので書かせて頂きます。この作品でただ一つだけ残念だなと感じた事です。
何故ほたるんにれんちょんを可愛いと感じさせず、こまちゃんを可愛いと感じさせたのでしょうか?
ほたるんの小さい女子への過剰な嗜好だけが、この田舎にそぐわないアキバ系の萌えを感じさせてしまったんです。
この作品には「萌え」は不必要だと私は思います(兄貴のフィギュアはともかくw)変に萌えを入れたり一部の層に媚びたりしない所がこの作品が万人に受け入れられている理由だと感じました。
でもほたるんのこまちゃんへの執着のみ、違和感と言うか異質なものに感じ(某ファミレスアニメの眼鏡君的な)そこだけがどうしても引っ掛かってしまいました。
他のキャラが皆個性的なので、ほたるんは特に普通のキャラでも良かったのではないでしょうか?設定が既に都会から来たと言う特別なものが有るので。極端な嗜好を持たせる必要は無かったんじゃないかなと思います(あのままのほたるん好きさん、すみませんm(_ _)m)
★タイトルの作り手の愛について
とことん丁寧で忠実な田舎の描写、個性的で嫌味のないキャラ達、読めても笑ってしまう展開などは勿論ですが、一番愛を感じたのはアイキャッチでした。
最初は某N●Kのナンとかスイッチの如く振り子の様に揺れる「り」から始まり、釣られる「の」や思わず数えたくなる「のんのんびより」の増幅Verなどとにかく毎回必ず「のんのんびより」で楽しげに遊ぶスタッフが想像出来ました。
後、毎回ED直前に「今日はここまで」とミニキャラが挨拶の様に出てくるあの演出もとても暖かく感じ、
(もしこれ最終回なら「有難うございました」とか出るのかな・・・)
と既に視聴中にそれを想像して淋しくなったりしました。
最終回は違っていましたが、れんちょんの「にゃんぱすー!」に自然に「にゃんぱすー!」と答えるほたるんに、時の流れと共に確かな絆を感じ微笑ましくなりました。
「観るのん」と断言してからほぼ一気に見終わってしまいました。
そして感想はタイトルがやっぱり全てです。
最後に、
この作品を勧めて下さった多くの皆様、本当に有難うございました!へぼレビューですが私が楽しめた事はこれを読んで下さればきっとお伝え出来ると思います!
そしてこの言葉で締めくくります。
おかわり!!!
以下、視聴する前の葛藤レビューw
{netabare}
只今私は真剣にバトル中である。
全ての環境、タイミングその他諸々がまるで図ったかの如く私に向かってのんのん、のんのんと迫って来ている。
それに私は必死で抵抗している。
きっと、無駄な足掻きだと、この攻撃からは逃げる術が無いのだと、理解しながらも・・・私は今日も悶え、抗い、屈服しそうになる自分に鞭打ち、これを書くに至っている。
日常ものはどちらかと言うと敬遠する私。しかもゆるゆる系など正直・・・見た事が無い。いや、気になった事すらなかった。
だがそんな私の(下らない)ポリシーを真っ向から破壊しようとする強敵が現れた!
何とも言えない味のある田舎の風景、懐かしい駄菓子屋、ゆるキャラの如くキモ楽しい人面柿、同情を誘わずにいられない茹でられた哀れな人面柿の末路、そして
「おっせわしましょうことりさん~♪」
何ともゆるぅ~い謎の中毒性抜群の即興曲の数々?が容赦無く私の耳を侵す。
無駄に知能指数が高すぎる狡猾なうさぎさん、その真っ赤な目はターゲットを狙うと同時に私のHKフィールドも狙い撃ちしてくる。
最早私は悟るしかなかった。
「BLOODーC」のうさぎのようなものと言い、この作品のうさぎさんと言い・・・アニメのうさぎは決して愛らしいものではなく、恐ろしいうさぎの格好をした「何か」なのだと。
そしてことりは呟く(失礼、れんちょんですた)
「うさぎに人参食わせるつもりがうさぎにいっぱい食わされたのん」
と・・・。(爆笑)
観ていないので台詞は少々違うかも知れないが、一話も観ずにレビューを書けてしまうのは何故なのか!?
これはある人のある場所での情報のせいで有り、お陰なのだが(これからも宜しくお願いします(_ _)
もうそこまでなら意地を張らずに楽になっちゃえYO♪
視聴しちゃえYo!ハマっちゃえYO!
悪魔が、いや得体の知れない何かが「のん☆のん」と囁く。
そうなのだ。
この作品の凄い所は全く未視聴なのにいくつかのシーンを観ただけでも雰囲気や面白さが伝わって来る事である。
タイトルの
「のんのんびより」
そのひらがなの七文字はなんて見ただけで脱力させる威力を兼ね備えているのだろう。
繰り返される「のん」がまた「のんのん♪」と首を左右に振ってノってしまいそうな響きを醸し出している。
しかしお恥ずかしい事に、今まで私に取ってほぼ未知の世界と言えるこのジャンル、視聴の仕方が解らない。
いや、ただ画面の前に座って流れてくるシーンを観ていれば良いだけなのだろうが・・・日常もの(ゆる系)に耐性がない私だ。これを観てしまったらどうなるか・・・怖いのだ。
どんなハマり方をするか解らない分恐ろしい!
気付けば鑑賞状況が・・・「観たい」になっている・・・
もう・・・視聴しても、良いよね・・・・・・
(感動の名言の無駄遣い陳謝!) {/netabare}